第12話 お主には役割がある

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—————気がつくとぼくは白い空間にいた



—————空間の定義できない存在として


—————体のない意識だけの存在として


—————ぼくは何千年も、何万年も


—————気が遠くなるまで


—————だれかを、待ち続けた


—————ただ、時間がこれぼれていく


—————いつから、この状態になった?


—————ずっと昔からこうだった気もする


—————いまさっきこうなった気もする


—————時間の感覚はあいまいだ


 そこへ、なにかがやって来る


「おっ、おったな?」


—————誰かの声がする


「いやはや、お主には苦労させられる。新しい世界に夢中になりおって」


—————おじさんの声がする


「きっと、楽しいのじゃろうな。自分の立場も忘れて」


—————自分の立場?


「お主には立場があって、役割があるという話じゃ」


—————立場、役割?


「まあ、わしらは期待しておるのじゃよ」


—————おじさんの声が響いてきた


「お主のいまいる世界はB21地点という段階に区別される」


——————なにを言っているのだろう?


——————B21地点?


「お主の世界には、困っている人や苦しんでいる人たちがいる」


——————困っている人、苦しんでいる人たち


「彼らは、自分の境遇から抜け出せずにいる」


——————おじさんの声が浸透する


「彼らは、本当に心から助けを求めているのじゃ」


——————助けを求めている?


「お主はいまの世界を楽しんでいるようじゃな」


——————おじさんの声が響く


「しかし本来、この世界はお主の居場所ではない」


——————ぼくの居場所ではない?


「お主は自分の立場をわきまえて行動するべきじゃな。もう少し」


——————自分の立場?


「わしらは世界の発展と進化を願っておる」


——————おじさんはなんの話をしている?


「少しくらい、お主がそれに貢献することはできるはずじゃ」


——————おじさんの声が浸透する


「お主が自分の意志で選んだ世界じゃ」


——————おじさんの声が少しずつ遠のいていく


「お主は死の直前で望んだのじゃ。みさきのいない世界を」


——————みさきのいない世界?


——————みさきのいない……?


——————世界?


「ならば、お主に役割があってもいいんじゃないか?」


——————おじさんの声が聞こえにくい


「——————魂⁂⁑648*916⁑⊛2」







「世⊛を救え⁂⁑**⋆⁑⁂*⁑⁑⁑⁑」

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