これはむしろ、囚われたと言った方がいいのでは……
まえがき
これなら大丈夫やろ……?
そうだよな……?
─────────────────────
物心ついた頃から母親がいなかった
それは、
むしろ下手に前世の記憶が残っているせいで、年端のいかない少女達に対して彼女達を保護しようとする視点に立っていたのだ。
『前世は関係ない』と言っておきながら、
心を縛っていたその鎖が、彼女たちの手によって解かれた。
ようやく『高校生・
前世の
そして、『自分は捨てられない』という確かな証拠を求め———
転げ落ちるのはあっという間だった。
その日の深夜、4人の共同部屋には、いつもと違った熱気が籠っていた。
「すきっ……! かがとっ……!」
「待っ……
「んっ……♡」
全てを飲み込むような快楽に包まれ、俺の意識は闇に溶けていった———
「朝か……っ!」
翌朝、窓から差し込む光で微睡みの中から浮上する。
被っていたタオルケットを捲り———その下から現れた、一糸纏わぬ姿の
あぁ、そうだ……記憶が曖昧だけど、昨日は
そして、存外悪い気分ではなかったのは、はっきり覚えている。
彼女達の美しい肢体が、熱く熱を帯びた吸い付くような肌が、柔らかくもしっかりと指を押し返す弾力のある胸が、愛を囁く上ずった声が、鮮烈な愛を秘めた心が———全て、自分のものになっている。
身体の奥から湧き出てくる熱と、全身を包む快楽を感じながらも、
あぁ、俺は最初から
しかしまぁ……凄かった。
容赦がないというか、目がキマッてるというか……肉食獣に補食される草食動物って、きっとこんな気分なんだろうな……。
ただ、これだけは言わせて欲しい。
成人済みの
もちろんそれは分かっていたし、俺は必死に抵抗した。けど───
『
『大丈夫だよ? お兄ちゃんは
『何を言って───』
『私は腕ね。
『うん、了解♪︎』
『まさか……! 待て、離せっ……!』
『だって、こうでもしないとお兄ちゃんは絶対さなにはしてくれないでしょ?』
『
『当たり前だろ! だから───』
『ごめんね、
『そんな免罪符があったら、仕方がないよね?』
『お兄ちゃん、共犯者になろ……♡』
『待っ───』
「……いや、ダメだろ……」
確かに状況的には、『俺は必死に抵抗したけど3人がかりで襲われてどうしようもなかった』としか言えない。
でも、ダメなんだ。
『彼女達は、決して自分の前から居なくならない』ということを心と身体で感じ、どうしようもなく安堵してしまっている。
そして、それ以上に『彼女達を繋ぎ止めておきたい』という欲望が、自分の中で渦巻いている。
……俺は思ったよりも、独占欲が強い男だったようだ。
気を付けないとな……あれが原因で、
「はぁ……これは確かに見捨てられないだろうな……というか、人生を賭けて俺が責任を取るしかなくなってしまったな……」
未だ幸せそうな表情ですやすやと眠る3人を優しく撫でながら、俺は心の底からそう呟いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます