ブラック社員が過労死!転生!最強!かと、思ったら幽霊になって社畜極めます。

ch-neko

プロローグ アラサー男ついに過労死

 今日はなんてツイてる日なんだっ!

 終電前に帰れたのは何週間ぶりだろう!

 風呂!布団!まともな飯!が俺を待っている。

 酒、女、金なんて叫んでた大学時代が愛おしい。

 なんと!今日はこんな事になった諸悪の根源、上司の小林が有給休暇を取っていたのだ。そのおかげで仕事を押し付けられる事なく帰れた。



 俺の名前は斎藤雄太さいとうゆうた。今年で36歳いわゆるアラサーだ。昔から聞き分けの良さだけが取り柄だった結果、気づけばブラック企業に勤めている。

 仕事して寝る毎日。でも慣れてしまえば苦痛はない。



 俺は裸でムーンウォークをしたい衝動を抑え、なんとか4日ぶりのマイホームに帰ってきた。

「ただいまー!!」

 シ〜ン

 よし、今日も返事なし。

 家には出迎えてくれる彼女もいなければペットもいない。仕事でそれどころではないからな。

 とりあえず飯だ。

 俺は冷蔵庫を漁ろうとする。

 ライン♪

 すると、スマホから着信がきた。

 こんな時間に、まさか…

 急いで電源をつけ確認する。


 ☆KOBAYASI☆

 明日の資料任せた❗❗😁

 お前ならできると信じてる😎👍👍🫵


 コ、コバヤシッャーーー

 くそぅ。それはお前が頼まれてたものだろう。だが、断るわけにもいかず了解ですの文字を打たざる終えない。

 結局今日も徹夜か…

 俺は仕方なくパソコンを開けた。




 あれ?ここはどこだ?

 気が付くと俺は雲の上にいた。

 あぁ、死んだのか…

 過労死だろうな。俺の人生何だったのか…

 でももう仕事をしなくていいんだ。

 おふくろの顔が浮かぶ。ちゃんと親孝行できただろうか。最後まで心配させてしまったな……



 目の前には神様のような人が座っている。

 ハッ!待てよこれは異世界に転生するパターンではないか。もしかして最強になって俺が考えた必殺バーニングファイヤー改が撃てるのでは…

 ※彼はこの小説の題名を知りません。

 そんな事を考えて感極まっていると神々しいお声が聞こえくる。

「え〜と、あなたは斎藤雄太で合ってますか?」

「はっ、はい!」

 異世界を無双したり、ドラゴンを飼ったり、美人のエルフと幸せな家庭を築いたり。

 それからそれから……

 ※できません。

「え〜と、〜に〜〜配属で〜ではあちら〜〜部屋に入ってください。」

 話が入ってこない。まぁいいや、とにかく言われた通りにドアを開ける。

 今この瞬間、俺の転生ライフが始まるのだ!

ガチャ



「ようこそ!我が幽霊カンパニーに!」

「私が今日から君の上司、大林だ。」

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