第1話 ワクワクどきどきの新しい会社

 どうも、斎藤です。死んで転生するかと思ったら上司が小林から大林にグレードアップしていました。あとついでに幽霊になっていました。



「今回は新入社員が3人も来てくれました。みんな、拍手!」

 パチパチ

 社長らしき人はそう言うとにっこり笑った。

 気付かなかったが俺の横に金髪の若い男性と顔立ちの整った学生くらいの女の子が並んでいた。この人達が新しい同期…

 前の同期はみんな半年も経たずに辞めていたからこういうのワクワクするな。

「早速、自己紹介をしてもらおう。自分の名前と死亡動機をよろしくね。みんな集まって。」

 そう言うと10人くらいの人達が並んだ。

「じゃあ、ここは大林くんから。」

 そう言われると大柄の男性が前に出た。

「はい、さっきも言ったが私は大林だ。死因は前の部下の車に轢かれた他殺だ。」

 おぉ…初っ端ぶっこんでくるな。

 ここはそういう人たちが来る場所なのか。不安になってきたぞ…

 だが、心配は杞憂に終わり物騒なのは初めだけで他の人達は病死や老衰死や事故死がほとんどで年齢層が高めだった。

「では、3人よろしく。」

 遂に自分の番が来た。

「斎藤雄太です。過労死でここに来ました。よろしくお願いします。」

「おっ、これは期待の新人だね〜」

 1人の老人が声を掛ける。

 こんな平和な中で(一部除く)過労死と言うのは少し恥ずかしいな。

「どうもっす。自分は竜崎陸です。三股したら彼女に刺されました。よろしくです。」

「え、えっと、私は近藤静香です。首を吊りました。よ、よろしくお願いします。」

「いや〜いいね!みんな元気がありそうでそれじゃあ頑張っていこう。」

「「「はい!!」」」

 ん?さらっと最後とんでもなく物騒だった気がする。

 三股に自殺…

 俺の同期とんでもなくないか?

 いや、人を死因で判断するのはよくない。


「早速だが仕事内容を説明しよう。」

 と、物騒な大林先輩が言った。

 幽霊といっても仕事なんてするのか?

 まさか、人を脅威から救う守護霊とか人を呪い殺す悪霊になるのか。

 どっちもありだな。

「君たちには…」

 どきどき…

「ポルターガイストを起こしてもらう。」

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