面接は恋の駆け引きと一緒?!

まる。

駆け引き

面接は恋の駆け引きと同じだ。面接を担当する企業側と求職者が言葉を巧みに使い、いかに相手が好む回答をするか。面接の最後の最後まで駆け引きがうまくいくか結果は分からない。油断は禁物だ。私の第一印象は清楚で礼儀正しい女性を演じ、相手側にどうしてこんな人が転職活動をしているのか、と興味をもってもらう為雰囲気をつくる。声のトーンはいつもより少し明るめで冷静に仕事の判断ができる落ち着いたトーンで話す。もちろん笑顔も必須。面接官にお忙しい中、面接の時間をとっていただいたお礼を伝え、駆け引きスタート。

面接官は三十代前半の恐らく未婚の男性と艶やかなロングヘアーの二十代後半の女性。あまり私のことを好いてくれるタイプの年代ではない。少し不利な状態からになってしまった。

正直私が好かれる年代は四十代以降の男性や品のあるおば様タイプ。おじさんのボケに乗ってあげられるし聞いてあげる私は、おじさんの笑いのツボによくヒットする。これまで数々のおじさんを話で虜にしてきたが、三十代や二十代にはあまり手ごたえを感じたことがない。とても残念。なんとか面接官の心を動かしたいが相手が結構話すタイプだった為、話を聞いているときは少し大きめに頷き聞き上手を演じる。

一通り話された後に、質問があるか尋ねられ

志望動機を付け加えながら質問を投げかけた。昔の就職活動や1回目の転職活動のときには一答一問みたいな形式だったが、最近は企業側が話す側に変わりあまり自分をアピールできない面接だった。企業の説明もHPに記載してあったことだし、仕事内容も転職サイトに書いてあったまんまで自分と同じ境遇で入社した人がいるのか、年齢層はいくつぐらいなのかしか聞けなかった。恋愛であれば気になっている人と今の段階では友達にもなれていないレベル。いつも使う電車に同じ時間に同じ号車に乗るどこの高校に通っているか、ギリギリ分かるレベルなのだ。このままではなんの印象にも残らない、最初にして最後の切り札。大学生の頃、写真部の部長だったことを伝え御社のSNS担当で活かせられることを伝えた。これで話のきっかけで仲良くなれると思ったがリアクションは以外にも薄かった。もうお手上げだ。こっちばかり好きな食べ物なに?とか、趣味はなに?とか色々聞いているのに、自分だけ答えて私には聞き返してくれないタイプ。暖房のききすぎている部屋のせいか汗がじわじわと出てくる。約三十分の面接が終わり、なんの手ごたえもないままエレベーターで下に降りる。好きな人に振り向いてもらえず終わった私の心は一体どこへいけばいいのか。少し放心状態になりながら電車で家に帰る。次はどこの会社の面接か確認しながら、今日の面接の反省会を脳内で開催。

結局はご縁があるかどうかだよねって自分に言い聞かせて、温かいお蕎麦を食べて帰ろう。

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