第16話決着、そして武器術

 オークを見ると怒りの感情を露わに(豚に感情は分からないが)している様で、一気に走って距離を詰め、グーパンチで殴りかかって来る。


 それを避け、今度はその場で待つとオークが掴もうとして手のひらをこちらに突き出して来る。


(嫉妬の権能、斧術!)

 権能で斧術を模倣し、手のひら目掛けて斧を横振りに当てる。


 すると斧は深く刺さり、オークは悲鳴をあげながらその場から急いで下がる。

 斧は牙で固定してるためオークから抜けるが、オークを見ると片方の手から血が垂れ流れており、上手く動かせないでいた。


 オークは恨めしく俺を睨み付けており、一際強く睨んだと思えばまた走り距離を詰め、またパンチかと思い回避しようとするが手を出す気配無く、突進をして来た。


(あぶねぇ、ギリギリに回避してたら吹き飛ばされてたぞあれ)


 俺のすぐ後ろに木があったらしく、その木にぶつかった木は少しめり込んでいたのだ。


(ただめり込んでいる今は良い隙だ!)

 そう思い走り寄ってジャンプし、また斧術を模倣し、今度は後頭部に斧を横振りに当てる。

 すると更にオークは木にめり込み、俺の目の前には首が差し出されている状態となった。


(これで終わりだ…格上かと思える程だったよ)

 そうして爪を突手の様にし、首目掛けて突き刺す。

 そうする事でオークは遂に命を落としたのだった。


(強かったな、オーク…まともに通じる攻撃が全然無かったし、権能を使わないといけなかった)


 今回の戦闘での反省点の1番は手数の少なさだ。

 爪や牙と言った物しか殺傷力がなく、分厚い肉に覆われたオークには致命傷を与えれなかった。


 そう反省していると脳内に何故か武器の使用方法が浮かび上がって来る。


(なんで武器の使用方法がスキルに時みたく浮かんでくるんだ?)


 そう思いステータスを見てみると武器術lv5が追加されていた。


(確認したいが…今は外だ、大人しく巣に戻ってからにするか)


 オーク戦での体力の減少にピンチに陥った事での疲労感があるため、とにかく巣に戻りたいために木にめり込んだオークを取り出し、首元を噛んで巣に帰るのであった。

 …斧を持ち帰るためにオークの腹にブッ刺しておいた事も一応言っておく。



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(ふぅ、やっぱ豚肉は良いな…牛とかいないのだろうか?居たとしたらミノタウロスか?草原とかに居そうだよなぁ)


 巣に戻ってから戦利品であるオークの肉を食して一息、ウサギとは違って大きく、量も多い為大変満足である。


(さて、武器術のスキルなんて物が生えたのはオークの斧を使ったからだろうな。あれだけでスキルが生えるのは称号の効果か、それとも権能で模倣しながら戦ったか…どっちだろうな。とりあえず詳しく見てみるか)


【武器術】

 様々な武器を即興で使う事が出来るスキル。

 極めた剣術や弓術、槍術などには及ばないが極めれば様々な武器でのスキルレベル80付近の技術を操る事が出来る。


(確かに良い。手数を増やしたいとも思っていたし武器を使えるのは良い…だが俺は龍なのよ)


 武器を使えるのは非常に魅力だがそもそもの話で俺は龍。武器を握れないし、そもそも握れたとしても四足歩行である以上まともに使用出来ないのは目に見えている。


(惜しいが…流石に使えんしなぁ。近接武器程度なら咥えれば使えるが)


 オーク戦の時みたく、口に咥えて牙で固定すれば道具として使えんでもないがそれをするなら牙や爪で攻撃する。

 中々に腐りスキル感が凄いのである。


(一応鍛えとこうかな、爪も武器判定っぽいし)

 一応爪も武器判定らしく、多分だが爪牙術から牙を抜いた様な感じだろう。


 牙は武器判定じゃないらしい。確かに爪って言うナックル亜種的な装備はあっても不思議じゃないが牙なんて付け歯程度しか無さそうだ、とても武器にはなれないだろうな。


(さて、随分と休んだもんだ…今日の夜までは適当にスキル練習かなぁ)


 朝からスキル練習をし、オーク戦をして死体を引っ張って帰って来てそしてかなり長めの休憩と食事。


 かなり時は過ぎており現在は昼と夕方の間くらいである。日本時間で言えば15時〜16時である。


 こうして休憩は終わりとして午後もスキル練習へと励むのであった。


 …口に斧を咥えながら。




 そうしてその日を境に、俺は割りと平穏な日々を過ごしていた。


 朝起きて食事をし、適当に散歩しながらゴブリン達ことスキル練習の的を倒しながらオークを探し、斧を使いながら戦ってみたり、たまに暗殺みたいにそっと忍び寄って斧で頭を叩いて脳震盪を起こした後に首を爪で突いたりして暗殺術なんて言うのが武器術に追加されたりした。


 そんな日々を過ごしているうちに、

 爪牙体術がlv50(上限)

 鱗強化/再生がlv50(上限)

 鱗射撃は重鱗射撃となり、lv46

 滑空は飛行となり、lv41

 と龍技が見えて来たところで温かな感覚が身体を包むのであった。

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 種族:スモールフォレストドラゴン()

 名前:未設定

 lv:80/80

 体力:310/324

 魔力:110/363

 攻撃力:373

 防御力:312

 魔法抵抗力:611


 スキル

 鑑定 言語翻訳 取得経験値量増加 ブレスlv33(氷・毒) 武器術lv8 爪牙体術lv50 鱗強化/再生lv50  重鱗射撃lv46 飛行lv41 大罪ノ権能Ⅱ lv31


 耐性

 氷耐性lv10 物理耐性lv31 魔法耐性lv13 精神耐性lv10 毒耐性lv10


 称号

 異世界の魂 突然変異 大罪の掌握者Ⅱ 長命種

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 あとがき

 はい、冰鴉です。


 ほんとは龍技取得後に進化予定だったのとフォレストでもう少し過ごさせるつもりだったんですがはやく骨格変化をさせたくて割りと急ぎでlvを上げさせました。


 だから早くない?って思った方は申し訳ないです。

 ただオークと同じ土俵のモンスターも居ないのと主人公の手数が少ない事でこれ以上フォレストでやりたい展開も無いなぁとなったのでさっさと次です。

 今の主人公の成長度は小学1〜3年生、次の進化では中学生くらいです。もうそろ人里を出すかも?


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