第5話5
「アタシ、もう帰る……」
「そうか、じゃあ今精算してもらうから」
「うん……」
直弥はもうアタシには用はないみたい。だってドンピン断ったから。
「あっ、そうだ。最初のドンピン、キープ出来ないから折角だし一杯位飲んでけよ」
「いらない……直弥と純君で飲んで」
それでアタシは、凹んだサイアクな気分でロメオを出た。
今日のお会計……直弥の指名料とカフェパとドンピン。それにサービス料とTAX合わせて28万円。カードで払ったけど、来月の支払いまぢヤバイ。キャバのお仕事ガンバらなくちゃ。
結局、直弥は売り上げが欲しかったんだ。アタシ、信じてたのに……
今の時間、午後11時かぁ。この後どうしよう、お店休むって電話したけど、やっぱり今から出勤しようかな?
あ、LINEサトちゃんのまだ読んでなかった。
―――――――――――――――――――――――――――
莉奈ちゃん、今夜食事の約束だったけど今どこですか?
お店かと思って電話したら休みだって……
事件とかに巻き込まれてなければいいけど……
―――――――――――――――――――――――――――
あ~~あ……こんな事なら、サトちゃんとゴハン行けばよかったなぁ……今さらだけど。
仕方がないからお店出よう。でも、その前にドンキでパンスト買ってこよう。
出勤前、ドンキでパンスト買うのはアタシのルーティーン。
家に帰ればパンストはいっぱいあるけど、なんか買ってしまう。だから今日もこうやって並んでるパンストから好きなのを選んで………あれ?何これ………
ドンキでパンスト選んでたら………
なんでだろう、涙がポロポロ出てきちゃった。
人とかいっぱいいるのに、こんなところで泣きたくないのに、涙が止まらないよ。
パンスト持って泣いてるなんて、変なヤツだって思われちゃう。
悲しいょ………誰かたすけて。
「そこの、パンスト抱えて泣いてるお嬢さん。良かったら、僕と食事でもしませんか?」
背中から声がして振り返ったら、
そこにはサトちゃんが立ってた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます