第32話 あそこを回っておくか
無事に〈ワイズマンロッド〉をゲットした俺は、シルミアと別れて目的地への移動を再開した。
別れ際、シルミアとは冒険者番号を交換している。
これはすべての冒険者に割り当てられている番号で、相手の番号を冒険者ギルドの受付に告げることにより、ギルドを通じて連絡を取ることが可能だった。
また彼女の協力を得たいときに利用させてもらうとしよう。
その後、道中で新たな祠を一つ攻略し、〈魔導の極意〉というアビリティを入手。
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【アビリティ】〈魔導の極意〉→〈魔導の極意+2〉
【アビリティポイント】4→1
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――〈魔力上昇Ⅰ〉を習得しました。
――〈移動詠唱〉を習得しました。
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〈魔力上昇Ⅰ〉魔力値を常時20%上昇させる。
〈移動詠唱〉魔法の詠唱中に移動することが可能になる。
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そうしてウミューに乗って移動し続けること数日。
俺はついにその都市へと辿り着いていた。
迷宮都市メルエーズ。
巨大なダンジョンを有する都市だ。
その規模はロンダルにあった『岩窟迷宮』とは比較にもならない。
階層型のダンジョンで、全三十階層、推奨攻略レベルはなんと100。
ちなみにセントルア王国などの幾つかの国に囲まれた場所にあるが、この巨大なダンジョンから得られる莫大な恩恵のお陰で、独立都市として存在している。
ゲーム時代でもこの都市のシンボルだった円形城壁を通り抜け、街の中へ。
ダンジョンを中心に同心円状に街が広がっているため、街の構造が非常に分かりやすい。
放射状に延びるメインストリ―トを真っ直ぐ進んでいくと、渋谷のスクランブル交差点ほどの広さの広場に出た。
その広場の真ん中。
そこに大きな穴が開いていた。
ダンジョン『深淵穿孔』。
名前の通り、地中深くまで続く一本の穴に沿って、下層まで降りていくような構造となっている。
落下防止のために穴の周囲には柵が設けられていた。
そこから奥を覗き込んでみる。
最下層まで一直線に繋がっているはずだが、深すぎて下の方は真っ暗だ。
ずっと覗いていると、そのまま深淵に吸い込まれそうな気がした。
「さて、早速このダンジョンでレベル上げといきたいところだが……」
上層の魔物はせいぜいレベル30前後だが、中層までいくと魔物のレベルが50くらいまで一気に跳ね上がり、下層となればレベル70を超えてくる。
そのためレベル上げに非常に適したダンジョンなのだ。
「その前にアビリティレベルを上げておきたい。あそこを回っておくか」
もちろんポイント教団の拠点である。
――称号〈邪教徒の敵〉を獲得しました。
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〈邪教徒の敵〉一定数以上の邪教徒を倒した者に与えられる称号。対邪教徒で全ステータス1%上昇。
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この街に存在したポイント教団、もとい終末の黙示録の拠点を三つ潰していると、そんな称号を手に入れた。
邪教徒と戦うとき、少しだけステータスが上昇する恩恵つきだ。
さらに俺は五十の〈邪神の縛鎖〉を入手。
これを教会で浄化してもらうと、全部で十六個の〈神々の聖環〉になった。
16のアビリティポイントをゲットしたので、アビリティポイントは17に。
アビリティを強化しておくことに。
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【アビリティ】〈格闘の極意+6〉→〈格闘の極意+8〉
【アビリティポイント】17→2
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――〈武踊〉を習得しました。
――〈散弾蹴り〉を習得しました。
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〈武踊〉一時的に自分の全ステータスを引き上げる踊り。効果時間180秒。
〈散弾蹴り〉散弾のような強烈な蹴りを放つ。クールタイム20秒。
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〈格闘の極意〉は、できれば早いうちに最高レベルまであげておきたいアビリティだ。
アビリティポイントが手に入るたびに振っておきたい。
それから俺は装備を整えることにした。
ずっと身に着けていた〈盗賊の服〉を売り払い、〈猛猪の服〉を購入。
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〈猛猪の服〉グレートボアの皮で作られた服。丈夫ながら軽い。防御+20
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さらに盾も購入しておく。
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〈鋼の盾〉鋼製の盾。重量と頑丈さのバランスに優れている。敏捷-10。盾で攻撃を受け止めた際、防御+50
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盾は敵の攻撃を受け止めることで初めて効果を発揮する。
使用する機会は少ないかもしれないが、念のため持っておいた方がいいだろう。
現在の装備は以下の通り。
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【装備】〈鋼の剣〉〈猛猪の服〉〈レッドキャップ〉〈疾風の腕輪〉〈頑強の腕輪〉
(アイテムボックス内)〈ワイズマンロッド〉〈血濡れのナイフ〉〈暗闇のナイフ〉〈鋼の盾〉
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〈鋼の盾〉は重量があり、装備していると敏捷が下がってしまうため必要に応じて装備するつもりである。
「必要なアイテムも揃えた。準備万端だ」
いざ、ダンジョンでレベル上げだ。
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