第10話 拙者、四元魔将と対決③
やっほー! ツインテメイドのグレイシアで〜す! オモシロスライムって魔王さまが種族名を名付けたオカ=メギルさま、面白すぎ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ まさか、四元魔将全員の攻撃を受けても普通に生きているなんて……。私でも、二、三日は寝込んじゃうのに……! あぁ! オカ=メギルさまを使った、更なるエンタメを私は見たい(((o(*゚▽゚*)o)))
--あらすじ--
四元魔将全員の攻撃を受けたでゴザル! そろそろ温厚な拙者でも頭にきたでゴザル!
「ふう……。そう言えば、『四元魔将』って何をするのでゴザルか?」
怒りのあまり冷静になった拙者は、ふと浮かんだ疑問を口に出す。
しゅたっ!
物陰に隠れていたツインテメイドさんが、ジャンプして、格好良く拙者と四元魔将たちの間に着地してポーズを取ったでゴザル! たなびくスカートに垣間見えるチラリズム! 拙者、異世界転生ではなく転移が良かったと自分の境遇を呪いたくなったでゴザル。・°°・(>_<)・°°・。
「この私、メイドのグレイシアが説明しま〜す!」
ツインテメイドさんの名前はグレイシアさんだったでゴザルか! 覚えたでゴザル_φ(・_・
「『魔将』とは、闇に属する勢力の有力者の称号です☆ 有名どこだと冥王軍の冥魔将ラクシュバリーさま、邪龍軍の龍魔将サームナリィさまですね!」
なんか、邪龍とか怖そうなワードが出てきたでゴザル! 拙者、帰りたくなったでゴザル((((;゚Д゚)))))))
「我らが魔王軍の場合、魔将の上に四大元素を操り管理するものとして、こちらに勢揃いしております、四元魔将の皆さんがいらっしゃいます! ヒュ〜ヒュ〜! パチパチ!」
軽く失礼な話の進め方をしているような気がするでゴザル……。冥王や邪龍のところの方がスゴイ的な……。なんか、四元魔将たちが苦々しい顔をしているでゴザル……。
「四元魔将の役割は、地水火風の管理運営! せめて魔族領だけでもしっかりして欲しいんですけど、妖精王のところの四大精霊に握られちゃって、まともにできてないんですよね〜。獣人族領の五獣たちを見習って欲しいんですよね……」
賢い拙者は分かってしまったでゴザル! 空がどんよりして土や木がきちゃない色をしている理由が! こいつらの力不足! イキっていても役割を果たせない四元魔将(笑)だったでゴザル! いいネタでゴザル! これをネタに煽り散らかすでゴザル( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
「くっ、言わせておけば……。いかに貴様と言えど……」
拙者に攻撃を無効化されたアマイモンさん(笑)がグレイシアさんにヘイトを向けてるでゴザル! 紳士たる拙者が立ち上がらねばならないでゴザル\\\\٩( 'ω' )و ////
「ぷっぷうぅぅぅ! 『四元魔将最弱を決める』とか言ってたのは、上に四大精霊がいたからでゴザルかぁぁぁ? 超えられない壁があるんじゃあ、下を見るしかないでゴザルなぁぁぁ? そして今度はいたいけなメイドさんに八つ当たりでゴザルかぁぁぁ? 少しは自分の仕事に向き合った方がいいんじゃないかでゴザルなぁぁぁ!」
「いや、コイツは見た目通りじゃ……」
オリエンスさん(笑)もなんか言ってるでゴザルが、無視無視!
「は? 四人で囲むとかプライドとか無いでゴザルかぁぁぁ? 四人で囲んでおいて、スライム一匹どうにもできないんじゃあ、無能なりに大人しく仕事をするでゴザル! あ、無能が頑張ると事態を悪化させるから、何もしない方がいいかもでゴザルなぁぁぁ?」
「ボ、ボクたちがどんなに苦労しているか知らないで……!」
火のパイモンが苦労アピールを始めたでゴザル! ただ、誰もが自分こそ他人より苦労していると思っているから、苦労アピールはウザがられるだけでゴザル!
「苦労しているからって、何してもいいでゴザルかぁぁぁ? チビなガキにはそんなことも分からないんでちゅかぁぁぁ?」
「何してもいいに決まっているじゃない。強ければねえ!」
拙者の煽りに水のアリトンたんが言い返してきたでゴザル! 魔族の倫理観は【強ければ何してもいい】でゴザった!
「え? 強い? 拙者一人どうにもできないのにでゴザルか?」
だったら、その自分を【強い】と思っているところをつついてやるでゴザル!
