第107話唐突に始まるリリアさんとの模擬戦

「ほぇ〜、アームズドラゴンの上位種が持つスキルと大罪の力を合わせてこれを作ったのか…うーむ、創作系スキルと合わせれば私でも出来るのか?アルカナの力も使えば…」


集中錬成武器については特に隠すつもりも無いので説明した所、リリアさんはボソボソと独り言を呟きながら大太刀を凝視している。職人の性だろうか?


「あー!もうさっさとスキルを込めた魔道具を作ってみたい!………よしっゼノっち、まずは君の要件を済ませようか」


…ゼノっち?何その呼び方、初めてなんですけど。にしても要件とは?俺は霊印に従ってここに辿り着いたが、特に要件とかあるわけではないのだが。


「ついてきて、実はリア姉からは手合わせしてやってくれって言われててねぇ。その手合わせをして私にゼノっちを見極めて欲しいって言われたんだよね」

「…手合わせ?」

「そう、手合わせ。全くリア姉も無茶言うよねぇ、私は神格者じゃないって言うのに上位種相手に手加減しろだなんて」


そんな会話をしながらたどり着いたのはバカ広い訓練場みたいなもの。壁の所々に紋様が浮かんでおり、淡く光っている…何か効果があるんだろうか?


「さてと、此処なら龍の姿でも存分に動けるでしょ?それに被害とか心配しなくて良いよ、あのリア姉が手を加えた場所なんだからよっぽどの事がなければ壊れないし」


まさかのリアが手を加えた場所だった…そりゃ壊れないと思う、だってリアだもの。とりあえずリリアさんの言う通りに龍の姿に戻り、リリアさんと対面する。先程までの龍人視点だとリリアさんは巨人って感じだったのに龍視点だと随分と大きい人間って感じだ。纏うオーラは強者のソレだが。


「ほうほうほうっ!良いねぇ、フィリアさん程じゃないけど龍としては随分と成長してるじゃないか!全く、もし敵対関係だったら容赦無く素材を剥ぎ取りに行ってる所だよ…」


怖いんだが?今この時ほど敵対してなくて良かったと思うことが………いや、フィリアさんと初対面した時も敵対してなくて良かったと強く思ったわ。

…いざと言うときは素材を直で渡そう。殺されるよりはマシだし。


「よしよし、それじゃあ戦おうか!是非とも君の作った武器を使ってくれよ?私はそれが気になってるんだからさっ!」


そして唐突に始まるリリアさんとの戦い…と言うか模擬戦。どうやらリアから言われた俺を手合わせをしてくれと言うお願いをさっさと終わらせて創作活動に力を入れたいらしい。


「どうした?どんと来なさいなっ!上位種程度に負けるほどヤワになったつもりはないからね!」


て事らしいので、遠慮なく攻撃をさせて貰おう。あんまり戦う気は無かったが、リアが用意したこの盤面ならば、しっかりと使わなければならないと思う。


まずは様子見として壊滅術・散を付与した罪氷をリリアに向かって放つ。リリアはそれを一つの手で掴むが、壊滅術・散の効果もあって罪氷が破裂して衝撃を与える…なおリリアの手にはそこまでダメージが入ってないっぽい。


「…罪の力に、これは破壊の性質かな?こりゃまた珍しい力を持ってるねぇ…」


そして次はリリアさんが仕掛けてくる。と言っても真正面からの俺の懐に入り込んで殴りかかってくるだけなのだが…なのだけれどそのスピードと威力にフィリアさんレベルの面影を感じるっ!


ドゥッ—!


避けはしたけどリリアさんが放った攻撃によって発生した風圧の音がはっきりと聞こえる…こりゃ避けないと危ないな。

リリアさんの攻撃後に合わせて前片足で殴りかかる…動き的には猫パンチ。リリアさんはそれを二本の腕で弾き、再度俺に肉薄してくる…リリアさんの戦闘方法は肉弾戦が主流っぽい。


そんな感じで探り探りの戦いをしているうちにどんどんと激しさは増していく。普段は魔法とかばかり使ってるからこうも至近距離で戦うのは新鮮だった。


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何故か上空を蹴って近づいてきたリリアさんの拳による突きを霊体化で躱し、実体化して噛み付く…が、リリアさんの圧倒的な力で顎を閉じさせてくれない。


ならばそのままブレスを吐こうとするが、顎に拳を入れられ、無理矢理口を開けられてリリアさんは脱出する…そしてブレスは不発に終わる。


だがリリアさん自体は割と目の前に居るため、そのまま突進して自身の巨体をぶつけてリリアさんを吹き飛ばす…あんまり効いてない。


ちなみに今の俺は翼を発達した翼脚へと変化させており、戦いやすい姿をしている…はずなのだが、戦いやすさはあんまり変わらない。なにせ超至近距離戦だとどうしても翼脚で攻撃するよりも俺自身の巨体で攻撃した方が手っ取り早いのだ。


「うーん、もっとギアをあげようか」


そう言ったリリアさんは収納スキルから魔道具を複数個取り出し、空中へと浮かべる…すると浮かんだ魔道具から無数の弾幕がはまたれてきた。しかもリリアさん自身も攻撃する為にこちらに近づいてきている。


弾幕を避けながらも、俺は創作技術の錬成によって機銃や攻撃機を生み出し、機銃はリリアさんを狙わせ、攻撃機は魔道具を狙わせる。リリアさんは器用に機銃が放つ弾丸を避けながら肉薄してくるので、その攻撃を避けてから尻尾による横凪の攻撃をするがリリアさんの六本腕によって止められ、掴まれる。


「———そぉいっ!」


リリアさんの圧倒的な腕力により、ハンマー投げの様に振り回された挙句、壁に向かってぶん投げられる。流石に衝撃がバカにならないので、霊体化して壁をすり抜け…ようとしたけど激突した。


…そう言えばリアが手を加えた場所だった。そりゃ霊体でもすり抜けれない様になってる可能性もあったわな。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一つ…聞きたい事が。



火山編の後は深海か魔境を予定してるんですが、どちらが良いでしょうか?


適当にX(旧Twitter)にて「#育りゅう」でアンケート取っておくので是非是非投票してくれるとありがたいです。(コメントだとなんとなくしか分からないので)

いつ体調が良くなるか分からないので期限はとりあえず約1週間、よろしくお願いします。

…投票数が純粋に少なかったら普通に泣きます、はい。


↓アンケートURL↓

https://x.com/hyoukarasuba/status/1811091715786465608?s=46

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