第3話3

今日はサトちゃんとゴハンの約束。

お客さんとゴハンはキャバの基本。

待ち合わせは定番の歌舞伎町ドンキの前に8時。

…のつもりだったけど、予定変更!

なぜかって言うと、急にクラブ『ロメオ』のホスト、直弥なおやから電話がかかって来たから。


『なあ、莉奈。お前今夜暇だったら、店に来てくれないか?俺、今月もう少し売り上げ頑張ればNo.3に上がれるかもしれねえんだよ!』


直弥は今、アタシの一番大好きな人。超イケメンだし、服もオシャレだし、優しいし、だから好き。直弥とだったらディズニーランド行くのもOKなんだから!

直哉言ってた。いつか俺がNo.1やるんだって。

アタシもスゴく応援してるから、売り上げ協力しないと!

そんな訳だから、サトちゃん、今日約束すっぽかしてごめんね。

同伴の予定だったけど、お店も休まないと…罰金になっちゃうから、店長に電話しなくちゃ。



♢♢♢



「カンパァ―――イ」

今、アタシはホストクラブ『ロメオ』で直弥とカンパイしてる。

いつもは飲み放題のブランデーだけど、今日は直弥の為にを入れてカンパイ。1本2万円ナリ。


「サンキュー莉奈、来てくれて嬉しいよ。今月、俺マジにチャンスなんだ」

「うん、ガンバってね直弥。アタシも応援してるから」

「そりゃあモチ、頑張るさ」

そう言って笑う直弥。もう、その笑顔がカッコ良過ぎ!


♪~♪♪~


「ん、スマホ鳴ってるぞ?莉奈」

「あっ、ホントだ」


LINE入ってる……って、サトちゃんからだよ……もしかして、まだドンキにいるのかな?既読になっちゃうから開かないけど。


「ロメオにいる間、電源切っておけよ。今は俺だけいればいいだろ?」

「うん、そうする」


サトちゃんゴメンね。ゴハンはまた今度行こうね。


「直弥、アタシちょっとトイレに行ってくる」

「わかった。待ってるよ」


アタシがトイレから帰る時、席の方を見たら直弥とヘルプのじゅん君が何か話してた。二人で何話してるのかな?


「直弥さん、いいんすか?こんな余裕ぶっこいてて。こんな調子じゃ、よ?」

「まあ、焦んなって純。勝負はこれからだよ、莉奈はキャバで結構稼いでんだ。これからからよ!……おっと、莉奈が帰ってくる。まあ、見てろって」



♢♢♢



「ただいま、直弥」

「お帰り、寂しかったよ莉奈」

「またぁ~大げさなんだから、直弥は。ところで、さっき純君と何話してたの?」

「ああ、さっきのね。純がまだ飲み足りないらしい。莉奈、純にもっと飲ませてやれよ」


なんだ、そんな事か……純君、ヘルプだから遠慮してるのかな。


「純君、全然構わないよ。遠慮しないで飲んで」


そしたら純君。


「あざぁ~~す莉奈さん。それじゃ遠慮なく、行かせてもらいまぁ~~す!」


は?……ちょっと純君!ボトルイッキってやり過ぎでしょ!アタシと直弥の飲む分がなくなっちゃうじゃない!


「ハハハッ純、お前なかなかワイルドだな」

「直弥、笑いごとじゃないよ!アタシ達の分が無くなっちゃったじゃない」


そしたら直弥、アタシの耳に顔を近づけて、こう言ったの。


「なあ、莉奈。カフェパばっかりじゃ飽きるだろ?よ」


え?直弥、まぢで言ってるの?

ロメオでのドンピンの値段。……1本18万円ナリ……

さすがにアタシも考えちゃう……




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