第2話

 女神は言う。【ギャンビット・ゲーム】は神同士の揉め事を世界を壊さず平和裏に解決するためのゲーム、すなわち代理戦争として作られたのだと。


【ギャンビット・ゲーム】ルール


1.設置された【審判の天秤】にそれぞれの陣営が選出した捨て駒ギャンビットを乗せる。両端の上皿=審判台に乗せた駒の【魂の重さ】を比べて、重いほうが生き残り軽いほうが死ぬ。

 例えば【5】と【8】ならば【8】が生き残る。【魂の重さ】が同じならばどちらも死ぬ。


2.生き残った駒は審判台に残りゲームはそのまま続行される。これを繰り返しつつ、【K(王様)】または【Q(女王)】を殺した『チーム』が出た時点でゲームは終了となる。

 つまり誰が【K】か【Q】なのかを推理して当てることがこのゲームの要点ポイントといえる。なお生還の権利はその『チーム』にのみ与えられる。また審判台に乗せる駒が無い場合もその陣営の負けが確定する。


3.審判台に乗せる駒を決めるのはその陣営の合議による。ただし選ばれた駒は『パス』を宣言してそれを拒否することができる。『パス』は3回まで使える。

 また審判台から降りるために『パス』は使えない。


4.相手陣営の【K】または【Q】を殺した『チーム』には生還時に望んだ報酬が与えられる。


「つまりは相手の【K】か【Q】をこちらの誰かが当てないと帰れないのか……」

「でもよ、勝てば何か望みが叶うみたいだぜ。それをモチベーションに頑張れってことか?」

 サッカークラブの練習生たちがこそこそと囁きあう。

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