第100話 事後処理と自身に起きた変化

 俺が連合軍を蹴散らし、意識を飛ばしてから数ヶ月が経った。その数ヶ月の間に戦後処理やらと色々しており、遂に諸々が終わったのだ。


 まず、聖国が元帝国領を支配する事となった。とは言え今では元帝国領はガチのもぬけの殻、もはや未開拓地を渡された様な物である。それとこれから約数十年に渡る聖国への手出し不可等々色々あるが、とりあえず交渉は聖国有利とだけ言っておこう。


 まぁ俺が聖国側に付いてたのと、元皇族のフェアさんが居たのが非常に大きいけど。あとプリモディア王国軍所属のルミナが居たと言うのもあるが。


 国の諸々についてはそれくらいしか分からなかった。何せそんな学んだ事もない域の話だったし。そんな事よりも俺の謝罪の方が私的には悩んだ。


 連合軍壊滅は別に良い。だってあっちが仕掛けて来た話だし、こちらを殺す気があるなら殺される覚悟があっても良いと思う。だが問題は俺が聖国へ攻撃した事だ。


 ………被害は街一つの壊滅とそこに住んでた人の大半の死亡、あとはセナさんとかに攻撃した事ぐらいか。


 セナさんは別に大丈夫と言ってたがただ単に俺が償うべきだと思ってる。確かに俺は法に縛られない龍と言う存在だが、何も好き勝手したいわけじゃないしこう言う好き勝手して許される前例を作ればそれに甘えてまた何かを壊してそのままにしてしまうだろう。


 ………ちょっと記憶にある日本の生活を送ったせいで人間寄りの思考になってるのもあるが。


 て事で聖国に対しては今まで倒してきた様々な素材の提供と復興作業や元帝国領に建てる物の手伝いを申し出た。創作技術のお陰でガンガンと作業は進むし、瞬く間に復興は終わった。


 そして俺が牙を向け、必死になりながらも耐えてくれた人達にお礼がしたくて集中錬成武器を渡した。正直これでも足りない気がしたが、アレで充分だったらしい。


 フェアさんには大盾を、ルミナには細剣を、セナさんには銃と杖を、聖職者の方々には魔力貯蓄が出来るアクセサリーを。


 それら全てに大罪付与をしたのだが、俺以外が使うと精神への蝕みが発生する事がわかったため急遽フィリアさんに頼み込んで一部フィリアさんの素材を使い蝕みを除去。


 ちなみに対価として全力でフィリアさんと戦う事になった。勿論ボコボコにされた…やっぱ神格者はエゲツない、遥か高みの存在に思える…が、俺はそれに到達しないといけない。


 集中錬成武器を渡す時にフェアさんから「何故帝国を滅ぼしたのか」、そう聞かれたが何も答えられなかった。やったのは俺ではない…けど要因は確実に俺。実際に滅ぼしたのはリアだが、そんな事を言えないし責任転嫁になるだけ…しかも責任を押し付ける相手はリアなのだ…押し付けれるわけがない。


 そんな事もあって俺は作業が終わり次第、聖国から出た。復興を手伝ったり、建築を手伝ったりで多少は聖国に住む人達からの好感度は上がったっぽいけどそれはただのマッチポンプ…それに罪悪感からか居ずらかった。


 それにもっと早く強くなりたくなる理由が出来たのだ…リアに追いつく為にも止まるつもりは無い。


 て事で現在しっかりと起動している霊印に従って空を飛びながら移動中だ。その移動中にあの出来事でステータスが変わった部分を見ていこうと思う。


 まずは変わったステータスを上げていく。


 名前:ゼノ・シオン(理ノ祝福)

 体力:9042/9042(淵源ノ祝福)

【スキル】

 混沌ノ権能/五・一 lv0

【称号】

 淵源ナル龍ノ番 霊神龍の霊印 理/淵源ノ祝福 


 これが変わったステータスの一部だ。

 まずは名前…ゼノ・スノウライトからゼノ・シオンとなり、横に理ノ祝福と言うのがついている。

 この祝福はリアと番になる事を世界が認めた証とかなんとか…リアがそう言ってた。流石はリア、世界に認められるとかスケールがデカい。あと浮気は許されないらしい…なんか世界に監禁してやるとか言われた。…世界に監禁?いやまぁ、浮気なんてしたく無いけども。


 次に体力の横にある淵源ノ祝福。これはリアが施した物っぽい。鑑定にかけた結果、死ぬ事が無くなるらしい。どんな…それこそ世界が滅ぶ攻撃を受けたとしても死なないっぽい。体力が絶対に1残るのだとか。


 でもその代わりにレベルの大幅ダウンや、それに伴うステータス低下…進化の反対である退化が起こるなどなどがある。とんでもなく重たいデスペナリティが付いた感じ、無茶をすれば余計にリアに追いつけなくなると言う事だ…結局死なないのが1番なのである。


 権能は飛ばして称号の欄。リア関連がいっぱいである。


【淵源ナル龍ノ番】、これはリアの番であると言う事だ。本当にそれだけ…でも称号になるほどとんでもない事らしい。


 そして霊神龍の霊印、これは今まで???の霊印だったのが明らかになったのだ。リアの種族は一応【霊神龍】らしい。恐らく黄泉ノ龍の最上位進化種のその先の種族だと思う。


 最後の理/淵源ノ祝福はさっき言った通りの効果だ。


 さてと…飛ばした新たな権能、【憤怒ノ権能】は案の定攻撃力に関連する権能だ。


 だけどこれはほぼほぼ扱えない…何しろ、おそらく大罪に蝕まれる前提の権能なのだ。なにしろ権能の多くが【怒りの感情が強ければ強いほど——…】て感じの効果が多いのだ。

 唯一使えそうなのはゲームでよくある時間経過でゲージが溜まっていって、それを使用して強力なバフを得る奴…アレがこの権能にあるのだ。


 そのバフもかなり強力、おそらく壊滅術のバフをゆうに超えるレベル。とはいえ、バフが乗るのは使用して数発程度の攻撃のみだし、使い勝手で言えば壊滅術の方が圧倒的に良い。おそらくこの権能は大ダメージを与える時にしか使わないと思う。


 これが憤怒ノ権能…まさか精神の蝕み前提の権能があるとは思わなかった、今まで使い勝手の良い権能ばかりだったため割とびっくりしたものだ。


 そんな感じで俺のステータスが変わった。そしてさっさとリアに追いつくためにも俺は霊印の示す場所へと向かうのだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


聖国自体はこの育りゅうを書き始めた頃くらいから考えてた場所なんですが…出てきた時期も相まって割と影薄くなってます。感覚的には何処ぞの創神教レベル。…本来は主人公と関わり深い場所になる予定だったんですけどね。


もしかしたら主人公が神格者になったらまた出てくるかも…?少なくとも魔神教編が来るまでは出てこねぇと思います、聖国は。(作者自身が魔神教を忘れてるレベルですが)

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