第29話森林龍vs兵装龍
どうやらギルドマスターはレティを連れて町の方に避難したらしい。
(ありがたい、これなら派手な兵器でも何でも使える)
たしかフォレストドラゴンは近接戦に優れた種族だったはずだ。それに毒も持っているだろう。
だが俺も一度は森林小竜を進化で踏んだ身だ、ある程度動き方がわかる物だ。
(だが植物魔法…これが分からない。スモールフォレストドラゴンだと使えないスキルだったからどうなるか分からない)
鑑定で見た結果に植物魔法というのがあるがどんな事が起こるかは想像でしか分からない。
周りの植物を操るのか、それとも植物を生み出すのか…多分そんな感じだろう。
(ちょっと情報不足だが、まぁ戦うしかないな。フォレストドラゴンは植物の味方で動物の敵だしな)
兵器を錬成しながら敵を見据える。現在展開してるのはパイルバンカーに攻撃機、それに爆鱗製のダイナマイトだ。
『ガアアァァァァア』
錬成し終わると同時にフォレストドラゴンの足元から無数のツタが伸びてくる。
(なるほど、近くにある植物を操る感じか!)
とりあえず植物魔法の特性が分かったために少し後ろに飛びながら爆鱗射撃でツタを吹き飛ばす。
俺もフォレストドラゴンも基本的に近接が主力だ。つまり遠距離程度で決着など付けれないのだ。
(こんどはこちらから行くぞ!)
攻撃機に自立行動をさせ、パイルバンカーを射出すると同時に自身も突撃する。
フォレストドラゴンはツタで攻撃機の攻撃を防いで重鱗射撃でパイルバンカーを爆発させて防ぐ。
そこに俺はフォレストドラゴンに向けて翼脚の爪を振り下ろして切り裂こうとするがフォレストドラゴンも翼脚で受け止め、拮抗状態になる。
(流石武闘派な龍だな。割と近接が多い俺と拮抗状態か)
とりあえずそのままではよろしくないので飛び退きながら大槍を錬成して射出する。
その大槍もフォレストドラゴンは翼脚を使って受け流して無効化して居た。
(なるほど、ちょっと長期戦になりそうだな)
そう思いながら俺は武装する。頭部に翼脚、胴体に四肢に尻尾、動きが阻害されない程度に鱗で兵装を作り出す。
防御力はそのまま攻撃力にもなるのだ、手で殴るより金属で殴った方が痛いのと同じだ。
そしてどうやらフォレストドラゴンも準備をしてたらしく全身に紫色の霧を薄らと纏っていた。
多分だが毒魔法の一種だろう。言うならば毒付与だろうか?
そして再度動き出す。
フォレストドラゴンが毒を纏った鱗を飛ばしてきたためそれを爆鱗製ダイナマイトで散らし、よこにとぶ。
回避した後に大槍を投擲、そのまま空を飛んで爆鱗射撃でセルフ爆撃機となる。
『ガァァァ…』
フォレストドラゴンは槍を弾くが爆鱗を鬱陶しく感じてるのが良く伝わる。
再度大槍を投擲し、フォレストドラゴンが対処をしてる間にフォレストドラゴンの横側に向かって思いっきり滑空し、襲いかかる。
流石に危ないと思ったのかフォレストドラゴンは飛び退いた。
(まぁ、流石にそんな単純じゃ無いよな)
追撃がてらに大量の武器を投擲するがそれは空を飛んで回避。
(良いね空中戦、やった事ないな!)
自身も空を飛んで応戦する。
そうして戦いは空中戦へと移行する。
フォレストドラゴンは毒鱗射撃で応戦しながらもときたま毒ブレスを吐いたり噛みついたりしてくるがそれらは爆発や氷ブレス、兵器/武器を投擲したりで応戦している。
お互いに牽制し合いながら空中でぶつかり合う事数分。これじゃあんまり空中で戦っても意味がないと思い、一気にフォレストドラゴン近づく。
(お前には地面がお似合いなんだよ!)
近づいてきた俺を噛みついて着ようとした顔を片方の翼脚で掴み、もう片方で相手の翼脚を掴んで身体強化などをこの時だけフルに掛けて思いっきり地面に向かってぶん投げる。
「ドガアアアァァァン」
強烈な撃墜音と土埃が巻き上がるがそれは気にせず俺は撃墜したフォレストドラゴンに向かって急降下して襲いかかる。
だがフォレストドラゴンは即座に体制を整えて俺に抵抗した。
(ウッソだろあんなスピードで落ちたのにこんなすぐに抵抗するのかよ…だがまぁ、ボロボロだから良いダメージにはなったぽいな)
そうして俺の翼脚と相手の翼脚で鍔迫り合いを起こしていると俺の身体に植物が絡み付いてきた。
(んなっ!植物魔法!拘束してくるか…!)
何気に植物が頑丈で思うように四肢が動かせない。
(しょうがないか、負けるよりはマシだろ)
そう思って四肢の鱗を爆鱗化させ、爆発する。
(いってぇ…自傷ダメってのも考えものだな)
そう少し思うながらも俺は飛び退きながら即座に装甲車を錬成して突撃させ、俺は側面から攻撃する。
どうやらフォレストドラゴンは落下のダメージが大きいらしく装甲車を避けるのではなく翼脚で受け止めた。
(おうおう、腹がガラ空きだぞ!)
翼脚合わせて四肢である骨格である以上、翼脚で受け止めると腹が晒される体勢になる。
そうして晒された腹に向かって錬成した大剣を叩き込む。
『ガアアアアアァァッァアアア』
咄嗟に飛び退こうとしても判断が遅れ、かなり深くまで腹が切れたため、俺はそのまま追撃のために突撃する。
フォレストドラゴンは植物魔法と毒鱗射撃で迎撃しようとするがそれは斬り伏せたり爆発させたりで無効化。
そしてまた翼脚同士で拮抗状態へ。
(さっきと同じ場面…だが同じ事をするつもりはない)
フォレストドラゴンがブレスを吐こうとしているが今は超至近距離だ。機微技術で操作できる範囲なのだ。
俺はフォレストドラゴンの上にダイナマイトを錬成し、爆発させてフォレストドラゴンを伏せさせる。
そして伏せさせたフォレストドラゴンの頭と胴体を翼脚で掴み、さらに地面に押し付ける。
こうする事でフォレストドラゴンの首が晒される。
(さぁ、終わりにしようか)
フォレストドラゴンは最後の抵抗とばかりに植物魔法で俺を絡み取り、毒魔法でより自身を包み込む。
(そんなのは関係ない…俺だってスモールであれど元フォレストドラゴンなんだよ…!)
自身の毒耐性を信じて思いっきり首元に噛み付く。
毒は少しチリチリするから完全防御は出来てないだろう。だがヤバいと言うわけでもない。
(コイツの鱗硬いな…!牙が入りきらねぇ!)
かなり硬い鱗のため、俺はついでとばかりに噛みついたまま氷ブレスを吐く。
するとフォレストドラゴンはどんどん動きが鈍ってきた。
(流石に首を凍らせれば動きずらいよな…龍と言えど爬虫類。耐性を持ってないなら変温動物の性質が出るんだから)
そうしてブレスを吐き続け、フォレストドラゴンがほぼ動けなくなったところで首から顔を放し、胴体を抑えてた翼脚の爪を突手の形にし、首へとあてがう。頭を抑える翼脚はそのままだ。
(良い戦いだったよフォレストドラゴン。久しぶりの対等との戦いだった)
そうして思いっきり突手爪でフォレストドラゴンの首を貫く。
こうしてスタンピードで最後の魔物として出てきたフォレストドラゴンは討伐され、スタンピードは大量の死体を残し、人類側に被害がほぼ無く無事に終わったのであった。
--------------------
称号:【龍殺し】を獲得しました。
称号:【英雄の器】を獲得しました。
--------------------
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます