第80話ステータス差ありすぎじゃない?
「さてと…行くか」
充分の休息を取り、魔力も9割がた回復した所で魔法陣を囲っていた柵を撤去して魔法陣へと乗る。
魔法陣は特に故障もしていなかった様で普通に起動する。
魔法陣から光が溢れ出し、部屋が光に満たされると同時にその光に視界を遮られる。そして光が収まった時には
…………空中だった。
「いやちょっと待て急に空中に放り出されるのかよ!」
即座に龍型になり、滑空しながら周りの状況を確認する。出た場所は想像通りの墓地の上空…だが、不気味な程にアンデッドが居ない。
(なんでこんなにアンデッドが居ないんだ?この地下に落ちるまではスタンビード以上の量が押し寄せてたはずなのに…)
不思議に思いながらも着地し、軽く闊歩する。本当に一切アンデッドが現れない…嵐の前の静けさの様な感じがする。
少し気になりもするが、ずっと地下に籠ってたからか結構太陽の光が恋しいのでさっさと地上を目指して歩く。ついでに豊かな自然を見ながら大空を飛びたいのだ…墓地と砂漠の地下は見ててもあんまり面白くなかったのだ…地下都市だって朽ちている事意外は前世で飽きるほど見た光景だったのだ。
だからこそ太陽の光がある明るい光景をみたいのだ。ずっと戦闘をしてたから近くの人の街に行って美味しい食事をするのも良いかもしれない。
(息抜きは大事だからなぁ、強くはなりたいけど別に焦るほどの事でも無いしな…せっかくのこの世界なんだから楽しまないとだし)
今までは人間の上振れの実力がどれほどなのかを知らなかったから人に紛れて生活していたってのもある…だけどルミナ・アンブラルは帝国の人達と戦ってみた感じ、今の俺ならば相当な事が無い限りは負ける事はないだろう…もし負けても霊体化があるし、霊体化を封じられても罪氷炎も機微技術も、それこそ大罪感情の付与だってあるのだ。
そんな風にここを出た後の事を考えながら歩いていると、急に足が動かなくなった。
(…えっ?)
気付いたらとんでもない量の植物が辺りを占めており、そして俺の足に巻き付いているのだ。
なんとなーく嫌な予感がしたので即座に火属性魔法で植物を焼き払い、空へと飛ぶ。
辺りを見てみると植物で溢れかえっている…が、緑豊かになったと言うわけではなく、灰色や真紅と言った植物ばかりが生えており、非常におどろおどろしい光景になっている。
そしてある程度滞空していると、俺に向かって無数のツタが伸びて来て俺を捕まえようとする。
なんとも墓地に似合わない攻撃だと思うながらも炎ブレスで焼き払いながら回避をしていると、地面から何かどデカい物が飛び出してきて俺に突撃してくる。
(あっぶねぇ…霊体化無かったら直撃だったんだが…って言うかなーんか見た事ある造形だなぁ)
デカ過ぎて避ける事が出来なさそうだったので即座に霊体化して回避をし、飛んできた物を見るとあんまり印象に残ってなかった奴と同じ見た目をしていた。
(老地龍…お前もアンデッド化してたのか)
帝国にて特に苦戦する事なく倒した相手である老地龍…そのアンデッド化した奴が姿を表したのだ。
霊体化したまま移動すれば外には出てるだろう…だけど俺は戦う道を選ぶ。
連戦にはなるが、コイツを倒せば恐らく進化出来るのだ。鑑定して見た感じ、明らかに俺より強くなってる。アンデッド化しても防御力は高く、魔法抵抗は低めらしいが。
ちなみにこれが鑑定結果。
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【アンデッドエルダードラゴン(地)】
未練値: 5840/7943
不浄魔力: 12006/14003
攻撃力: 6935
防御力: 10831
魔法抵抗力:3046
スキル
地属性魔法lv0
腐植物魔法lv73
瘴気魔法lv50
龍技lv0
大地支配
アースランページ
要塞化
耐性
地属性無効 魔法耐性lv68 物理耐性lv100
霊力耐性lv30 大罪抵抗lv50
称号
朽ちる地龍 落ちこぼれ龍 強キ未練
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気になるのは霊力耐性と大罪抵抗だ。
大罪抵抗はもしかしたら大太刀や罪氷で攻撃してた時に獲得してたのかもしれないが、それにしてはlvがかなりある。
霊力耐性はそもそも生前の老地龍戦の時には俺は霊力を持ってなかったはずだ。
それにどちらのレベルもかなりキリが良い。
そして俺が大罪と霊力を扱える事を知っている存在は一人…
(これも強くなるためってことか?リアさんや…)
確かに機械人形もエレメントゴーストもそこまで苦戦する感じではなかった…無かったが、これはあまりにもステータス差があると思うのだが。
もはや勝ってるステータスは魔法抵抗とスキル量くらいなのだ。
正直殺しに来てるのでは?と思うほどのステータス差…だが別にそう言うわけでは無いのだろう。多分この程度誤差とリアは考えてるのだと思う。
(デカいなぁ、ステータス差…魔法は大丈夫だとしても物理は喰らっちゃダメだな。魔力回復しといてよかった、してなかったら逃げるしかなかったぞ)
霊体のまま、魔法を準備しながら老地龍を見据える。
老地龍が霊体を感知出来なかったら楽なんだけどなぁと思いながら罪氷を放つ。
こうして戦いの火蓋が切られるのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あとがき
はい、冰鴉です。
…思った以上に主人公のステータスを伸ばせなかったから老地龍とのステータスがめっちゃ開いちゃった。
どう勝たせよう…ほんとにどう勝たせようかな。正直ここで主人公が負けるのは解釈違いなんですよね…でもステータス差がぁ。
…本当にどうしよう?(なおなんとか書けた模様)
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