第70話アンデッドって、実体を持たない奴は居ないのかな?
バアァン………
一つの大きな銃声と共に一体の鎌鼬ゾンビが消える。
「んー、ナイスショット。見事に頭を撃ち抜いてるね」
今俺が撃ったのは罪化集中錬成にて作った罪氷を撃つ銃だ。これは完全人型用、竜型用は作ってない。
ちなみにこの武器に込めたスキルは、
【死式鑑定】【身体構築変化】【機微技術】
【霊魔変換】【死生判別】【氷炎魔技】
【怠惰ノ権能】【霊力行使】【超速自己回復(魔力)】だ。
スコープ越しに鑑定や死生判別を出来るようにして、氷炎魔技と機微技術により弾の自動装填や自動錬成、怠惰ノ権能で命中補正を掛けて、霊魔変換や霊力行使で霊化攻撃も出来るようにしている。
今はスナイパーライフルの形だが身体構築変化で形状も変えれたりする。ピストルもサブマシンガンもアサルトライフルもライフルもショットガンでもなんでもござれだ。(銃という枠組み内での話だが)
一応持ち運び用に腕輪型にも出来る。ちょっとSF感あるものが作れてお気に入りだ。
魔力回復スキルは魔力を取り出す事は出来ないが、魔力回復が追いつく限り氷炎魔技や機微技術を自分の魔力を使わずに使えるのだ。霊力系も同様。
「これも霊力の魔力消費問題の解決の一手かな」
集中錬成武器を使えばその武器に限り、ある程度消費なしで霊力を使えるのだ。
勿論使える量は少ない…何せ自身の身体に比べて圧倒的に魔力貯蓄量が少ないし、魔力の回復速度もかなり遅いのだ。
「ただ集中錬成武器ってのがなぁ…いっその事貯蓄バッテリーみたいなのを作るか?」
そんな事を考えながらもう一度スナイパーライフルを構えて撃つ。
射撃音が鳴り響いて、遠くにいたハイオークスケルトンが消えた。どうやら綺麗にヘッドショットが決まったらしい。
「うーん、アンデッドでも急所って概念があるんだな…よく分からん」
ずっとアンデッド相手に防衛戦するのも暇だったので色々使えそうな武器を作りながらアンデッドの性質を調べていたが、どうやらちゃんと急所が存在してるらしい。
身体がただの器と言えど、ちゃんと魂の入れ物である以上…その身体の特定の急所を狙えば未練値は削れやすいらしい。
ただ、鱗だけで作った即席剣で首を跳ねても未練値が残ってまだ生きてたと言う事があったので急所を突いても生きる事はあるっぽい。
そもそも生きてると言うのかは分からないが。
「大抵の生物の形のアンデッドは頭が弱点…首はそこまで弱点じゃ無いっぽいな」
魂と密接な関係のある場所が弱点なのだろうか?特に頭がそう。
ゴーレム型のゾンビも居たが、そいつはゴーレム同様、核部分が弱点だった。
無機物のゾンビとは?と思ったがなんか居たのだ、動く岩が…鑑定したらゴーレムゾンビだった。
「首や心臓は身体の急所だもんな…魂が宿るのは脳だったんだな」
てっきり心臓らへんに宿っているかと思ったが脳に宿るらしい…首を跳ねたゾンビも身体ではなく頭が動いていた。
「んー、にしてもやる事が無いなぁ、特段強いやつも居ないし」
まぁここまでの話で分かる通り、結構暇している。
知能がよろしくないゾンビは普通に掘に落ちて罪氷炎に焼かれて消滅、飛んでくる鳥類系ゾンビは罪氷機銃で撃ち落とされて消滅、地面を潜ってくるやつは罪氷の床に阻まれて触れると同時にガリガリ未練値を削って消滅と俺自身が特にやる事が無い状態だ。
それこそ体力がかなり削れてしまう行為である、自身からの素材抜き取りをしていても余裕があるくらいだ。
にしてもアンデッドと言ったらと言う特定の魔物が出てこない。
「なんでゾンビやらスケルトンと言った実体を持つアンデッドは居るのにレイスやゴーストって言った非実体系のアンデッドは居ないんだろうな?」
そう…居ないのだ、幽霊タイプの魔物が。
もしかしたらこの場所だと実体を持つアンデッドしか居ないのかもしれない。
「そう言えば俺の種族は黄泉ノ龍だったな…霊体化があるって事は黄泉って場所なら幽霊系がいるのかねぇ」
そんな事を考えていると一際大きいゾンビが空中からやってきた。
ワイバーンゾンビ、一応同じ竜種のゾンビが滑空して突っ込んできた。
「アレも瞬殺なんだろうなぁ…と言うかだんだん出てくるゾンビ強くなってきてる?」
罪氷機銃がワイバーンゾンビを集中砲火して撃墜し、死体がそのまま堀の中へと転がり込んでいく。
うーむ、やはり弱い。弱いのだが段々と出てくるアンデッドが強くなってきている。
最初はそれこそゴブリンやウサギ、一般人のゾンビと言った吹けば飛ぶような奴等しか居なかったが今ではハイオークや風刃鎌鼬、ワイバーンと言った奴らのアンデッドが出てきている。
「これこのまま強くなっていったら俺が倒せない奴出てくるとかあるか?」
そんな事を考えながら周りを見る。相変わらずアンデッドに埋め尽くされているが初日と比べてアンデッドたちの質は良くなってる。ちなみに多分だがかなりの日数をここで過ごしてると思う。
ただ、質が上がるにつれて反比例するかの様に一度に押し寄せてくる量も減ってきている。
まぁ、元が多いためあんまり量が減ったとは実感出来ないが。
今の所は余裕で処理出来てるため、色々と錬成で遊んでるとふと…とあるアンデッドが目に入った。
そしてそのアンデッドは見覚えにある姿をしていた。
「へぇ、アイツもアンデッドになってたんだ」
会うのはセレスの街以来だろうか?龍型となり、罪炎を纏ってそのアンデッドの元へと歩く…
この世界で生まれて初めて戦った竜種の元へと。
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作者はアサルトライフルやサブマシンガン、ライトマシンガンと言った連射系の物よりもスナイパーライフルやハンドガン/ハンドキャノン、ショットガンと言った単発高火力系の物が好きだったりします。
圧倒的な弾幕も良いですけど、急所に一発だけ入れて仕留めるロマン砲も良くないですか?
ちなみにモンハンでの持ち武器はガンランスです(龍撃砲とかフルバレットファイアが良いよね…)
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