第20話 セレスティア森林近隣都市、セレス
「それで今から案内する街は【セレス】って言うんだ。名前の元は多分近くの森の名前が【セレスティア】だからじゃないかな?」
今現在俺はレティについていきながら色々と聞いている。
まず国の名前はプライム王国。王者の魂の称号を持った王様が統治していてこの大陸で1番栄えている国らしい。
そして俺の居た森がセレスティア森林。森の最奥に聖銀龍ってのが居るらしくて神聖の意味を持つセレスティアが付けられてるとの事。そして奥に行けば行くほど魔物が強いらしい。
…俺の居た場所はどれだけ奥だったんだろうな。
それで今向かってる街がセレス。セレスティア森林に隣接した街である事もあって冒険者の街とも言われてるらしい。街の統治者は冒険者ギルドのセレス支部のギルドマスターとの事。
まぁある程度情報が集まった所で俺は気になっていた事を聞く。
「そう言えば俺には身分証明出来る物が無いのだが大丈夫か?」
「えっ、身分証無いの?まぁ鑑定の水晶で前科の確認さえ出来れば大丈夫だよ」
(鑑定か、多分ただの鑑定だよな。怠惰の権能での隠蔽が看破されなきゃ大丈夫だが…)
一応向かっている途中に怠惰の権能の一つでステータスに隠蔽を施している。
ちなみにレティのステータスを参考にかなり強めにして設定している。本来のステータスには到底及ばない数値だが。
ちなみにレティのステータスはこれ
【レティ】
lv9
体力24/24
魔力16/32
攻撃力18
防御力11
魔法抵抗力20
スキル
水属性魔法lv4 杖術lv2 魔力回復lv3
耐性
水属性耐性lv2
うむ、なんとも言えん。ゴブリンにならタイマンで勝てるだろうが。
小動物みたいなのも相まってこのステータスを見てると守ってあげたくなってくる。
…庇護欲を駆り立てるのが上手い子だ。(勝手に思ってるだけ)
そんな事を考えていると城塞が見えてきた。
「立派な城塞だな」
「そりゃ森に接してる街だからね。強力な魔物が出てきたりスタンピードとか起きた時とかこれくらいの壁がないと危ないからね」
どうやらこの世界にはスタンピードがあるらしい。経験値がたくさん稼げそうなイベントにしか聞こえない。
…格上が出たらヤバいが
そんな会話をしてると検問所まで来た。
「身分証を出してくれ」
「私のはこれです」
「冒険者か、通ってよし。で…お前は?」
「あぁ、すまん。記憶喪失でな、持ち物を確認してみたんが身分証っぽい物がなくてな」
「むっ、記憶喪失で身分証無しか…分かった。前科の確認をするからこっちに来てくれ」
そう言われたのでついて行く。レティは「先に街に入って待っときますね」と言ってたのでそこまで気にしなくて良さそうだ。
そうしてついて行くと城塞に併設された小屋みたいな所に来た。
「ここで魔道具による前科の確認を行う。そこにある水晶に手を置いてくれ」
そう言われたのでとりあえず手を置いてみる。すると水晶の上ら辺にステータス画面が表示された。
…偽装のステータスが
【ゼノ】
lv21
体力68/68
魔力58/58
攻撃力73
防御力65
魔法抵抗力58
スキル
剣術lv11 体力回復lv6 体術lv7 武器錬成
耐性
物理耐性lv6
「子供にしては随分と高いな。記憶喪失前は何かやってたのか…」
そう呟きながら衛兵はステータスを確認して、頷く。
「確認が終わったぞ。街に入って大丈夫だ。あとこれが1日だけの身分証だ。冒険者でも商人でもいいから今日中に身分証を作っておけ」
そう言われて何かが書かれている分厚めの紙を渡される。
日にちらしき数字とその横に限定身分証と書かれている。
「ありがとうございます」
「おぅ、子供にゃ辛いかもだが頑張って生きろよ」
子供…?そっか、見た目中学生だった。
とりあえずレティと合流してギルドに案内して貰おうと思い、門を抜けて街へと入る。
そこから先はまさに異世界の街並みだった。
中世ヨーロッパぐらいの街並みで、歩く人たちの多くは普通の人だが所々にケモ耳が生えていたり耳が長かったり、動物が二足歩行してる感じのガチ獣人の見た目をしていたりしていて、かなりの数の人が武装している。
「確かにこれは冒険者の街だな」
色んな人が武装していて、初心者も中級者も…上級者らしき人も居る。
「あっ、無事に通れたんですね!」
レティがこちらを見つけたのか小走りでこちらに寄ってくる。
やはり小動物。クッキーを手渡ししてみたい。
「あぁ、前科は無かったらしい」
「それは良かったです。記憶喪失で前科ありじゃ何すればいいか分かりませんしね…それで、これからどうします?」
「うーん、冒険者ギルドに案内してくれるか?」
「冒険者ギルドですか?」
「今日中に身分証を作らないとだからな」
「分かりました!こっちです!」
そうしてすぐに案内に移ってくれる。
自然に要求してて思うのだがこの子はなんでこんなに自然に受け入れるのだろうか。親切にも程がある気がするが。
まぁとりあえず冒険者ギルドに付いてからに考えようと思い、レティについて行く。
「そう言えば冒険者って何をするんだ?」
「冒険者ですか?言わば何でも屋ですね。街の清掃におつかい。薬草採取とか色々です。まぁ大部分は魔物討伐で高ランクの依頼とかはもっぱら討伐とか希少素材の採取ですよ」
「なるほど…ありがとな」
「着きました。ここがギルドです!」
どうやら着いたらしい。
(ここがギルドか)
見た目は一際大きな建物で頑丈そう。避難所にでもなるのかもしれない。
入り口は開放されていて中は酒場と受付所が見える。
昼間から酒飲みをしてるがこれは異世界のデフォなのだろうか。
「ありがとな。それで何処で登録すれば良いんだ?」
「あっはい!こちらです」
そうしてギルドの中に進む。時々探るような視線を向けられるがまぁ、害は無いので無視をする。
「ここですね。じゃあ頑張ってください!」
「頑張る?まぁ、うん。分かった」
そうして窓口へと行く。
「ようこそ冒険者ギルドへ、登録でしょうか?」
「はい、登録をしたいです。」
「分かりました。ではこちらに記入をお願いします。代筆も可能ですが致しますか?」
…そう言えば言語翻訳スキルは書けないんだったか。
「代筆でお願いします」
「分かりました。では必要事項を聞いて行くのでお答えしてください」
「まずは名前」 「ゼノ」
「つぎは希望役割です」 「剣士ですね」
「lvはどれくらいですか?」 「21」 「21⁉︎」
なんか隣にいたレティが驚いた。そう言えばレティのレベルは9だったな。
「えっと、次ですがスキルや耐性は言いたくない場合は言わなくて良いのですがどうしますか?」
「じゃあそこは空欄でお願いします」
「分かりました」
手札はあんまりバレない方が良いだろう。レティに武器錬成を見られたから隠蔽したステータスに入れているがどれだけ貴重か分からないしな。
「では身分証をお出しください」
「これで大丈夫ですか?」
「限定身分証ですね、大丈夫です。では後は簡単な試験だk---」
「おうおうヒョロっちいガキが冒険者になるとか冒険者のレベルが下がっちまうだろうがぁ!」
…なんかガラの悪いおっさんが来た
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