第5話 拙者、魔王に名前をつけられる

 🎵ま〜おうは ある〜くよ〜 ど〜こまでも〜


 どこへでも歩いて行けばいいでゴザルが、拙者を早く捨てて欲しいでゴザル! てゆーか、このバリトンボイス、魔王でゴザル!! 無駄にいい声でゴザル! 拙者の脳内再生でなく、魔王本人が歌っているでゴザルルルゥゥゥゥゥ!!


 🎵の〜をこえ やまこ〜え たにこえて


 そんな長距離、拙者の心臓が保たないでゴザル。゚(゚´Д`゚)゚。

 あれ? 拙者、心臓あるのでゴザろうか?


 🎵パ〜ンデモニウムま〜で オレたちの〜


 パンデモニウムって何でゴザル(・・?)

 万魔殿とか書いてパンデモニウムと読ませる魔族の本拠地的なヤツでゴザルか?

 怖すぎるでゴザル((((;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル

 絶対、恐ろしいところでゴザル!

 絶対に行きたくないでゴザル(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)


 🎵た〜のしいたびのゆ〜め つないでる〜


 楽しくない楽しくないでゴザルルルゥゥゥゥゥ!! なんかデカい建物が見えたでゴザルルルゥゥゥゥゥ!! あれがパンデモニウムでゴザルかぁぁぁ?


「着いたぞ」


 ドサッ


 魔王はデカくて恐ろしげな建物の前庭で拙者を離したでゴザル! もっと前に離してくれても一向に構わなかったでゴザル(`・∀・´)


「さて……オモシロスライムよ」


 魔王が拙者に話しかけて来たでゴザル! 怖いでゴザル!! でも答えなければ、もっと怖いことになるのは明白でゴザル!


「『オモシロスライム』というのが拙者の種族名でゴザろうか?」


 気になったことを聞いてみるでゴザル! 『面白いスライム』みたいで釈然としない種族名でゴザルが、前世の世界の『アホウドリ』や『ナマケモノ』よりはマシでゴザル!!


「そんな種族はいない。お前はこのオレが初めて見る種族のスライムだ。面白いと思ったから言ってみたが……。お前の種族は『オモシロスライム』でいいだろう」


 ガビーーーン∑(゚Д゚)!! 拙者、種族名『オモシロスライム』に決定! 魔王自ら決めたことを覆すなんて無理でゴザル! 拙者は『オモシロスライム』として生きていくことが決まってしまったでゴザル。・゜・(ノД`)・゜・。


「で、名前は?」


「拙者は『オモシロスライム』。名前は…………」


 前世の名前は覚えていないでゴザル! ここで何か言わないと『オモシロスライム』が拙者の名前になるでゴザル!! それはイヤでゴザル!


「オカ………メ」


 何とか振り絞って出て来たのが『オカメ』でゴザル! オカメって何でゴザルか?? 大事なことのはずなのに、拙者、覚えていないでゴザル(・・?)


「珍妙な名前だな。そして短過ぎる。よし、お前は【オカ=メギル】と名乗るがいい」


 妙案を出したという顔で魔王が言ったでゴザル。拒否権なんて無いでゴザル。故に、拙者はこの名前の良し悪しを考えないことにしたでゴザル(ー ー;)


「拙者は『オモシロスライム』の【オカ=メギル】でゴザル! 魔王さま、よろしくお願いするでゴザル!!」


 拙者は魔王に媚を売って安全を確保しつつ、徳を積んで来世でチーレム無双する決意を固めたでゴザル\\\٩(๑`^´๑)۶////

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