第10話あれ?もしかして俺ってまだそんなに強くない...?

 巣からの景色からでも分かってはいたがどうやらこの地域は鬱蒼としすぎていない子供が遊ぶのに適していそうな(魔物がいる事に目を瞑るが)のどかな森らしい。


(割りと木もまばらで空飛べなくても移動に苦労はしなさそうだな。ただまぁ、草の背の高さも低いからちょっと隠れたりするのには苦労しそうか?)


 まぁそもそも隠れられそうな体色してないんだけどなぁっと考えながらも森をぶらぶらと歩いていると何か前の方に一際緑の物体が見えた。


(なんだあれ…草の緑色にしては濃すぎないか?鑑定してみるか)


 そう鑑定してみるとどうやら植物では無かったらしい。

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【ハイゴブリン】

 魔力が比較的濃い場所で暮らすゴブリン。

 通常のゴブリンとの見分け方は腰布の綺麗さや上質さらしい。


 種族:ハイゴブリン

 lv:46

 体力:98/98

 魔力:83/83

 攻撃力:102

 防御力:87

 魔法抵抗力:73


 スキル

 棍術lv5 投擲術lv3 体術lv2


 耐性

 罪抵抗lv2

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(え?ゴブリン?にしては強くない?一応ゴブリンって最弱魔物代表だよな?)


 ハイゴブリンであったとしてもゴブリンには変わりないはずなのに強い。進化前の俺じゃ太刀打ち出来ないほどに。


(それに罪抵抗ってなんだ?大罪権能に対する抵抗力だろうか?)


【罪抵抗】

 大罪ノ権能に対する耐性。

 美徳系生物の放つ魔力を多く吸収したり、罪による弱体化を耐える事で習得する。

 大罪によるデバフを軽く軽減する。

 直接権能でデバフを掛けられるとlvが高くない限り抵抗を貫通する。



(えっ、もしかしてこれ俺特攻の耐性では?)


 明らかに俺に対抗する為の様な耐性が出てきた所で少し驚いてる所でそう言えばと生まれた時の光景を思い出す。


『頂点に立つに相応しい堂々たる王者の佇まい

 鋭い爪や牙

 それだけで武器となる巨体

 その巨体を支える強靭な四肢

 巨体すら浮かせる大きな触り心地の良さそうな翼

 新雪の様に美しくも白く、輝く鱗


 力強さや理不尽な雰囲気を感じながらも神聖さを感じる姿、もし現代に居るのであれば神龍と崇められるか…』


(あの白龍が美徳系生物なのだろうか?あのまさに龍に相応しい姿、あれが美徳系ならば木端魔物に罪抵抗を植え付けるほどの魔力を放ってても不思議じゃないかも...)


 確かにあの白龍はとんでもない神聖さすら感じれていた。

 今俺の前に白龍が現れたら掌握した罪を俺自身ごと浄化するのではと思うほどに。


(うぅむ、ゴブリンでこの強さ…ステータスでは勝っているけどかなり僅差。他の生物もこうなのだろうか?)


 そう思いゴブリンから離れて目に映った生物を片っ端から鑑定していく事にした。


(これでゴブリン以上のやつが多かったら生き残るのは厳しいかもしれない…でも、生き残り強くなる。それが俺の龍の理想像なのだから…!)

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【ホーリースライム】

 美徳に目覚め、聖属性を操るスライム。

 大罪に目覚めたアンホーリースライムの対である。


 lv:73

 体力:163/171

 魔力:193/201

 攻撃力:103

 防御力:132

 魔法抵抗力:214


 スキル

 聖属性魔法lv13 体術lv7 消化lv11


 耐性

 罪抵抗lv14


 称号

 貞潔ノ加護


【ホブゴブリン】

 ゴブリンの正統進化先

 図体が大きくなり、筋肉がより付いたことでゴブリンの時より攻撃力と防御が上がっている。

 なお防具は未だ腰布一枚の模様。


 lv:58

 体力:153/153

 魔力:105/110

 攻撃力:162

 防御力:165

 魔法抵抗力:121


 スキル

 棍術lv11 投擲術lv8 体術lv6


 耐性

 罪抵抗lv6

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 とりあえず見かけた魔物の一部を挙げてみた。


(…いや、やっぱり強くないか?スライムなんて現状で勝てるのだろうか?)


 ホーリースライムは聖属性を操るらしい。

 何やら大罪の対になってそうで大罪の力に干渉されそうで怖いまである。


(他に見かけた魔物もハイゴブリンやホブゴブリンと似たステータスで漏れなく大罪抵抗持ち。それに集団行動する奴も結構居る)


 ウルフにゴブリン、ラットやアントなど割りと集団で行動するやつが多かった。

 しかもそれぞれ一体ステータスも俺自身のステータスに近く、とてもじゃないが集団と戦える感じでは無かった。


(ハハッ…大罪の力ヤバいなぁとか思っていたがそんな事言ってる場合じゃないな。だが権能は使わない。爪牙技にブレス、それに知能を持ってして打ち勝ってやる...!生憎と此処にはステータスの近い奴が多い。強くなる環境にはピッタリだ、やってやろうじゃねぇか…!)

 そう思いある場所へと歩いていく。


 最初に見つけたゴブリン、ハイゴブリンの場所に行くのであった。

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