03 シルバーレーベン中央駅
シルバーレーベン中央駅は、首都シルバーレーベンの中心部にあるこの国の玄関口です。
シルバーレーベン中央駅は壮大で優雅な駅であり、シルバーレーベンの玄関口として重要な存在です。駅舎はゴシック様式の美しいアーキテクチャで装飾され、魔法の光が建物を照らし、一層の荘厳さを演出していました。
駅の入口にはゴールデンハルト家の紋章が飾られ、王家の象徴としてその威厳を示しています。入口から中に入ると、広々とした大ホールが迎えてくれます。天井は高く、ステンドグラスが美しく彩られ、壁には古代の魔法陣が彫り込まれています。ホールの中央には噴水があり、水面には色とりどりの魚たちが泳いでいました。
駅内には売店やレストランも充実しており、旅行者たちが安らぎと楽しみを見つけることができる場所となっています。売店には魔法のアイテムや土産物が並び、レストランでは美味しい料理が提供され、シルバーレーベンならではの味覚を楽しむことができるようです。
駅舎の外には広大なプラットホームが広がります。プラットホームには美しい庭園や花壇が設けられ、旅立つ人々を温かく見送るような雰囲気が漂っています。
シルバーレーベン中央駅は魔法の国の旅の出発点であり、多くの人々が夢と冒険を求めてこの駅を訪れます。列車が次々と出発し、新たな世界への扉が開かれる瞬間は、まるで魔法が実際に現れるかのような興奮と魅力に満ちています。
プラットホームの入口にある電光掲示板で、乗る列車を確認します。まずは、8:30発の急行列車で、ローズウッドの街を目指します。
急行列車が発車する5番線に向かうと、列車は既に停車していました。真紅の電気機関車の後ろに、濃紺の客車と貨物車が連結されています。列車の外観は、どことなく全体的にアンティークな感じにまとめられていました。
列車は機関車に続き、1等車が2両、ビュッフェ車が1両、2等車が3両、それに貨物車が2両の合計9両編成です。まずは、2等車に乗ってみましょう。
2等車の車内はコンパートメントスタイルで、3人×3人の6人部屋になっています。
2等車は基本的に自由席なため、空いている席を見つけ座ります。なかなか悪くなさそうです。ここからローズウッドまではおよそ3時間、満席だったら圧迫感も感じる事でしょうが、空いていれば快適な旅行になりそうです。
“ピィィィ”
遠くで汽笛の音が聞こえました。軽いショックの後、急行列車は静かに走り出しました。
ガタガタと駅のポイントをいくつも通過していきます。そうして、自分の線路を見つけた列車は徐々に加速していきました。
最初は、シルバーレーベンの街中を走ります。ゴールデンハルト城の優美な姿や、その隣にある王立魔法学院の尖塔が見えました。
いってきます、と言うと、いってらっしゃい、と言われたような気がしました。
その街のシンボルと呼ばれるような建物は、そこに集う人々にとって、守り神のような存在になるのでしょう。
10分ほどで市街地を抜け、郊外に出ます。列車はさらにスピードを上げました。ここからしばらくは田園地帯を走ります。
他の車両も見てみましょう。まずは前よりの1等車から。1等車はオープンタイプのシートで1+2列のボックス席が並んでいます。1等車の乗客にはドリンクサービスがあり、専任の乗務員が忙しなく働いていました。
ビジネス目的の乗客が多く、パソコンや書類に目を通す人がほとんどです。
でも、中には魔法使いもいて、杖を丁寧に磨いていました。話を聞くと「愛情を込めれば込めるほど、いい魔法が使えるのよ」と教えてくれました。
1等車をあとにし、今度はビュッフェ車に向かいます。車内は前方にドリンクや軽食を販売するカウンターがあり、後方には立食用のテーブルがあります。
ここのオススメはコーヒーと特製スコーンのセット。車内で挽きたて淹れたてのコーヒーに、ノイスターレ王国鉄道だけで販売している特製スコーンの相性は抜群です。
立食用テーブルでコーヒーとスコーンに舌鼓を打ちつつ、景色を眺めます。車窓には豊かな田園風景が続きます。
放牧されている牛が見えました。向こうでは羊飼いが羊たちを追っています。
平和で牧歌的な風景を眺めながら、ビュッフェ車でのひと時が過ぎていきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます