第26話感覚的にはただの上位種

 進化の為か変幻自在スキルが解け、大元の姿となって進化が始まる。


 骨格の変化はないがかなり…二回り?三回りほど大きくなった気がする。やはり兵器を扱うからだろうか?


 進化にかかった時間は十数秒ほど。やはり骨格変化が無い場合は即座に終わるようだ。


(かなりの大きさだな。今までは巨大鳥の範疇な感じあったがこれならちゃんと龍と言えそうだ)


 やはり龍ならばその大きさだけで武器となる巨躯は欲しかったところだ。これなら近接戦でもかなり強そうである。


(色合いは変わらんな。黒い全身に赤の迸るような線)


 特に変わらない。アームズの時から巨大になった様な感じである。それにスキルの感覚的にもアームズドラゴンの上位種という感覚しかない。


(一応人型に戻っておくか)


 割と巨躯になったから見つけられやすい可能性があります。ドラゴンがCランク圏に居るとかシャレにならない事態なのだ。


「お?背伸びたか?なんか成長期途中みたいな感じだな。声変わりもしてる」


 まさに高校生ぐらいになってる。髪は黒髪に赤のインナーカラーとなっており身体は細くともしっかり引き締まってる感じだ。


 アームズドラゴンの人化の時から数年経ったらこうなるだろうと言う姿をしている。


「これは旅ルートかなぁ…身長も無理だし声帯も変えれないし…セレスの街はもうゼノの名前では無理だな」


 人間が急成長しないのは勿論の事だ。数年してこの姿のままなら戻ってきても良いだろうが今は違和感しかない。


「とりあえずステータスを確認だな。その後は街によって王都にでも行く道を調べようかねぇ」


 とりあえず目的地は王都、1番栄えてる国というだけあって結構気になってるのだ。


 そんな事よりとりあえずステータスを見てみる。


 ------------

 種族:アーセナルドラゴン()

 名前:ゼノ

 lv:131/150

 体力:625/632

 魔力:596/602

 攻撃力:731

 防御力:723

 魔法抵抗力:824


 スキル

 鑑定 言語翻訳 取得経験値量増加 変幻自在 機微技術(錬成/収納/起動) 龍武芸百般lv41(追加:爆鱗化) 大罪ノ権能Ⅱ lv40


 耐性

 氷耐性lv25 物理耐性lv53 魔法耐性lv27 精神耐性lv21 毒耐性lv32


 称号

 異世界の魂 突然変異 大罪の掌握者Ⅱ 長命種 異形種

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 全体的にステータスが上がって武器錬成とかが機微技術となって爆鱗化が追加されたくらいだろうか?そう考えてアームズドラゴン上位種にしか思えない。


 まずは機微技術から詳細を見てみる。


【機微技術(錬成/収納/起動)】

 武器や兵器を用いる為の技術を得るスキル。

 錬成で自身の知っている様々な兵器や武器を作り、収納で保管。起動で自由に行使する事が出来る。

 起動では自身の周囲に武器・兵器を展開させ操る事が可能。また自律行動も兵器によっては可能になる。

 収納は自身の所持品であればなんでも収納可。



 どうやら兵器と武器を扱うためのスキルになったみたいだ。にしても起動が気になる。少し試してみる。


「兵器は…銃でいいか。火薬は爆鱗化で出来そうだな」


 爆鱗化はその名の通り鱗を爆発性物質に変質させるらしい。言わば火薬の代用品だ。変幻自在と重鱗射撃、錬成と併用可能らしい。まさに兵器製造施設を思わせる様なスキル構成になってる。


 錬成銃を一つ生成して自身の真横に浮かせてみる。

 どうやら起動を使う事で撃てる様だ。勿論手に持っても可能だが。


「これは便利だな。展開しまくれば無数の弾幕を放てるぞ…重鱗射撃で良いかもだが」


 正直射撃をするためだけなら重鱗射撃だけで良い。わざわざ銃本体も弾も作らなくて良いのだから。


「うーん…とりあえず撃ってみるか」


 起動スキルを使って近くの岩に撃ってみる。


「ダァン!」と言う音と共に自身でもギリギリ目で追えるスピードで弾が岩にあたる。


 一応比較の為に着弾地点の横ら辺に重鱗射撃で一枚鱗を射撃しておく。


「…なるほど、重鱗射撃とは圧倒的に貫通力が違うな。牽制の重鱗射撃、殺傷力の銃って事か」


 鱗は岩に刺さって半分ほど埋まる程度だが銃弾はかなり深くまでめり込んでいる。ちゃんとコストに見合った威力とも言える。


「錬成は即席での武器作成だからかなり良いな。即座にこの殺傷力はエゲツない」


(まぁ、より強力な攻撃をできる様になったアームズドラゴンだな)


 そう結論付けて翼を生やして街に戻る。

 ゼノとしては行けないがゼノの兄としては行けるだろう。

 名前は…レイジスで良いか。



 そう考えて翼を生やして空を飛ぶ。

 勿論バレづらい様に人型で、である。



「うん?なんだあれ?」

 街のある草原ら辺まで飛んできたが何故か森から無数の魔物が出てきて街に向かっているのだ。


「ゴブリンにオーク…後方にはハイゴブリンとかホブゴブリンにハイオークも居るな。どうなってんだ?」


(よくラノベで見るスタンピードだろうか?にしても何故今?)


 そう思いながらもとりあえず街まで飛んで人の居なそうな所で降り立ち街の状況を見る。

 …不法侵入とか言わないでほしい。空に結界でもなんでもないのが悪いと言わせてほしい。暴論なのは分かっているが。


「にしても騒がしいな。お祭り騒ぎに焦りと緊張と不安を足したらこうなりそうだ」


 滅茶苦茶慌てて人が森とは逆方向に避難している。


 とりあえず大通りまで歩いていると遠目でレティが避難誘導を必死にしているのが見える。


(流石に鱗を渡したからはい終わりってのもあれだな…しょうがない、人類に味方しますかね。龍の姿で)


 人型で活躍してしまえば英雄だのなんだの持て囃される可能性がある。それはかなり面倒だ。

 あくまで人の姿は擬態だし世に忍ぶ姿だ。目立って喋られても面倒臭いだけである。


「よし、とりあえず情報収集だな」


 こういう時に行くべき場所はギルドだろう。

 そう思いながら避難行動を見ながらギルドへ向かう。


「本当になんでこんな事になってるのかねぇ…人の世ってのも大変そうだ。魔物の大群相手にこうなるのは」


 そんな独り言を囁きながら…


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 はい、冰鴉です。


 と言う事でスタンピードです。

 スタンピードが起きた理由は…年々増加してる魔力濃度ですかね?という事で次回、魔物対無数の魔物の大争いです。

 これが崇められる一歩…ですかね?分かんないや。


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