第8話 がっかり名所『はりまや橋』

 高知県高知市にあるがっかり名所の話である。

 一応その名所は橋である。朱塗りの華麗な橋なのではあるが、長さは3メートル程度だったろうか。別段凄い橋ではない。

 この段階でなるほどがっかりなのではあるが、この橋のがっかりぶりはそこでもない。


 高知駅を降りてすぐに有る事だ。

 

 本当にすぐにあるのだ。

 完全に見に来た人以外にも目に入るというお手頃感もまたがっかりぶりに拍車をかけているのである。

 さて、このはりまや橋。

 何故曲がりなりにも名所となったのかと言うと歌謡曲『南国土佐を後にして』という歌の歌詞に出てきたからなのである。

 はりまや橋でお坊さんがかんざし買ってたよという内容なのだが、生憎見に行ってもお坊さんもかんざしも無いのである。

 

 さてこのままでは何とも無礼である。

 高知という街なのだが、戦国時代の終わりまではその読みで『荒地』と書いていた。

 沼沢地と湿地帯ばかりのその地を戦国一のサラリーマン武将山内一豊はこの地を開拓。そこを新たに『高知』と書く事に定めた。

 知という字は治と読みが同じである。中国でも地方政治家に『知県』『知府』という役職も有る。高く治めるとは縁起も良いとその名前になったようである。

 はりまや橋はどうでも、高知の駅を観光してみるのは悪くはないだろう。

 

 あ。ちなみにはりまや橋の歌謡曲は僕にもタイムリーな歌ではありません。

 偶然ラジオでかかっていたから知っていただけです。

 

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