第74話龍vs砂漠地下の狩猟民族ゴブリン
銃をショットガンから拳銃へと変形させる。そして適当に近くに居たゴブリンの頭を撃ち抜く…と共に大量の矢が俺に向かって降り注いでくる。
「周りに居るゴブリンを即座に倒さなきゃ矢に貫かれるって事ね」
だがそう簡単に喰らってやるつもりはない。
必要な分だけ飛んできた矢を拳銃で撃ち落とし、出来た隙間を利用してゴブリンに切り掛かる。
本来の技術じゃ矢を撃ち落とす事は出来なかっただろう…だがそれを銃に付与された怠惰の権能が可能にしている。
切り掛かったゴブリンをステータス差で圧倒して一刀両断、だがもちろん周りに前衛ゴブリンが大量に居るわけで即座に大量のゴブリンが襲い掛かってくる。
「数で圧倒出来ると思うなよ?」
氷炎魔技で地面から氷柱を生み出し、俺の周囲に居た十数匹を串刺しにしてから生み出した氷柱を爆発させる。
これが氷炎魔技の凄いところ、冷たくて固形である氷が熱を発生させて炎を生み出す現象である爆発をするのだ。
これによって更に近場にいたゴブリンは焼けていき、俺の周りから少しゴブリンが居なくなる…と同時に矢が飛んでくる。
矢を剣で切り落とし、矢が飛んできた方に向けて拳銃を発砲する。やや適当な狙いだったが怠惰の補正で見事に頭に弾が入っていく…やはり怠惰の補正は強い。
撃ち抜いた事を確認せずに銃を腕輪へと戻し、背後から気配を殺して近づいてきたゴブリンの首を掴んでへし折る。多分暗殺型の奴だったのだろう、スキルかは分からないが毒が塗られてそうな色合いの短剣を手に持っていた。だが相手が悪かった…万が一の為に怠惰で索敵はしていた為、丸分かりだったのだ。
即座に毒の短剣を拾い、後衛ゴブリンに向けて投擲。ゴブリンに刺さった事を確認する前に周囲に居たゴブリンを切り付ける。
「巡回してたゴブリンの戻ってきたのか…?ならもっと暴れようかな!」
銃と剣をスキルで収納し、手を龍手へとする。そして生やしていなかった翼脚も生やしてちょろちょろ増え続けるゴブリンを見据える。
今までは技の銃と剣だったが次は力の超近接戦の始まりだ。
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飛んできた矢を鱗で防ぎ、飛んできた方へと重鱗射撃を行う。最近は罪氷を飛ばしてばっかりで使ってなかったが進化して硬くなった鱗は普通に脅威なのだ。
後衛のゴブリンの断末魔が聞こえたのを気にせずに近くにいるゴブリンを鷲掴みにして思いっきり握り潰す。
ステータス差の暴力で圧死させたゴブリンを目の前に居たゴブリンに投げつけ、そのまま前方に氷炎を放って凍らせる。
「刀とか剣で綺麗に戦うのも良いけどこうやって雑に戦うのもまた良いよ…なっ!」
両サイドから飛び掛かってくるゴブリンを翼脚で掴んで地面に叩きつけて埋める。
そのまま翼脚をさらに埋めてそこから氷炎を噴出させて自身の周りにいたゴブリンたちを焼き凍らせる。
「おっと?逃げるのは良くないなぁ」
荒々しい戦い方は恐怖を覚えやすいのか逃げる奴が出始めたので傲慢の権能で逃げてる奴らの真上に移動して、そのまま翼脚を叩きつける。
それを見てゴブリン達は逃げるのは無理と悟ったのかより一層激しく攻撃してくるようになった。
常に前後左右を囲む様に位置取り、攻撃する時は2匹以上同時に。そして合間合間に矢が飛んでくると言った感じに普通の人間ならば対処出来ずにやられてしまうだろう…
「だが俺は龍だ」
同時に攻撃してくる奴は掴む・殴る・投げる。飛んでくる矢は鱗とステータス差に物を言わせた防御力で耐える。
囲まれてる事だって関係ない、全方位から一斉に襲われても氷炎で全方位を凍らせるだけだ。
だが地下でそんな荒々しい行動をしていれば当然音は響く…微かに感じる振動がどんどんと大きくなり、数匹のワームが地面から生えてきた。
ワームは音の中心である俺に突撃するらしく、ゴブリン達もそれを分かっていて道を開けている。
だがワームの存在は丁度いい、存分に使わせてもらおう。
突撃してきたワームを横にそれて回避し、潜られる前に出来るだけワームの身体の後ろら辺を両手と翼脚で掴む。
そしてそのままワームの身体をブンブンと振り回す。即席武器のディープサンドワームの鞭だ、存分に喰らって欲しい。
ちなみにディープサンドワームは何気にデカい。あんまり比較する物はないが龍型用の大太刀よりちょっと小さめ程度の大きさがある。勿論その大きさにあった重量をしており、潰したり叩きつけたりしてどんどんとゴブリンの数を減らしていく。
「うーん、もうそろそろ良いかな?」
ある程度戦って満足した所でワームを思いっきりぶん投げる。
ワームが壁にめり込むが気にせずに罪氷炎を纏い、罪氷炎を霊化させて寛容の権能で効果範囲を広げる…そして思いっきり全方位に噴出させる。
そして罪氷炎が収まった頃には砂漠の地下であったはずの場所はさながら凍土の洞窟の様な姿へと変貌したのであった。
「…今更だけど壁にワームを投げつけるのは危ないな…下手してたら崩落してたかも」
そんな反省点を見つけた所でゴブリン集団戦は終わったのであった。
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