第9話
今日もベッドの上。肝臓の袋から出る何とも言えぬ色の液体。ドス黒いワインレッド。450ccバックから空けた。外は雲が多いけど青空も所々あって、気持ち良い。足の保湿毎日やってくれるからツルツルしている。自分だけではまずやらないから、パサパサになる。
ありがとうございます。毎日の保湿!
肝臓の袋から液体が出なくなれば良いので、周りのガン細胞を放射線治療して無くすと言う。が、実際やってみないと今までに、例がないので何とも言えない。というので
やってみよう。と、CT検査機に寝て、CT撮るようにしてお腹の放射線治療する箇所に、油性マジックで印をつける。
「消さないように気をつけて」
と言うが、何に気をつければいいんだろう?
わざとは擦らないし、お風呂は看護師さんが、消さないようにすれば良い事。汗かいて消える?だとやばい。汗ばかりかいて、シャツ交換はしょっちゅう。まぁ、1回やってみたら、こんな感じな。っつうのがわかるまで。ワクワクして楽しみなんだ。
最近見る夢。昔こういうシーンがあったなあ。親戚の家にみんな集まって、盆正月はよくワイワイと賑やかに。親戚宅はそこの両親無くなると、だんだん、実家になって。おじいちゃん、おばあちゃん明けましておめでとうございます。ってお年玉もらうのが、面白くて、でも段々に叔父さん叔母さんには、母の兄弟だから、申し訳なくて、足が遠くなる。私が子ども増えるほど、行きづらくなる。おじいちゃんとおばあちゃんがいた頃は昔から花札が正月恒例の行事だった。そして、馬のパドックあって、天気の良い日はお客さん馬に乗せて一周回って。アーチェリー場もあって、叔父さんは北海道で知り合ったと言う女の人を奥さんとして迎え、おばあちゃんたちから喫茶店を建ててもらって、商売して。ホント華やかで良い時代だった。私も遊びに行くのが楽しみで休みの度に、おばあちゃんちに泊めてもらってた。新しく親戚になってく人も増えて面白くてしょーがない時期。そこの長男の嫁は理容師で店をおばあちゃんにだしてもらって。母の兄弟達はみんなおばあちゃん達にお店建ててもらって。母は羨ましかったかもしれない。だから、私的にその場はパラダイス的な。今どき古いか。パラダイス。でもだーい好きなお気に入りの場所。だったのよねー。その場に大きなレストランを建てた人がいて、その人の、親戚だって、私と同じ年の男の子連れて行くもんだから。小学生の低学年の私は恋しちゃって、今度いつ会えるか楽しみで楽しみで。皆んながいつも笑顔でいた時代。良き思い出。だから、今だに私はそこの夢を見るのか。納得した。だーい好きなお気に入りの場所。今はその気配もないけど。
おまけに、隣の母の弟宅は皆んな財産放棄したから、市の持ち物になってしまって。店を出してもらった北海道からの女の人は自分の生んだ女の子を連れて住み込みで働ける温泉旅館に行くと伯父と別れて去って行った。伯父もそれぐらいの人でしかない?それからは寂しかったと思う。頼りになるのは母だけみたいで、たまに、泊めて、ご飯食べさせて相談乗ってあげてたようだった。最後はガンになっちゃって伯父である長男夫婦とその娘と私の4人で送り出した。ちょっと寂しい葬儀だった。その頃は母ももういない。今心配なのはこの伯父さん長男夫婦がもうその場にはいなくて、どこかに引っ越しているらしいが、わからない。甥っ子に聞けばすぐに済む話なのだが。自分のこの状態を知らせるのも嫌で、もう知ってるかもしれないが、今に至る。変な私。ホントに出会いと別れの連続でしかないこの世。一期一会いうが、もっともである。母の末っ子に当たる弟、私にとっての伯父は、誰からも好かれて頼りになる人で、私達姉妹の旦那さん達からも1番の話相手みたいに集まった時はひっぱりだこ。その場を盛り上げるのが上手で場の空気を読む人であった。今思えば、やっぱりそのくらい神経過敏で張り巡らして、人1倍疲れていたかも知れない。その人の奥さんが調子を崩したのはいつだったろう。病院で腫瘍があるかもしれないと、言われたあたりかな?彼女はもともと、自殺願望は無かったはずなのに。何かと高い所から、飛び降りようとする。心配な旦那である伯父はつきっきりで、いつも、阻止していた。が、ある時、山に掛かってる高い橋から飛び降りた。ちょっと目を離した隙にだったらしい。まだ、中学生になったばかりの子を置き去りにして。何も問題なく、優しいお母さんの元ですくすく育って。これから、思春期を迎えようとしてる可愛い我が子を。普通ならば、考えられない行動を、何物かに心を乗っ取られたかのような、多分その時はまともな心はどこかに飛んでるんだろうに。そういえば、父親も、自殺していたかも。1番罪深き行いと言われてる。この世から消える事が出来なくて、人の身体をつかってこの世から去ろうとする。が出来なくて、同じ事の堂々巡りと言うのを読んだ事がある。どうしたらあの世に行けるのだろう。
電話が来て、親戚宅に行ってみた。末っ子の伯父さんが首を吊った。パトカーがまだいて現場検証の最中だった。叔母さん連れてかないでよと思った私。なんで、おじちゃんまで!なんで、残される子の事1番に考えてあげないのよ。おやでしょ。あんたたち。と心の中では叫んで泣いていた。何やってんのよ。しばらくの間私の私が怒ってた。私の長男がそこの子の1歳上で、小さい頃からずーっと仲良くしてた。いつも楽しそうに一緒にゲームして笑っていた。もう、いつになったら笑えるようになるんだよ。
もう何年たったかなぁ?末っ子の伯父の息子も。うちの長男が33歳になるから、もう良い年になってるねー。女の子1人目までは知ってるけど、そろそろ小学生ぐらいかなー。父親の葬儀の時に会ってから、子と奥さん連れて2回くらい来てくれたよねー。でもうちの長男が帰ってくるのが前提だから。しっかり、父親してるといいなぁ。皆んな仲良く、まぁ喧嘩しながらだろうが。どこの夫婦も。測り知れない夫婦の関係は私のあまりの経験不足なはんちゅうであるため、わからぬ世界である。今度生まれ変わりがあるならば、愛する人と共に暮らしてみたい。でもな、同じなのかも。愛する人に囲まれてる感覚は旦那さまだって、今は心配してちょくちょく顔出してくれるし、向けられてる愛はすごく感じる。もうすでに、愛する人と共に生きている。今は娘が、ナナチキを差し入れしてくれて、ありがと。私のわがまま聞いてくれて。排液あけると、お腹空いて空いて。今は夜。今日のトータル450ccと190ccで640ccでたでた。これでまた美味しくご飯が食べられる。ありがたや。
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