第2話 2
もっと映画のお話ししよう。
「じゃあ~サトちゃん、好きな俳優さんは誰?」
「う~ん、そうだねぇ……クリントイーストウッドなんて結構好きだよ」
えっ?ブラピとかジョニー・デップなら知ってるけど、アタシその人知らない。サトちゃん、マニアック過ぎるよ……
「誰、その人?」
「あれ、莉奈ちゃん知らないかな?」
「うん、知らないよ……その人どんな映画に出てるの?」
「そうだね…一番有名なところでは、ダーティハリーとか」
やっぱり知らない。ダーティ……って、プロレス的な映画かな?
クリントなんとかって人、きっと筋肉ムキムキのマッチョなんだね。
「ねえ、サトちゃん。アタシにも何か訊いてよ」
「じゃあ、映画繋がりで……莉奈ちゃんの好きな映画は?」
「『ウルヴァリン』! あれ、超カッコ良かった!」
「なるほど、ウルヴァリンか……なんとなく納得できるな…確かに莉奈ちゃんに通じるものがあるよね」
「えっ? サトちゃん、それどういう意味?」
アタシはサトちゃんの目線を追ってみた。
……言っとくけど、アタシのネイル、武器じゃないから。
その後も、話題を変えてサトちゃんとお話したんだけど……アタシびっくりしちゃった!
なんと!
なんと!なんと!大ニュース!
サトちゃん、今までディズニーランドに行った事が無いんだって!
それ、まぢありえないよ!
東京に住んでてディズニーランド行った事無い人って、アタシはじめて見たよ。
「サトちゃん、ミッキーがキライなの?」
「いや、そういう訳じゃないけどさ」
「じゃあ、なんで?」
「いや、別に大した理由じゃないんだけど」
大した理由無いのにディズニー行かないの、おかしくない?
「もしかして、サトちゃんずっと沖縄とか北海道に住んでたとか?」
「いや、僕は生まれも育ちも東京だけど?」
「じゃあ、なんで?」
「ずいぶん、こだわるんだね」
「だって、気になる!」
そしたら、サトちゃんその訳をアタシにもわかるようにクイズ形式で教えてくれた。
「じゃあさ、莉奈ちゃん。ディズニーランドって一人で行くところ?」
「う~ん…一人じゃつまらないよ」
「じゃあ、男同士で行くところ?」
「それ、ちょっとキモいかも」
「まあ、言うなればそういう事だよ」
「そういう事って……あっそうか!」
アタシは気づいてしまった。今日のアタシはとっても冴えてるみたい
……キャバのお仕事に飽きたら、探偵に転職とか出来るかも。
♢♢♢
そうか~~サトちゃん、独身だし彼女もいないからディズニーランドに行けないんだね。前には彼女がいたんだけど、ディズニーランドに行く前にフラれちゃったんだって。アタシも今は彼氏いないけど、前の彼氏とも行ったし、友達のミキ達とも何回も行ってるから。
そしたらサトちゃん、今度アタシと一緒にディズニーランドに行こうって言うんだけど……サトちゃん、それはムリ。
だって、ディズニーランドは彼氏と行くところだから。ミキとか友達とならいいけれど、サトちゃんはムリ。
サトちゃん、頑張って彼女作ってディズニー行ってね。
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