第8話

 今日もいつも通りベッドの上。リハビリ君が来て話題になったのが、今まで私が乗ってた車のこと。長男が4年間の大学生活で私の乗ってた車全部持ってった。スキー部だったから大きい車便利だもんね。合宿所への移動、普段の大会場へと。ステップワゴンはもともと、自分も長男の大会場への移動、子供達みんな乗せて行くために選んだ車だったから、長男が大学だからっていなくなるんで、今度は軽自動車でもいいかと思ってた。真っ赤な軽自動車のワゴンタイプ。まるで郵便局の車のよう。長男のステップワゴンは、スキー部の車みたいにして重宝がられたようで、ほんと頑張って働いてくれたようだった。私の真っ赤なお気に入りの車は、まだ借金を払い終わっていないのにあの日、オヂャン。長男が出身高校に、教育実習をお願いしていたようだった。が、あまりの忙しさに、体育教師になるのは断念してしてしまった。なので、断りの挨拶しに高校に行ってくるために

「かーちゃん、車貸してっ!」

「いいよー」

と貸した何時間後?に

「ごめん、車、落とした」

「はぁー?」

「エアーバッグ開いたからだめかも!」

「今すぐ行くから場所教えて!」

とその場には、職場の車を借りて行ってみた。JAFを呼んで

「修理に7.8十万円かかりそうですね」

と言われて思い切って、廃車にすることにした。まだ私もエアバックは体験した事が無いのに先越されたわ。しゃーないと思った。負の事には負がつきもんだわぁ。だいだいにして、断らなきゃこんなんならんのに。と思っても、何も言いたく無い。あーっ!借金払ってないのにー!

「ごめん、今日の夜フェリーに乗りたい」

「ホント、忙しい人だね。送ればいいんでしょ?」

「そうして貰えたら助かる」

「じゃ、じーちゃんに車借りて行こう」

「うん」

とバッタバタの1日は帰って日付変わった。



 自分がこれから乗る車は、さてどうしようかと、自転車で通勤してたら見つけた。お手頃価格の軽自動車。36万円。が毎日ヒィヒィの私は困った。前回の借金も支払いしなくちゃならんし、借金したく無い。何か察知したか職場の経営者が何か困っているのか聞いてきた。車壊された話をしたら、車代を立て替えしてくれると言う。何ていい人。お金持ちってケチかと思っていたが中にはいい人もいるんだと感心。ただ単に長くお世話になっていたが、信用してくれているんだと、その時ちょっと信頼できるかも。と思った。ありがたく、即車購入して快適な毎日を過ごしていた。

 

 年も明けて、1月18日に母が亡くなり葬儀も終わり気持ちが少し落ち着いてきた頃、長男が事故ったと言って凹んだステップワゴンを持って来た。

「あららのら」

でもそろそろ寿命なくらい、とことん乗り潰した感があり

「頑張ったね。この車」

父が車の部品使うから家に置いていていいと、許しが出たのでそのまま置いていく事にした。そして、廃車にする事にした。そして狙われたのはその時私が乗ってた車。今思えば何で長男に乗ってっていいと言ってしまったのか? 

 また、私の乗る車がないじゃないか。


「お前が帰って来てくれたから、俺は頑張れた。車が必要ならば、俺が出すから」

母が亡くなって力落とした父がこんな事言ってくれた。結構やりたい放題、生きたい放題生きてきた私なのに、ありがたい。本当にありがたいと思った。また、真っ赤な軽自動車に決めた。そして、ホント馬鹿な私。長男の事だーい好きで。でも、いつも、甘やかして馬鹿親なのかなぁ。今は孫2人にしてくれて、おばあちゃんにしてくれて、ありがとう。


 私が乗っていた赤い車は今次男が乗っている。医師達にいつも聞いている事があって、私は車の運転がしたい。出来るか出来ないか。いつも言われる事は、麻薬の発布剤が使用してなければ、良い。使わなくて良い時が来るのか。来てほしい。そしたら今度はS U V車だね。

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