心の奥に潜む何か
「三人とも、
「「「っ!?」」」
それはそうだ。
ただの友人であるこの男が、よりにもよって『信頼されているか?』などと……頭に血が上るのに、十分すぎる発言だ。
「
「
気が付けば、
そして、それは落ち着いているように見える
「そんなことを言った理由が何かあるのでしょう?」
「あぁ……俺は一応、
ただし、
もちろん
「あいつ、めちゃくちゃモテるからさ、まぁ理想が高いんだろうなって思ってたけど……あなた達と出会った後も変わらないって変だと思ったんだよ」
「……単純に
「いや、あなた達はすごく魅力的な女性だし……
「えぇ、大好きよ」
「当たり前じゃない、そんなの」
「うん、お兄ちゃん以外いないってぐらいに」
「そ、即答……まぁともかく、これだけ魅力的な女性と一緒に暮らして好意を寄せられて、それでも靡かないって……おかしくない?」
「それは……」
なんとなく思っていたことだった。
私達は、他の女性と比べてもかなり魅力的だと自負がある。
それでも
少し寂しいけど、
「スカすのがカッコいいとか思ってるイキりオタクぐらいしか、そんな反応しないと思うけどな。普通の高校生なら、
「なら……あなたから見て、
「あるとすれば、
「「「!!」」」
正直に言うと、その発想はなかった。
私達と出会ってからずっと、
それどころか何らかの影響があるなど微塵も思わせず、普通に暮らしてきた。
でも……確かにそうだ。
客観的に見れば、
幼いころの親の離婚が、全く影響がないわけがない。
出生が特殊だから、その可能性は勝手に排除してしまっていた。
「だから、最初に三人に『信頼されてるのか』って言ったんです。もしかしたら
「いえ、何も……ただ、『お父さんが母さんを怒らせちゃって、仲直りできなかったんだ』って……」
「確かにちょっと悲しそうな顔してたけどね……」
「まぁ、そのあたりの詳しい話なんて、自分の子供に話すもんでもないですしね」
「あなた、色々と知ってるのね……」
「一応、
けど……と、
どこか他人事ではない、悲痛な表情を浮かべて。
「あいつが心の底から笑っている場面を見たことがないんすよ、俺も。どこか他人と一線を引いて、距離を取って……絶対にただ事じゃないし、親友にそんな顔させるあいつの母親が許せない」
「……あなた、いい人ね」
友人の事を思ってそんな表情ができる人が、悪い人なわけがない。
「ね……
「……こんな美人にそう言われるなら、悪い気はしないな……」
「何か言ったかしら?」
「何でもないですよ。さて、そろそろ戻らないと
「えぇ、ありがとう
「
「特別に『
「はは、それは光栄だ」
必ずしも
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