第17話変幻自在、異形なる龍

(そうか、もう進化なのか…)


 フォレストになってから結構日にちは経っており、オークも気を付ければ普通に倒せるぐらいになってきていた。


(それに進化もすぐするべきな気がする)

 実は色々散歩したりオークを倒したりしている生活を送っている時にふと気付いたのだが、段々と元白龍の巣を中心としたゴブリンやウサギが住まう区域、通称(俺の中で)弱者フィールドが狭まっていっているのだ。


(実際オークも俺の巣の近くまで足を伸ばしているしな。さっさと進化してオークに簡単に勝てる様にならねば)


 そう言う事もあって、俺は進化先を確認する。

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 進化先を選んでください。


【アイスドラゴン()】

 氷属性、竜種正統進化先…?

 ワイバーンの域を超え、竜種と認められる氷属性を操るドラゴン。

 この種族になる頃は独り立ちをする時期でもある。


【フォレストドラゴン()】

 森竜種、正統進化先…?

 森を繁栄させ、見守ると言われている。

 植物の成長を促進させ、動物には毒となる霧を散布する為、「森に恵みを、生物に死を。」と言うのが人種族の見解である。


【アームズドラゴン()】

 武術竜種、特殊進化先…?

 武器を扱う事に目覚めた特異な竜種の進化先。

 武器を扱う為に適した骨格を持ち、戦闘に特化した種族。

 非常に個体数が少なく、人種族基準で発見例は数匹程度である。


【罪禍ノ成龍】

 大罪竜種、特殊進化先

 大罪を身に宿した成龍で邪龍。

 此処までの成長を許してしまうともはや災害である。

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 どうやら今度は災害判定らしい。


(相変わらず大罪進化はヤバいなぁ)

 子龍だと指名手配レベルの討伐対象、成龍となると災害判定だ。やはり大罪の力は危険とよく伝わってくる。


(掌握出来てなかったら災害になってたかもしれんな)

 今までこの世界で生きてきて、未だこの森では人を見ていないのだ。


 そんな状況ならスクスクと育つのは当然で、もしかしたら災害を超えて厄災となっていたかもしれない。


(ほんと、掌握出来て良かった。魂系の称号に感謝だな)


 そう自我がある事に感謝しつつ、進化先を見ていく。


 まずはアイスドラゴン。

(もうそろそろアイスドラゴンを踏んでみたくはあるが正統進化に進んで良いか悩みものだ)


 未だ俺は生まれてこの方正統進化を踏んでいない。

 今まで踏んできた進化は突然変異、大罪、森である。


 故に正統進化を選んで特殊進化に戻れない可能性が考えられる以上、少し選ぶのは怖い。


 次はフォレストドラゴン。


 今のまま成長したらそうなるのだろう。

 爪や牙が強化されて、近接戦特化。毒によるスリップダメージとの併用で戦う感じだろう。


(うん、無いな。手札の数が問題だなとオーク戦で強く思ったのに全く増えそうに無いのは却下だ)


 オーク戦では斧を無理やり使って手札を増やしたけど今後もそんな事が出来るとは考えずらい。

 だから却下だ。


 と言う事で次、私的に1番の目玉なアームズドラゴン。


 特殊進化先だし、武器を扱えるから手数もかなり増えるだろう。


 武器の調達は最終手段で嫉妬の権能で人に擬態すれば良いだけだし。


 だから正直今回はこれになろうと思っている。正統進化先よりもかなり魅力的だ。


(よし、見た時から決まっていたが進化先はアームズドラゴンだ!)


 そうして進化を開始するのだった。


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 …進化にはまた十数分掛かった。

 骨格変化が起きる時は時間が掛かるのだろうか?


(とりあえず見た目はどうなんだろうか?)

 首を動かして見てみると確かに武器を扱えそうな骨格をしていた。


 まずは四本脚である事。これはフォレストドラゴンの様な翼脚ではなく、普通の脚だ。幼龍時代を思い出す四本脚である。


 そして尻尾はよくあるドラゴンと同じだ。フォレストドラゴンの様な鳥の羽らしき物も無く、普通にツルツルな尻尾。これもまた幼龍時代を思い出す。


 そして、次が大きく変化したかつ武器を扱うと言う事に納得する特徴だ。

 翼が生えていたであろう所から翼脚が生えていて、身体を支えるのに翼脚を使っていないのである。


 言わば腕として使える脚である。

 もはや翼脚と言わずに腕と言っても良いかもしれない。爪の部分はまるで手の様な構造であり、爪もあるが握る行為が出来る構造となっている。


 まさに武器を扱うための姿だ。これなら戦闘の幅もかなり広がるだろう。

 それに攻撃の為の部位だからだろうか?かなり発達していて四本脚とはかなり発達具合が違う。


 ちなみにだがどうやら翼脚は基本畳むらしく、翼脚の生え際ら辺に翼脚の手を置いて置く感じで畳んである。

 何かマントを羽織ってる気がしてくる畳み方だ…



 さて、姿形は確認したので次は色合いだ。

(全体的に黒い、所々に赤があるか?だが黒いな、黒龍と言われそうだな)


 色合いは全体的に黒く、所々に赤い線が筋みたく通っているぐらいである。


(これは罪の影響なのか?にしては怠惰の特徴が無いが)

 黒と赤、さながら嫉妬の色合いである。


 姿見などは無いから頭部などの感じは分からないが怠惰の特徴が見られない。

 もしかしたら嫉妬も怠惰も合わせて罪と判定されて罪→黒と言う感じで現れたのかもしれない。深く考えても分からないだろうからそう思っておこうと思う。


(さて、次はお待ちかねのステータス!感覚で何が出来るか分かっているがかなり気になる事がある)


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 種族:アームズドラゴン()

 名前:未設定

 lv:80/120

 体力:542/542

 魔力:423/423

 攻撃力:571

 防御力:513

 魔法抵抗力:791


 スキル

 鑑定 言語翻訳 取得経験値量増加 変幻自在 武器錬成/合成/収納 龍武芸百般lv5 大罪ノ権能Ⅱ lv40


 耐性

 氷耐性lv20 物理耐性lv40 魔法耐性lv21 精神耐性lv15 毒耐性lv20


 称号

 異世界の魂 突然変異 大罪の掌握者Ⅱ 長命種 異形種

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(異形種…?変幻自在…?)


 とてもじゃないがアームズドラゴンには関係無さそうなスキルと称号が表示されるのだった。


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 どうも冰鴉です。


 はい、と言うことで骨格変化です。

 今回の姿説明でよく分からなかったと言う方はモンハンのゴア•マガラやシャガル•マガラで検索して見てください。

 作者が思い描いてる姿はそれですので。

 いわゆるゴア骨格と言うやつですね、アームズドラゴンは。

 あの骨格は戦闘特化な骨格らしいですねぇ…




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