「○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○す。○してやるぅぅぅぅぅぅ! アンタたち、このスライムに一泡吹かせてやるよ!」
「はぇ?」
煽り過ぎたでゴザルルルゥゥゥゥゥ! 拙者へのヘイトのせいで四元魔将の皆さんが一致団結! 合体技の準備に入ったでゴザルルルゥゥゥゥゥ!
「四元魔将が一致団結するなんて……、今まで一度もなかったのに……」
そう呟くとグレイシアさんは消えて行ったでゴザル! 拙者も連れて行って欲しかったでゴザル。゚(゚´Д`゚)゚。
「食らえ! スライム!」
「「「「四元虐殺陣!!!」」」」
地水火風のエネルギーが拙者を虐○せんと迫り来るでゴザルルルゥゥゥゥゥ!!
「オレは一日一度と言ったはずなんだがな」
魔王さまあああぁぁぁぁぁぁ!
そして。
魔王が
一方、拙者は……。魔王によって踏み潰され、現在、回復中でゴザル(´;Д;`)
◇◆◇
「四元魔将たちが初めてやってみせた合体技……、お前の目からはどうだった?」
執務室で魔王さまが私に問う。
「はい! 魔王さまの
魔王軍はトップである魔王さまとそれ以外の強さに差がありすぎるのが問題の一つにある。これでは、完全に目覚めた勇者の相手にもならないのだ。もう一人、大賢者という厄介なヤツもいるけど、そっちは冥王さまが対応してくれるからいいんだけど。
はあ〜。冥王軍のラクシュバリーさま、いいよな〜。冥王さまが強化しまくったスケルトンなんだけど、お陰で魔王さまでも倒すのが難しいくらいの仕上がりになっていたのよね〜。『真魔大戦』のときに冥王さまを庇って殉職したらしいんだけど……。惜しい人(?)を亡くしたな……。
「怒りのせいか、力も上がっていたようだしな。あのスライム、本当に面白いな」
魔王さまも好感触(((o(*゚▽゚*)o))) それならと私は魔王軍の抱えるもう一つの問題点について奏上する。
………………。
沈黙が流れる。魔王さまはどちらかというと、武力を用いることを好む。
更にこの流れでこの提案は………。
「分かった。魔将グレイシア。朕、魔王リュツィフェールは
「ありがとうございます! 臣、グレイシア。変わらぬ忠勤をもって、厚恩に報いたいと存じます」
意外にも魔王さまは私の提案を受け入れて下さった。これほど嬉しいことはない……。
◇◆◇
「何で拙者はこんな所にいるでゴザル(・・?)」
次の日、拙者はツインテメイドのグレイシア殿に抱き抱えられ、何処かに運ばれて行ったでゴザル。そこは……、
「オカ=メギルさまには、行政府で働いてもらうことなりました☆」
「はぇ?」
拙者、働きたくないでゴザル! 絶対に働きたくないでゴザル! 書類が山積みになった部屋で拙者はめまいがしたでゴザル……。
「魔王さまの命令なので……、頑張って下さいね♡」
いやあああぁぁぁぁぁぁでゴザルルルゥゥゥゥゥ!!
もう、声すら出なかったでゴザル。゚(゚´Д`゚)゚。
◇◆◇
ある人間領の研究所……
「何? 魔王のペットが四元魔将に勝っただと?」
「はい、魔族領の学者からの報告レポートによりますと……。『四元魔将と口論になり戦闘となった。最終的に両者戦闘不能となり決着。四元魔将は二、三日療養したのに対し、スライムは次の日には活動していた』そうです……」
「魔王軍内での変事をスライムが抑えたということか……」
「え? ただの口論じゃないんですか?」
「魔族領からの報告を文字通りに読むな、と言っただろ? あのスライムは魔王の近衛の可能性が高い。そうすると、軍部と近衛との抗争があったと見るのが妥当だ」
「じゃあ、『最終的に両者戦闘不能となり決着』というのは、魔王の裁定があったということですか?」
「そうだ。『最終的に両者戦闘不能となり決着』というのは、形式的に喧嘩両成敗で両者の面子を立てたこと、『四元魔将は二、三日療養したのに対し、スライムは次の日には活動していた』というのは、実際には、軍部に何らかの処罰が下り、近衛は特に処罰されなかったということだろう」
「流石、先輩です! 俺なんかにとても出来ない深いリテラシー能力! そこに痺れる、憧がれるぅ!!」
「おだてても何も出ないぞ。 まあ、せっかくだし、酒場で一杯くらいなら奢ってやるぞ」
「先輩、あざっす! ゴチになります!」
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