第77話機械と龍は格闘戦に興じる
武器を仕舞った俺は実体化する。
俺が実体化したと認識した瞬間レーザを放ってくるので罪氷で防御する。…うん、ルミナほどのエグい火力をしてるわけではないらしい。溶けはするが充分避けれる隙が出来る程防御できるのだ。
「もしくは俺の罪氷が簡単に溶けなくなったからかな」
傲慢の権能で機械人形の真上へと移動して翼脚を叩き付ける。
…まぁ、そりゃ防御するよな。
機械人形は俺を押し除け、レーザを放ってくる。
どうやら少しでも離れればレーザを撃ってくるらしい…
レーザーを罪氷で防ぎながら接近すると今度は腕を剣へと変えて切るかかってくる。
翼脚の爪で受け止め、そのままもう片方の翼脚で機械人形を掴もうとするが、それを察知されて片方の手で受け止められる。
「けどこっちはまだ腕があるんだよ!」
防がれてるのは翼脚だけであり、人が使う腕は残っている…のだが、掴もうとする前に機械人形の胸元が開き、小型の砲台が見えた。
その砲台の奥底から青白い光が見え始めたので、即座に傲慢の権能で機械人形の背後の上空へと避難する。
ドオオォォォォォォン
そんな轟音と共に放たれたのは砲弾無しの砲撃だ。つまりは近距離で思いっきり爆風を浴びせる技をしてきたのだ。
轟音に怯まずに回し蹴りを放ってみたが、それすらも人形はガードする。人にある間接などは機械には関係ないとでも言うように動くコイツの攻略法は簡単…今実行中なのだ。
-----------------------
アレから何十分経ったか分からないが、ひたすらに近接戦を続けている。
目の前の人形は特に燃料切れとか関係無いようで、ひたすらに最初と同じパフォーマンスを繰り出してくる。
基本的に殴る・蹴る・切るを続けていて、俺を捕まえたら地面に押さえつけて思いっきり拳を叩き付けるか、踏み付けるかをしてくる。まぁ、俺は叩き付けられる毎に霊体化して避けているのだが…
そして中・遠距離になればレーザーを放ってくるし、近距離で鍔迫り合い見たく睨め合う感じになると胸の小型放題から砲撃をしてくる…ずっとそんな感じだ。
(でも、もうすぐいけそうだな)
ただただ肉弾戦を繰り広げてた訳ではない…わざわざそんな泥試合もする意味がない。
霊体化して魔法を放てば終わると思うかもだが、そもそもこの機械人形は異様に魔法抵抗力が高い。これは多分だが、憑依しているエレメントゴーストとか関係無く、外骨格に使われている素材がそういう物なのだろう。
故に罪氷炎含む魔法はひたすらに効きにくいのだ。そして頑丈でもあるが故に肉弾戦も滅茶苦茶に強くて厄介。
純粋な格闘と砲撃、レーザーと手数は少ないのだが普通に機体性能でカバーしてるのがこの機械人形なのだ。
そして霊力で炙れば良いかなぁと思ってやってみたが、霊力を使った攻撃はその機体性能に物を言わせた動きでしっかり避けるのだ。
と言う事で俺はとある事をする為にひたすらにこの人形相手に肉弾戦をしている。
正直言って俺ぐらいのステータスでコイツと戦うのは特殊なスキルが無い場合は凄くキツイと思うのだが…
そんな事を考えながら戦ってたからか、機械人形に腕を掴まれてハンマー投げみたいな感じで空中に放り投げられる。
空中で羽ばたきながら体制を立て直していると、機械人形からレーザーが乱射されてくる。
霊体…で避けるのもアリだが、それはせずに飛びながら罪氷で自身に当たる軌道のレーザーを相殺しながら機械人形に滑空して突っ込む。
そのまま格闘戦へと移行し、殴りかかってくる拳は逸らして避けたり、剣へと変形させた腕は爪で弾いたりしながら戦い続ける。
まぁそんな事をしていれば当然胸元の小型砲台が出てくる。
が、今回はそれが狙いだ。
(もうそろそろ終わりにしたいからな!)
青白い光が見え始めた砲台に手を突っ込む。対策として罪氷も装甲も纏っているし、即座に霊体化する準備もできている。
「…っ!見えた!」
『ドガアアアァァァァァァァァァァン』
小型砲台から青白い光が噴き出るとともに、この機械人形との戦闘で砲撃と比べ物にならないほどの爆発音と衝撃と共に、地下空間は炎に包まれるのであった。
-------------------
???side
「ありゃ?アレの反応が消えたなぁ…リア姉さんが撤去でもしたんかな?」
じっくりと研究していた武器から顔を離して、とある方向を見る。それは砂漠の方向…それもかなり深い部分へと目を向けられている。
「うーん…まぁいいか、所詮過去の遺物だしな。そんな事よりこの武器の方が大事でしょ」
そう言って再度手に取るのは大太刀。一応私が再現して見たら上位互換みたいな物が生まれたが、完全再現でも改良と言うわけでもない…
「まったく、リア姉さんが渡してきたこの大太刀…とんでもないね。素材も制作の腕もそこそこだってのに特殊なスキルで武器に内包されたスキルのせいで私の作品レベルに一歩足を踏み入れちまってるよ」
適当にそこら辺に置いてある失敗作に大太刀を叩き付ける…すると失敗作の方が壊れてしまった。
本来、私が作ったものは失敗作でも国宝級になるものなんだけどね。にも関わらず、それに打ち勝ってしまう大太刀…
「早く会ってみたいねぇ、コレの製作者って奴に…フィリアさんの子供らしいが」
再度大太刀を見つめる。その大太刀の刃は青色に煌めく炎の刀身をしているのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます