第79話アーティファクト

 とりあえず魔法陣は後回しにして、飾られた魔道具を見てみる。


 台座も魔道具も一切の劣化が見れず、さながら新品の様にも見える。何故忘れ去られるほどに時が経った文明の地下に新品同然のままの姿を保った物が存在してるのだろうか。


「うーん、鑑定してみればわかるか?」


 台座に飾られた魔道具を鑑定してみる。するとこんな風に表示された。


【0.愚者】

 製作者:リリア・クレアーレ


 *神格者干渉により一部表示できません

 遥か昔にリリア・クレアーレによって生み出された魔道具。現在ではアーティファクトと呼ばれている。



 …これだけしか表示されなかったのだ。

 せめてどう言う魔道具なのかを知りたかったのだがそれは出来ないらしい。


「だけど…愚者、かぁ。アルカナだったけ?0の愚者ってのは」


 鑑定で情報がしっかり手に入れてた訳ではないが、それでも名前を知れたのはありがたい。一応アルカナと言うのは名前だけは知ってる…けど詳細は全く知らない。大アルカナですら愚者と悪魔と世界ぐらいしか知らないのだ。


「まぁ、持っておいて損は無いか?神格者が干渉してるならなんか重要そうだし……ってえっ⁉︎なにこれ⁉︎」


 愚者…カード型の魔道具を手に取った瞬間、魔道具が光の粒子となり、自分の中に吸い込まれていったのだ。一体何か…?と思いステータスを見てみてる。


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 種族:黄泉ノ龍

 名前:ゼノ・スノウライト

 lv:462/500

 体力:4580/4593

 魔力:2413/7063

 攻撃力:— (4625)

 防御力:— (4853)

 魔法抵抗力:9782


 スキル

 死式鑑定 言語理解 エクスペリエンスリーパー 

 身体構築変化 機微技術(錬成/収納/起動) 

 死域支配 霊体化/実体化 霊魔変換

 死生判別 

 龍武芸百般lv102

 氷炎魔技lv93

 混沌ノ権能/四・一 lv92

 霊力行使lv31

 超速自己回復(魔力)lv43



 耐性

 氷属性無効 炎耐性lv63 毒耐性lv55

 物理耐性lv97 魔法耐性lv99 精神耐性lv80

 即死耐性lv30 魂縛耐性lv30

 全属性共通耐性lv15

 邪落化無効


 称号

 黄泉帰ル魂 突然変異 混沌の掌握者Ⅴ

 不老種 混沌龍 大罪処刑者 

 愚者ノ道

 聖神龍の聖印 ???の霊印 

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「なんだこれ…エクスペリエンスリーパー?経験値を刈り取る者って事か?」


 取得経験値量増加が変化して称号に愚者ノ道が追加されている。

 あの魔道具はどうやらスキルを変質させて、更には称号が芽生える程の物だったらしい。

 もしかしたらあの機械人形はこの魔道具を守ってたのだろうか?


 とりあえず把握の為にも鑑定を掛けてみる。


【エクスペリエンスリーパー】

 取得経験値量増加に加え、相手を倒した時に相手の経験値の一部を刈り取る能力を持ったスキル。

 刈り取る経験値量は自身よりレベルが高いほど増加する。


【愚者ノ道】

 魔道具『愚者のアルカナ』に主として認められた証。

 *経験値取得量に関するスキルが付与される。


「リーパーの方は本当に刈り取るんだな…経験値効率が上がったって事で良いんだろうけど、愚者ノ道の字面よ」


 うん、愚者ってのはどうしても悪い意味に考えてしまう言葉だ。だが邪落化無効が働いてないって事は悪い意味ではないのだろう。

 アルカナの詳細なんて知らないから愚者が何を表すのかも分からないが…


「にしても魔道具吸っちゃったけど…良かったのかな?めっちゃ大事に保管されてる感じだったけども」


 そりゃもう新品同然の姿のまま保管されていたのだ。正直リリアって人に申し訳ない…が、取り出すにもどうすればいいか分からない。

 ちょっと悩んだが結局どうしようもないと言う事が分かったので考える事を放棄、次に部屋にある魔法陣に目を向ける。


「これ…明らかにあの墓地に繋がってるんだろうなぁ。不浄の魔力が漏れてるし」


 エレメントゴーストもこの魔法陣を通して此処に来たのではないだろうか?鑑定で魔法陣を見た結果は【転移魔法陣】、決まった場所と行き来する事が出来る魔法陣らしい。


 これに乗ればおそらく地上にも戻る事が出来るのだろうが…どうしようか?

 正直に言えばもうそろそろ陽の光を浴びたいところだ。何せずっとこの地下空間で過ごしてるのだ…明るい場所に行きたくなるのも当然だろう。


 でも魔力が全然無いのも事実…もしアンデッド達が大量に居る場所に出たらそれこそ魔力ギリギリになるまで使って殲滅しないといけないかもしれない。


「まぁ、回復するまで待つか…あいにくとここはセーフゾーンっぽいしな」


 一応変な奴が魔法陣を通ってこちらに来ない様に魔法陣の周りを錬成した柵で囲い、超速魔力回復を罪化させて回復速度を上げながら魔力回復に徹する。

 流石に2/3程の魔力を回復させるのは時間がかなり掛かるのであった…


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 あとがき

 はい、冰鴉です。


 と言う事で出て来ましたアルカナ!実はずっと出したかったんですけど、どう出そうかずっと迷ってた要素です。

 でも大罪や美徳、霊力や機微技術ほど特殊になるわけじゃないのでそこはご了承を…今の所はただただアルカナが存在してる事と、愚者のアルカナによって経験値取得効率が上がったって事が伝われば大丈夫です。(そもそも他のアルカナは入手出来ないので)


 ちなみに作者はアルカナを全く知りません。Google先生…お世話になります。


 あとかなりの期間更新停止するかもです(新作書くのが楽しいのよ)

 って思ってたけど最近また筆が乗り始めたので調子が悪くならない限りは3日に1話投稿になります。


 ↓こちら新作↓

【転生先はどうやら姫様のペット(召喚獣)の竜らしい】

 https://kakuyomu.jp/works/16818093076479863049

 育りゅうのガッツリ異世界物のステータス有りのお話とは変わってステータス無しの異世界学園物になる予定ですので読みたい方は是非呼んでくれるとありがたいです。(作者は最近人外転生物しか書けないんじゃないかって思い始めてます)

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