第63話進化先は霊力満ちる龍

 山岳の俺の巣に戻り、心を落ち着かせる。


 この冷気に満ちた空間と進化の合図の温かさを感じながら落ち着いた所で一旦整理をする。


(大丈夫、死んだ経験はあるが今の俺は生きてるんだ。それに今回の件はトータルで見れば多分相当プラスだと思う)


 右手に付いてる半透明のリストバンド…霊印を見る。

 その霊印の一部に結晶のような物があり、その結晶がとある方角を示している。多分だがこの方角に従えば実力を身につける場へと行けるのだろう…


(さてと、まずは進化だな。死がなんだって言うんだ、死ねないぐらいに強くなれば良いだけだ)


 そう自分に思い込ませて進化先を表示させる。


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 進化先を選んでください。


【フロウズンドラゴン】

 氷系統竜種正統進化先。

 氷系統竜種の通常進化の最上位。凍土に住み、氷を纏う竜種。

 氷を巧みに扱うフロウズンドラゴンを前にしたら耐性が無い限り凍るしかない。


【アイスファイアドラゴン】

 氷炎属性竜種上位正統進化先。

 氷と炎の共存を成し遂げ、双方を巧みに扱う竜種。温度の影響を受けず、過ごす環境は多義に渡る。

 環境すら変える熱の操作は生態系すら容易に変える。


【混沌ノ氷炎龍】

 罪化氷炎竜種上位特殊進化先。

 相反する属性すら統合し、保持する混沌なる龍。

 自身のテリトリーにて混沌な空間を生み出し、侵入者に不調を促す。

 混沌が生み出す世界は罪禍か祝福か、それは混沌なる龍のみぞ知る。


【黄泉ノ龍】

 死生竜種特殊進化先。

 黄泉に満ちる力をその身に宿した龍。

 現世には存在しない種族であり、現存する黄泉ノ龍は全て死後の世界に存在している。

 過去に例外として1匹だけ現世に存在しており、その者は死を司ったと言われている。


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(フロウズンは無しだな。今まで通りに正統進化を踏むつもりは無いし)


 今まで特殊進化のみを歩いてきたのだからどうせなら正統進化しか進化先がない限りは特殊進化を選びたいのだ。



 となると次は…


(【混沌ノ氷炎龍】か【黄泉ノ龍】か…黄泉、ね)


 黄泉ノ龍は明らかにリアの影響が強く出ている進化先だ。俺が一度死んだ経験があるのと、リアが創り出した死と生の狭間の空間を一度経験したからこその進化先だと思う。


 そして混沌ノ氷炎龍だが、これは今の種族の上位種的な感じだと思う。出来ることがあんまり氷炭相愛龍と変わらない気がする。


 それに【上位特殊進化】と言うのも気になる。もしかしたら何か種族の線引きであり、今後黄泉ノ龍になれない可能性も出てくる。


(となると【黄泉ノ龍】一択か。早く強くなりたいが急がば回れなんて言葉もあるんだ、色んな進化を踏んだほうがいいと思うし)


 そのための【突然変異】の称号だとも思っている。むしろ色んな種族を踏まないと勿体無い気もする。


(よし、【黄泉ノ龍】に進化!終わったら霊印に従って強くなってやる!)


 そうして進化が始まる…


 進化の所要時間は30分以上掛かるのであった。


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(………長い進化だったな)

 今まで掛かっても数分ぐらいの進化が今回は数十分ほど掛かった気がした。骨格の変化などは無いが何故こうも時間が掛かったのだろうか?


(見た目はあんまり変わってないな…翼膜だけは結構変わってるけど)


 ベースは黒龍のままでほぼほぼ変わっていないのだが、唯一圧倒的に変わった部分があってそれは翼膜だ。

 翼膜は半透明となっており、さながら非物質かと思わせるような見た目となっている。


(とりあえず進化後はステータス確認だな)


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 種族:黄泉ノ龍

 名前:ゼノ・スノウライト

 lv:305/500

 体力:3070/3078

 魔力:5830/5838

 攻撃力:— (3053)

 防御力:— (3203)

 魔法抵抗力:8763


 スキル

 死式鑑定 言語理解 取得経験値量増加 

 身体構築変化 機微技術(錬成/収納/起動) 

 死域支配 霊体化/実体化 霊魔変換

 死生判別 

 龍武芸百般lv102

 氷炎魔技lv93

 混沌ノ権能/四・一 lv92

 霊力行使lv20

 超速自己回復(魔力)lv20


 耐性

 氷耐性lv100 炎耐性lv63 毒耐性lv55

 物理耐性lv94 魔法耐性lv98 精神耐性lv80

 即死耐性lv30 魂縛耐性lv30

 全属性共通耐性lv10

 邪落化無効


 称号

 黄泉帰ル魂 突然変異 混沌の掌握者Ⅴ

 不老種 混沌龍 大罪処刑者 

 聖神龍の聖印 ???の霊印 

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(随分と様変わりしたもんだな…)


 流石は現世に存在していないと言われる種族とでも言おうか。

 今まで見てきたステータスの中で滅茶苦茶に尖っているのがわかる。


 まずは異常に上がった魔力と魔法抵抗を見るに【黄泉ノ龍】は魔法…霊力?の使用に特化した種族だと分かる。


 そしてステータスだが、多分本来は攻撃力も防御力も存在しない種族だと思う。

 なにせデフォルトの表示が『—』だからだ。黄泉…死後の世界に実体など要らないからこその攻撃力と防御力が無いという種族値だと思う。


 ただ、スキルで実体化がある以上、実体化状態でのステータスが()内に表示されているって感じだろうか。

 本当に今までの種族とは毛色が違う、まさか攻撃力と防御力が存在しない種族とは思わなかった。


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 あとがき

 はい、冰鴉です。


 と言う事で主人公には更に特殊な進化に進んでもらうことになりました。

 ただまぁ、黄泉ノ龍を出したは良いんですけど黄泉の力とは?って感じですね。

 まだ死と生を操る程強いわけでもないですし、現状魔法特化になった龍って感じです。


 霊力に関してはあんまり決まってないけどなんとか上手く使おうと思います。霊力ってのは黄泉版魔力と思ってもらって問題無いです。霊魔変換がなかったら現世には存在しない物ですけど。


 ちなみにですけど、黄泉の世界の竜種に『上位進化種』は一体しかおらず、黄泉ノ龍も【上位進化種】に片足突っ込んでいる感じなんでステータスが大幅に変わっています。


 まぁ、突然変異で特殊進化とか色々な種族踏んでるからこんなステータスになってますけど本来はもう少しバランスの取れた龍に進化するんですよね…ちなみにエルダーグランドドラゴンちゃんは老齢化と言う上位進化しか出来なかった落ちこぼれなので上位種の中でもクッソ弱いです。餌って判断されるぐらいに…


 と言う事で此処からは上限lvがグングン上がっていくんで進化は少なめかな?目指せ神格進化!

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