第18話 懐かしき身体
【変幻自在】
自身の元の姿の体積以内であれば魔力を消費し、姿を自由に作り変える事の出来るスキル。
大元は変形前の姿であり、変形後も少しだけ大元の特徴が現れる。
なお、このスキルで傷などを直しても体力の回復は起こらない。
【異形種】
何度も骨格ごと身体を変化させ、体組織の作り変えすら覚えた者に送られる称号。
付属スキル:変幻自在
(幼龍の骨格にフォレストの骨格、そしてアームズの骨格と何度も変わった結果の称号とスキルか)
確かに白龍みたいな王道ドラゴンの様な骨格が元だったが進化の過程を得て翼は翼脚へ、翼脚が腕みたいになり、前足が一組生えると言う変化を起こしている。
(…中々に特殊な進化過程だと思えて仕方ないな)
まぁ、大罪の龍へと一度なった時点で頭一つ抜けて特殊なのは言うまい。
(とりあえず他のスキルも見てみるか)
【武器錬成/収納】
武器の使用の為に特化させたスキル。
錬成:その場にある物を素材とし、魔力を混ぜる事で変形させ即座に武器とする。即席武器な為、耐久度や性能は鍛治などで作られた武器に劣る。
収納:「武器に限り」武器収納スキルに収納するスキル。
取り入れは自由であり、自身の身体の外皮から約1メートル程度に自由に出す事が可能。
【龍武芸百般】
龍技スキルと武芸百般スキル(武芸の進化スキル)が統合されたスキル。
(あれ、龍技になってるどころか別のスキルにすらなってる)
龍の象徴と言う龍技を目指していたがどうやら進化で龍技の規定に達していたらしい。それに武器術の進化先との統合までされてる。
(武器術が進化したのは多分武器使用に特化したアームズに進化したからだろうな)
(それじゃ、武器錬成だ)
だがここは巣、正直あんまり素材らしい素材がない。
臭くしたくないから食べた魔物の骨とかは適当に捨ててるし。
(あっ、俺の鱗使えば良いじゃん)
割と硬い俺の鱗だ、多分使えるだろう。
(まず変幻自在で鱗を剥がして、剥がしたところは再生しとくか。んである程度集まったら…錬成!)
武器錬成をしていく事で黒い鱗がどんどんと組み合わさっていき、即座に武器の形へとなる。
作った武器は龍の姿で使っても違和感の無い大きさの剣だ。人間視点だと大剣と言われそうである。
とりあえず翼脚もとい手を使ってみる。
(ふむ、しっかり振れるし武芸百般もあって違和感も無いな)
ある程度確認した所で武器収納に入れてみる。
するとスッと瞬きするぐらいの速度で武器が消えた。
(なるほど、収納した武器はスキルの使い方を覚える感覚で分かるんだな)
何となくだがこうすれば良いって分かるのはありがたい。もし鑑定とかと同じく網膜投影で表示されたら今後武器増えた時に凄い混乱する所だった。
(さて、ステータスとスキルの確認も出来たし気になっていた事をするか!)
そうして変幻自在スキルを使用する。
変幻自在スキルを使用するときは今の姿をカスタムするか、知っている種族に変化させた後にそれをカスタムするかで変化する事が出来る。
鱗を出したのは前者のカスタムであり、今からするのは後者である。
変化先の種族は…人族だ。
こうして身体変形して縮み、人型へとなるのだった。
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「…ちゃんと人型だ、声帯もある」
黒のシャツに黒のズボン、所々に赤の線が入っており、上に基本の黒とアクセントの水色が施された上着を着ている。
これは変幻自在で作った服モドキで俺の鱗を変化させた物だ。実質裸かもしれない。
「髪は黒色に…赤のメッシュか?それに身長も声も中学生の声変わり前みたいだな」
顔は分からない姿見が無いから分からないが分かる範囲で言えば、今の姿は中学生くらいで黒に赤のメッシュが入った姿である。
「にしても手の甲が鱗のままだな、顔は触った感じ鱗の感触が無かったから大丈夫だが、もし龍人族とか居なかったら俺、異端児じゃないか?龍だから間違ってないけども」
大元が龍であると言う証拠だろうか?手の甲だけじゃなく所々が鱗になっている。
「あれ、嫉妬の権能の姿纏い重ねたら鱗消えた」
人肌にならないかなぁと変幻自在を使ったりして試してみてたら嫉妬の権能で完全に隠せた。
「にしても久しぶりの人の姿だなぁ…いつか人化スキルでも手に入れれるかなと期待してたけどこれはこれで人化で間違いないな。」
「流石に空は飛べる様にしとくか」
そう言って再度変幻自在を使用、第二の腕みたいに人の姿の大きさに調整した翼脚を出し、折りたたんで肩の部分に手を置く。
翼膜も相まって見た目は龍の素材を使ったマントに見える。ちなみに上着から生やしている。上着も身体の一部だからね。
「さて、久しぶりの人の身体だ。楽しもうかね」
そう言って巣を飛び出し、走り出す。
そして見かけたらゴブリンに向かいながらコートの袖を錬成して剣にし、ゴブリンの首を飛ばす。
「良いなこれ、龍の姿じゃ大型の武器を錬成しなきゃだけど人型なら小さくても良いじゃんか」
龍の力と人の技術。その複合である、ゴブリン程度じゃ話にならない。
「龍の姿は俺の理想だが、元人間である以上人の姿が恋しいのも事実…もう少しこのままでいるか」
「あと流石にもうそろそろ人にも会いたいな。この世界で生まれてから誰も会ってないぞ」
こうして人に偽った龍は動き出す。
「まず目標はこの森を抜ける事!」
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