第3話 死んでから知りたい!幽霊のあれこれ
おふくろ、元気にしてますか?
俺は元気です。それはもう血反吐を吐くぐらいに。
今日からポルターガイストを起こすという重大な使命を授かりました。 by斎藤
ハッ!
気が付くと俺は見慣れた部屋の布団で寝ていた。そこは自分が死ぬ前まで住んでいた部屋とそっくりだった。まさか、夢だったのか。
はぁ〜
ホッとしたような少し寂しいような…
そうだ!今何時だ?仕事に行かないと!
俺は急いで部屋を出た。
うわっ!急に見覚えのある金色が視界に広がってきた。
「あっ、起きたんすね!大丈夫っすか?」
そこには三股の竜崎さんがいた。
「ゆ、夢じゃなかったのか。」
「当たり前じゃないですか〜もしや、生きてた頃の会社に行こうとしたり…」
竜崎さんはニヤニヤして言った。図星過ぎて何も言えない。
「さすが社畜のゆっちゃんっすね〜」
ゆっちゃん…初めて話すが見た目通りでチャラさだ。
「仕方ないだろ、まだ癖が残ってるんだから。」
「オバーシャン焦ってましたよ〜まだ死ぬのは早いぞってw。」
オバーシャン…大林先輩のことか?
俺のあだ名はまだマシなんだな…
「面目ない…そういえばその大林先輩はどこに?」
「ゆっちゃんを運んだ後、見張りを俺に任せて会社に戻っていったっす。」
そんなに俺は仕事LOVEに見えるのか…
俺はお礼を言って自分の部屋に戻った。
『次は仕事のしなさすぎで倒れないでくださいよ〜ゆっくり休んで!落ち着いたらまた連絡ください!』
なんだ!?急に頭の中で竜崎さんの声が響いてきた。
そういえばスマホはもう持っていないのに連絡なんてどうやってするんだ?
突然、自分が置かれた状況に困惑してしまった。
そうだ、渡された資料を読んでみよう。
それでいろいろ分かるはずだ。過労死寸前時代の頃も上司に聞けず、こうやってマニュアルを隅から隅まで読んでどうにか仕事していたな。ちょっぴりしみじみする。
▶連絡をする時は、頭の中でLEINを開きましょう。
――方法――
念じるのです。自分を信じて君なら出来る!!!!!
なるほどさっきの天の声(竜崎さん)はこれの事だったのか。にしても根性論だ。
読み進めているがあの分厚さにしては内容はペラペラだな。何なんだこの幼女が喜びそうなものランキングとやらは…
全部読み終えた結果、役に立つ情報といったらポルターガイストの方法と連絡の仕方あとは幽霊同士は触れる事ぐらいだな。他は使い道がなさそうな豆知識やおばあちゃんの知恵袋などの訳が分からない事ばかりだった。
さてどうしたものか…右も左もわからない状況から余計な情報のおかけで砂漠から砂糖を見つけ出せないといけない状況になった気がする。
はぁ、これは一粒ずつ舐めてくしかないな( (キリッ
ブラック社員が過労死!転生!最強!かと、思ったら幽霊になって社畜極めます。 ch-neko @ch-neko
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