第53話人生活から野生へ

 クズ達を焼きまくった日から数日間、宗教都市にて生活をしていたがかなりの変化があった。


 まずは創神教の大混乱。

 こぞって上層部に大半が焼死した事で大騒ぎとなり、各地に飛び回っていた創神教の上層部の人も急ぎで帰ってきたのだ。


 まぁ、その人達も腐ってる奴らばっかりだったので焼死させた。

 公然の前で焼いたため、呪いなのではとか言われたりした。


 そんな事もあったが国の審査やまともな枢機卿の活躍によって不正の証拠やらが大量に出てきて、焼死体の身元も不正に加担してた者や過去に大きな前科を持った者と判断されて処分されている。


 ちなみにこの事で民衆に広まっている噂はこうだ。


『創神様の教えを説く立場に居るにも関わらず悪行ばかりしてるから天罰が落ちた』


 宗教都市内で起きた事だからこそこう言う解釈にもなったのだろう。


 それとこの数日間に王都近郊にて野郎二人の凍死体が発見されて、王都での聞き込みからも差別思考が強い創神教信者だったと言う証言もあって今の創神教の教えは間違ってるのでは?と言う雰囲気になっている。


(少し…神の成り変わり的な話になってしまったけど良い方向に行きそうで良かった。あとは今後どうなるかだな、また機会があったら覗いてみようかな)


 創神教の中枢の立て直しを眺めつつ、そう思う。

 もう此処に居ても意味が無いので翼を広げて宗教都市を発つ。


 飛んでる途中に人型から龍型へと変化させてルミナ・アンブラルと戦った山岳へと降り立つ。

 此処に来たのは人での生活にどっぷり浸かっていた自分を野生に戻す為だ。


(さて、せっかくだし翼脚無しでも戦える様にしないとな)


 翼脚を普通の翼へ、見た目は王道の龍と言って良い姿となる。

 背後から迫ってきたアサシンスネークを尻尾で叩き落として、蛇が怯んでいるところに前足を振り下ろして絶命させる。


(翼脚無しの体術も慣れないとなぁ、翼脚が便利すぎて脚とか身体を支える程度にしか使ってない)


 アームズドラゴンの頃から翼脚に頼りすぎている気はしていたのだ。

 武器を振るうのもトドメを刺すのも色々と翼脚ばかりを使っていたからこそ少し危機感を覚えたのだ。もし翼脚を引きちぎられたらどう戦う?と。


 その為にも弱いが一定の強さはある山岳へときたのだ。


 少し離れた所にゴーレムが…なんか鉄が動いている。

(なんだあれ…アイアンゴーレムって奴か?ゴーレムの上位種かな?)


 岩→鉄はかなりランクアップしている気がするが取り敢えず翼脚無しで戦う。

 まずは熱操作にてかなり熱くした後に一気に熱エネルギーを抜く。


 これにて金属の低温脆性が起きると思うので傲慢の権能にてアイアンゴーレムの背後上へと瞬間移動。


 そこから空中で前転して尻尾をアイアンゴーレムの脳天へと叩き付ける。

 所謂ムーンサルトと言うやつだ、いつかサマーソルトもしてみたいがこの骨格じゃ少し難しそうと思っている。


 尻尾を叩きつけられたアイアンゴーレムは核を潰せてないからか頭部を失った状態で腕を振るって来たので振るって来た腕にそのまま噛み付く。


 熱操作と牙の合わせ技、炎熱牙で金属を温める。

 正直ステータス的には普通に噛み砕けるだろうが色々試したいのでそれはしない。


 もう一つの合わせ技で牙の温度を急激に下げて凍牙とする。

 急な低温によって脆くなった所を一気に噛み砕く。


 多分脆くなっているはず、ステータス差があって分かりずらいのだ。


 砕いた鉄をそのままにゴーレム本体に噛み付いて真上へと投げ飛ばす。

 少し位置調整をして降ってくるアイアンゴーレムに対して横凪で尻尾をぶつけると勢いよく遠くの壁へと吹っ飛んでいく。


(んー、前世ならホームラン確定だったな!)


 尻尾をバットに、アイアンゴーレムを球と見立てて野球をしている気分になった。なおボッチ…悲しいものである。


(この世界に野球なんて無いしなぁ…レティに頼んだらキャッチボールとか出来るかな?いやでもステータス差が…)


 力加減をミスったらそのまま球でレティを殺してしまいかねない…そう思いながらアイアンゴーレムが飛んでいった場所を見てみると核ごとボロボロになったアイアンゴーレムがあった。


 流石に勢いよく尻尾を当ててしまったらしくクッキリと尻尾の跡が出来ている。


(生まれたばかりは爪で木にかすり傷程度だったのに今じゃ尻尾で鉄を殴打してもなんともないなんて…強くなったもんだな、まだまだ弱いとは思っているが)


 セレスティア森林の魔物や四神は遥か高みに居る実力者だ、あれらに比べたら自分なんて未だに赤子同然だろう。


(さてと、しばらく山岳で過ごすつもりだから寝床を探さないとなぁ…寝床を探すのはフィリアさんの巣を出た時以来か?)


 少し懐かしい思いをしながら山岳を歩いていく。

 ちなみに今日の獲物は山岳に生息している魔物のヤギである。


 木々が生えている所では猿も出て来たしゴブリンやオークも居た。どうやらこの山岳は結構生態系が豊からしい。


 そうして良い感じの洞穴を見つけたのでそこに住む事に決める。

 洞穴で過ごして居ると魔物が来た様なので傲慢の恐怖にて追い返す。


 魔物の住処だったのだろうか?ならば申し訳ないとは思うが譲る気はない。

 立ち向かうなら普通に食料にしていただろうし。


 こうして山岳での生活は豊かな生態系に囲まれる形で始まった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 あとがき

 はい、冰鴉です。


 と言う事で人型はここら辺で終わりとして次は龍型編です。

 多分今後は人型の登場は少なくなるんじゃないかな?味変感覚で人の生活圏での物語を書いていましたけど今後は火山編とか海編とか別大陸編とか砂漠編とかセレスティア森林編とか色々書きたいので。


 国とか宗教を出したけど正直あんまり要らなくね?って思い始めてます。特に大罪教、本来は大罪教の国の守護龍になる予定だったんですけど守護龍程度に収めたくなくて結局ただの影の薄い宗教になったんですよね…


 多分いつかちゃんと出ると思います。だって聖女ちゃん居るし。


 と言うか現代ファンタジーを書きてぇ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る