第7話 エリート課長、呂蒙を呉下の阿蒙扱いする
陸遜を突破し、呂蒙と対峙することになる伊籍。呉の都督である呂蒙は一筋縄でいかないはず。正攻法や!と息巻く課長に果たして呂蒙の壁は越えられるのか。
「いよいよ呂蒙やな。陸遜の使い方を見るに、呂蒙は相手の性格を見抜くプロや。プロに小細工は通用せえへん。正攻法で一気にいくのが正解やろな。」
伊籍は呂蒙に何と切り出すのが正解なのでしょう?
「武人は待たんと先制攻撃や。おそらく呂蒙から先に仕掛けてくるで。『よう来られた伊籍殿。前都督の魯粛の言葉を持ってこられたとのこと、我が君もお喜びになるであろう。しかしな伊籍殿、最近どうも貴国との同盟を解消すべきだという意見が多くてな、我が君に会うのは困難を極める状況なのだ。使者を殺して同盟解消すべし、との声もある。それくらいの緊張状態…ということは理解されておられるかな。』こんな感じやな。」
怖い。呂蒙怖い。それもそのはず、呂蒙は陸遜と共に関羽を討つことになる呉の名将であり、荊州奪還を進言している蜀との同盟解消論者だ。伊籍は大丈夫なのかな…
「ここでビビったら負けや。正面きって堂々と伊籍に答えさせんとあかん。『伊籍と申します。都督にお会いできて光栄…と先程までは思っておりましたが、今は残念な思いが強くなって参りました。前都督の魯粛殿がこの場におられたら、お嘆きになられることと存じます。まだまだ呉下の阿蒙であったか…と。』これくらい強気で行かんと気圧されるで。」
ケンカ売ってますよね…武闘派にケンカ売ってますよね?大丈夫ですか?指の一本や二本折られませんか?
「大丈夫や。呂蒙は知勇兼備の名将や。こんくらいで使者に殴りかかるような浅はかな男やない。『ははは、これは私の不徳と言うべきであろうか。使者に対する非礼を詫びよう。』となるはずや。伊籍は思っとっても同盟なんて言葉にしていないし、前都督の魯粛の言葉を孫権に届けにきた使者や。これを脅すようなことをするのはアホしかおらん。帰らせたければ丁重に書簡を預かって帰すのが礼儀っちゅうことを呂蒙はわかっとる。最初の脅しはブラフみたいなもんや。伊籍という人物を見定める手段やったっちゅうわけやな。まぁ伊籍は自分も書の一部と言っとるさかい、丁重に帰らせる手は先に潰しとるけどな。」
なるほど…と思いながら自分が伊籍だったら
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
こんな感じになったと思う。
「出だしは上々。これから先が舌戦、論戦の正念場やで。」
課長が活き活きしてるのが呂蒙より怖い…
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