第4話 4
「なあ莉奈、頼むよ。今月売り上げ応援するって言ってただろ?」
「それは言ったけど、ドンピンなんて
「そんな事言わないでさ。莉奈だけが頼りなんだよ。ここで莉奈がドンピン入れてくれれば、翔にも差をつけられるんだ!」
翔はロメオの不動のNo.3。
その翔と並んでるって事は、直弥ホントに今月はチャンスなんだ。
「直弥、アタシがドンピン入れればホントに翔に勝てるの?」
「ああ、こっちがリードしたら、もう簡単には抜かせないさ。こんなチャンス二度とはないかもしれないんだよ!頼む、莉奈!俺を男にしてくれ!」
直弥、ホントに真剣だ。そうだよね……こんなチャンスめったにないんだもんね。
「わかったよ直弥。アタシ、ドンピン入れる!」
「ありがとう、莉奈!やっぱりお前は最高の女だよ!」
直弥、スゴく喜んでた。18万はイタイけど、これで直弥No.3になれるね!
今、直弥はトイレに行ってる。
なんか、安心したら急にオシッコしたくなっちゃったんだって。ちょっとカワイイとこあるね。
♦
「直弥さん、やりましたね。ドンピンゲットおめでとうざぁ~~す」
「おう、純。さっきは、イッキありがとな。莉奈には、この調子でもう一本入れさせるから」
「マジっすか!直弥さん、なかなか鬼っすね!」
「当たり前だろ、その為に呼んだんだからよ」
♦
トイレから帰ってきた直弥は、どうしちゃたんだろう?なんか、元気なかった。
「直弥、どうしたの?ドンピン入れたのに、なんか元気ないよ?」
「ん?そうかな……別に何でもないよ。気のせいじゃないのか?」
気のせいなんかじゃない。直弥、アタシに何か隠してる……顔を見ればわかるんだからね。
「ねえ、直弥。なにかイヤな事でもあったの?アタシに話してよ」
そしたら直弥、やっとその訳を話してくれたんだけど……
「さすがだな。やっぱり莉奈の目はごまかせないか……実はさ、今、翔のところに常連の客が飲みに来てるんだけどさ……ほら、あのテーブルで翔が付いてる客……」
直弥の言う方を見たら、翔とお客さんが並んで座ってた。見たカンジ、40歳位のオバサン。
「あの客、翔の太客でさ、エステか何かの社長やってるんだよね。さっき、ドンピン入れてんの見ちまった…せっかく莉奈がドンピン入れてくれたのに、追いつかれちゃったよ」
そうかぁ……それで直弥、元気なかったんだ。
「でも直弥、またガンバレばいいじゃない。まだ抜かれた訳じゃないんだから!」
アタシ、一生懸命直弥を励ましたんだよ!
それなのに……
「なあ、莉奈。一生のお願いだ!ドンピンもう一本入れてくれっ!」
えっ!そんなのムリだよ直弥!気持ちはわかるけど、アタシにはムリ!
「ムリだよ直弥。それに、まだ今入れたドンピンだって空いてないし」
「そんなの全然問題無いから!このボトルは、俺と純で責任持って空けるし!」
直弥も必死。翔との勝負が懸かってるから。
でも、やっぱりドンピン2本はムリだよ………
「やっぱり、ムリ。ごめんなさい、直弥………」
その後の、直弥が言った言葉。
スゴくショックだった。
「そうか………所詮、お前はその程度の女だったんだな。もう、帰っていいよ」
それ、サイテーだよ。直弥………
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