第75話砂漠地下はただの洞窟だけでは終わらない
ゴブリンの巣から適当に歩きながら時たま出てくるワームを処理する…そんな風に地下洞窟を歩いてると、ゴブリンの巣とは桁の違うかなり広い空間へと出た。
「なんだここ…龍に姿でも飛び回れそうなぐらい広いぞこれ」
どうやら空間の天井付近に出たらしく、下は暗くて全然見えなくなっている。
実は黄泉ノ龍になってから怠惰の権能ほどではないが控えめな暗視がデフォルトで付いてるのだが、それでも下が見えない。
「とりあえず降りてみるか?一応装備は出しておくけど」
翼脚で飛びながらゆっくりと降りていく。にしてもこの空間はなんだろうか?若干不浄の魔力が混じってるから不気味さもある。
もしかしたらあの墓地と繋がってるのかもしれないが、それでもこの淀んだ魔力特有の近付きたくなくなる雰囲気は苦手かもしれない。
そうしてゆっくりと降りていると地面…と言うよりも建物が見えてきた。
そう、建物だ。それも異世界の中世チックな感じよりもどちらかと言うと現代寄りの様な…
「これは…都市?なんで砂漠の地下にこんな所が?」
もしや滅んだ文明とか言う奴だろうか?明らかに王国や帝国の建築技術よりもここら辺の建物の方がしっかりとした建築をしてる感じがする。
都市の道路に降りて辺りを見渡す。民家っぽい物や、ビルらしき物の成れの果てが辺りを埋め尽くしており、道路には車っぽい奴がある。
「もしや俺以外にも転生者が…?って思える程の前世に似通った街並みだな。これとか殆ど車だし」
そう言って廃車っぽい金属の箱を触る。経年劣化によってギリギリ姿を保ててたらしく、触れた瞬間に崩れる。
砂漠の地下に存在してるだけあって、やはり相当な年月が過ぎてるらしい。むしろギリギリと言えど形を保ってる事に驚いている。
そして崩れた時にかなり大きい音が出たからか、そこら辺の瓦礫からサソリが湧き出てくる。どうやらここら辺は虫系魔物の生息域らしい。
飛ばしてくる毒棘を装甲で防ぎ、罪炎で焼いていく。数は多いがそれだけだ、全部纏めて燃やせば一体も複数体も変わらない。
「うーん、ちょっと前世を思い出してしまうな…文明の利器が恋しいや。まぁ、龍だから文明とかあんまり関係無いけどねぇ」
ちょっかいをかけてくるサソリやらクモ、ムカデ達を焼却処分しながら都市を歩いて行く。当たり前だがどこもかしこも朽ちた建物ばかり、此処に知的生命体が住んでた痕跡があれど現在生きてる事は無さそうだ。
どれだけ文明が発展すれども、いつかは滅びるって言うのがよく分かる光景だ。もしかしたら前世の地球もこんな風に滅び、忘れ去られるのだろうか。
………関係ない話か。
そうして廃都市を探索していると砦…いや、遺跡だろうか?石材で構築された建造物が見え始めた。
周りの建築物はほぼほぼ朽ちていたとはいえ、比較的前世よりな建築だったが急に石レンガの建造物が出てきたせいで結構浮いてる。過剰表現になるが、街中歩いていると急にピラミッドが出て来たってレベルの浮き具合だ。
そして周りの建築物に比べて原型がしっかり残っている。風化はしてはいれど、崩壊寸前というわけではなさそうだ。確か前世のテレビでより自然に近い素材を使った建築物は朽ちにくいとか言ってたがその原理だろうか?うろ覚えだから間違ってるかもだが。
「にしてもこういう廃砦みたいなのも良いよなぁ、ゲームとかだとこう言う所のどこかに龍が佇んでたりするんだよな。まぁ、そういうのは大抵地上の建築物であってここは地下なんだけどね…それに出てくる敵も違うっぽいしな」
廃砦みたいなところに入ってすぐに出迎えてくれた虫系魔物とアンデッドたちを罪氷炎で焼き尽くす。どうやら龍が出る訳ではなくアンデッドが出るらしい…アンデッドの強さは冒険者ランクで言うB~C程度、俺から言えば大体一発で沈めれる相手だ。
廃砦の内部へと入ってみたが特に何もない…そりゃ建造物は残っていても中にある物は朽ちていくから当然なのだが。
特に何もなくて寂しさすら感じてくる内部を探索していると更に地下へと続く道を見つけた。
そう、更に地下なのだ…最初に砂漠の神殿らしき場所から降りて墓地へと足を踏み入れ、次にリアに思いっきり下へと落とされ、更にそこからかなり下に地面がある廃都市まで降り、そこからまた下へと続く道があるのだ…
「これ…行っても良いけど俺は地上に戻れるのか…?」
正直言って滅茶苦茶地下に下り過ぎてて怖くなってくる。でも廃都市の外へ行こうともただワームが掘った道があるだけだろうし、探索しても朽ちた都市が広がってるだけなのだ。進むべき場所はここぐらいに思える。
最悪霊体化して真上に向かって進めばいいか、そう思ってこの廃砦の地下へと進む…進むごとに濃くなっていく不浄の魔力を感じながら。
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あとがき
はい、冰鴉です。
現在非常にこの育りゅうの創作モチベが無いんですよね…ガッツリ不定期になると思いますが、話が作れ次第基本的に五の倍数の日に投稿されると思ってください。
ちなみに新しい人外転生物も書き始めましたが多分そちらも五日に一話投稿しますのでよろしくお願いします。(正確には五の倍数の日)
最近普通にモチベも無いんですよね…しかもそういう時に限って否定的に撮れてしまうコメが飛んでくるんですよね。えぇ、分かってますよ!正直人の世編を書いてるときは龍じゃなくてよくね?ってなってましたよ自分も!
でもしょうがないじゃん…これ処女作よ?どう進めればいいか手探りだし、とりあえず話を書き進めるなら創造しやすい人間関係を書いた方がとりあえず書けるじゃん。
私、冰鴉はマジ物の初心者ですよ!?上手く書けると思わないでくださいよ!
それと現状主人公に特別感が無いってコメントもありましたが機微技術と龍武芸百般は主人公のみが持つスキルですよ?確かに大罪や美徳が特別感ありまくりますけど言ってしまえば美徳の龍であるフィリアさんが居ますし、そもそもリアちゃんは設定的に言えば理不尽でしかない存在ですからね。それに実を言うならばフィリアさんって傲慢ノ権能持ってますし。
大罪や美徳がありふれているって訳では無いですけど少なくとも神格レベルの化け物達は大罪や美徳、またはそれに近い格のスキルは絶対持ってますので。
というかね?たかが上位進化種間近なだけの主人公が権能を五個も持ってる方が異常ですので。
とまぁ少しコメント見ててモヤついた部分を発散したところで言いますが、正直内容についての言及は別にいいですが、かませ犬ではないキャラたちへの悪評はやめていただきたい。
特にしっかりと名前が出てくるキャラたちは自分はかなり愛着を持ってますので、もし否定的な評価をコメントでするなら容赦なくコメント削除しますのでご了承を。
自分の好きな存在を否定されたり馬鹿にされるのは普通に嫌いですので。
あと【間話:リア・シオン】は一旦非公開にしました。もしかしたら終盤辺りに修正して再公開とかするかもです。(正直今の段階で出していい内容でも無いですしね)
リアちゃんの素性は実は秘密にしておきたかったりします。(でもうずうずして秘密を書きたくなるのよねぇ)
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