第72話 アンデッド化蘇生されるぱわーあっぷ地龍ちゃん
リア・シオンside
「ん、これで良し」
ゼノ君をめり込ませた時に出来た穴やクレーターを直し、ゼノ君が作った巣に混じった罪力を操って抜き、消してから一息つく。
それにしてもやはり興味深い…故意に消さなかった目の前の物を見ながら思う。
それは魔道具の形をしているが魔道具の核もないし、どんな仕組みで動いてるかわからないが私を捕捉して罪力の混じった氷を放ってきたのだ。
「んー、異世界の技術?まぁいいか」
先程からずっとペチペチと氷を撃ってきてる魔道具っぽいのから罪力を抜いて消す。ちょっと惜しいが複数個あるって事は多分作りやすい物なのだろう、今度機会があればゼノ君に聞いてみるのも良いかもしれない。
「ゼノ君を下に送ったけど…あそこだけじゃまだ足りない」
適当にそこら辺に居た未練のある魂を掴んでソイツに魔力を送る。不浄の魔力へと変換したものを送ってるためアンデッドになるだろう。
ある程度満足するまで不浄の魔力を送った後に大罪の感情を植え付けて不浄の魔力に釣り合う未練を生み出す。こう言う時には大罪の感情は便利だ、大罪で感情を増幅させる事で非常に強い未練を生み出せるのだから。
そしてどんどんと器が出来上がり、魂の生前の姿があらわとなる。
その姿はついこの前見た奴だった。
「へぇ、落ちこぼれだったんだ…君」
それは人に育てられた龍だった。アンデッドとなり、私を視認した瞬間思いっきり襲ってくる。
「…生意気」
地龍の真下へと移動し、適当に蹴り上げる。身体に大穴が空いたがアンデッドだし多分死なないだろう。その証拠に穴が塞がり始めてる。
「うーん、ちょっとゼノ君には荷が重い?…大丈夫か」
一応ゼノ君がちゃんと殺せるくらいの実力に調整出来たはずだ。ただ、元が落ちこぼれなだけあって強さが分かりずらい。
今度は地龍が前脚で私を引っ掻こうとしてきたので前脚を消し飛ばす。物理で削れる未練値なんてたかが知れてるから正直アンデッドはサンドバックだと思う。
最後の仕上げとばかりに大罪抵抗と霊力耐性をある程度付与して立ち去る。
コイツならゼノ君も満足できるだろう…もしかしたら砂漠の最深部にいる奴で満足するかもしれないが。
「どうせなら浄化していこっと」
地龍を中心とした周辺以外を聖なる魔力へと変換する。アンデッドにとって聖なる魔力は毒だ、しかも滅茶苦茶濃度を高くしてるためどれだけ未練値があっても即成仏するだろう。
聖なる魔力にしてから数分ほどして再度魔力変換をして不浄の魔力で満たす。
「これで良し、暇だし人間の国でも見に行こうかな?」
そんな言葉を残して神殿地下の墓地からリアの姿が消える。
墓地にはアンデッドとなった老地龍が1匹ポツンと佇むのであった。
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【アンデッドエルダードラゴン(地)】
未練値: 5856/7943
不浄魔力: 12053/14003
攻撃力: 6935
防御力: 10831
魔法抵抗力:3046
スキル
地属性魔法lv0
腐植物魔法lv73
瘴気魔法lv50
龍技lv0
大地支配
アースランページ
要塞化
耐性
地属性無効 魔法耐性lv68 物理耐性lv100
霊力耐性lv30 大罪抵抗lv50
称号
朽ちる地龍 落ちこぼれ龍 強キ未練
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ゼノ・スノウライトside
(やっとある程度回復したか?)
大体最大体力の4/5ぐらいまでは回復した。一応どんな敵が来るか分からない場所だったので安全策をとってちゃんと回復することにしたのだ。
(にしてもここは何処なんだろうな?砂漠の地下っぽさがかなりあるが)
周りは砂岩で出来ており、地面もそんな感じだ。唯一俺の立ってる場所だけ異様に硬い岩盤なのは謎だが。
リアがここで俺を止める為に生み出したのだろうか?
まぁそんな事はさておき、この見た感じ砂漠の地下は龍型だとかなりキツキツだったりする。多分龍型で戦った瞬間、翼脚やら尻尾やら頭やらが砂岩に壁に当たって崩れる可能性が高くなる。
「流石に人型じゃないと危ないかな?デカい空間があったら龍型で行けるかなぁ」
人型となり背中に大太刀を背負い、手首付近に腕輪の形にした変形銃を装備する。
私的にはもっと龍型での戦闘に慣れたい所だが流石にこの地下空間は狭い…先程までいた墓地のあのバカでかい空間が恋しくなってくる。
準備がある程度できたのでさっさと移動する。ここに止まってても意味がないと思うし。
ちなみに行き先は無い。頑張って戻ろうと言った感じだ。
「せめて案内が欲しいな…地下じゃ方向すら分からないんだよな」
自分が居た広間に一つだけあった道へと歩いて行く。さながら砂岩で出来た洞窟だ、もし生き埋めになったらどうすれば良いのだろうか?
「いや、そう言えば霊体化があったな。生き埋めになったら霊体化して空間を探すか上を目指せば良いのか」
霊体化して地中を移動する事はしない。何せ霊体化して地中を移動する時の視界は滅茶苦茶悪いのだ。例えるならゲームとかの濃霧やスモークと同じだ、数メートル先がなんとか見えるくらいだったりする。
本来地中に潜る種族は地中でもちゃんと地形情報や敵位置を補足出来るスキルを持ってるのだろう、音感知や熱源感知みたいなスキルを。
だが俺はそう言うのを持っていない、普通に人間と同じく五感頼りだ。もしかしたら怠惰の霧を霊化させれば広範囲の状況把握を出来るかもだが多分魔力消費がエグいだろう…魔力が切れて霊体化が切れて完全に生き埋めになる可能性があるのだ。
「霊体化は最終手段だな、空間に出られなきゃ最悪地上に出るまで永遠に地面の中にいるかもだし」
そんな独り言を喋ってると軽く振動が伝わってくる。
そしてその振動はどんどんと大きくなっていき…
「わぁ、地上で見た奴の親戚さんかな?」
砂岩洞窟の壁を壊して1匹のワームが出てきたのであった。
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本来はリアちゃんの戦闘シーンを書きたかったんですよ?例えばスタンピードの元凶でフィリアさんに駆逐された奴のアンデッド化した奴を出したりとかして…
でも結局その魔物案が決まらずに主人公の成長素材として地龍さんが復活したんですよね…あっ、今回の地龍はちゃんと強く描写する予定です。
ちなみに実は帝国の皇子2人もアンデッド化してたんですけど…罪氷炎で焼かれて消滅しました。やはりあの二人は結局噛ませ犬だったよ。(なお皇帝も同様だった模様)
リアちゃんが魂で遊んでる感じになっちゃったけど嫌わないでね?どうせアンデッド化する魂を細工して強いアンデッドにしただけですし。
落ちこぼれだった地龍も強くなれて本望でしょう、きっと…
と言うかリアちゃんなら普通に魂消滅させれますから消滅させてないだけ寛容だったりする。(消滅させたら来世なんて物すら無いですから)
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