詰められる剣哉
「おかえりお兄ちゃん! ……と、誰?」
「ただいま、
「妹さんかな? お邪魔します。
「私は
俺が家に到着すると、パタパタと可愛い足音を立てて
そうだったな……
俺はショッピングモールでの一件を思い出す。あの時も、女子2人が現れてからはずっと俺にしがみついてたからな……。
「急に連れてきてごめんな。こう見えて良いやつだから怖がらなくていいぞ」
「……お兄ちゃんの友達なら許したげる……。さな、お茶用意してくるねっ」
「おう、ありがとう」
再びパタパタと可愛い足音を立ててキッチンへ消えていく
『許したげる』とはどういう意味なんだろうな……。
「可愛いし気が利くし……理想の妹じゃん?」
「私もあんな妹欲しかった~っ」
「まぁ確かに、料理とかも、何でもできる自慢の妹だよ。……玄関で喋っててもアレだし、とにかく上がりな」
「おう……は~、相変わらずでかい家だな」
「一応金はあるからなぁ」
「くっそ嫌みな奴のセリフだぞそれ」
とりあえずリビングに案内し、荷物を降ろす。学校を出てそのまま来たから、教科書やなんかが入ったカバンもそのまま持ってきていたのだ。
……案外、制服のままというのが、
「で、今日は何をしに来たんだ?」
「いや~、ちょっと気になってさ。
「……ちょっとキモいぞお前」
「ただの好奇心じゃん? いいだろ別に」
「言ってることが、姉さんとか
「いや、さすがに俺の方がちゃんとしてるよな……?」
「もしお前に彼女がいなくて、お前一人で家に行きたいって言ってたら、確実に断ってたわ」
「そういう意味でも
「もう、私も
「バカップルめ……」
「お兄ちゃん、お待たせ」
そんな下らない会話をしていると、
「ありがとう
「1個はさなの分だから。はい、どうぞ。お姉さんも」
「
「ありがとう♪︎ これ
そのまま俺の左腕を持ち上げると、自分の身体に巻き付けるようにしてきた。せめて片手で抱いて欲しいってことか。
「お兄ちゃん、何の話してたの?」
「ん~……このお兄さんが気持ち悪いって話」
「待て待て待て、幼気な少女に嘘を吹き込まないでくれるか?」
「なるほど、そうだったんだ」
「
「あはは、
「お兄ちゃんの友達なら大丈夫かなって……思いました」
「信用してくれたみたいで良かったよ」
「えらいぞ、
「……♪︎」
俺が
「……めちゃくちゃ仲良いのな、二人とも」
「……そうか? 割と兄は妹を可愛がるもんだと思ってたけど」
「うん、兄は妹を可愛がらないとダメだから、お兄ちゃんはもっとさなを可愛がって、甘やかしてね……?」
「でも、クラスの妹持ちの奴の話とか聞くと、結構悲惨だぞ?」
「ね。
「あいつ……自業自得だろ」
「……お兄ちゃんは
「な、ないぞそんなの……!」
「そうだよね、お兄ちゃんにはさな達がいるもんね」
「
「うん、世界で一番好き……♡」
そんな風に頬を緩めながら俺の胸元に顔を擦り付けてくる
「
「む~……」
「で、そろそろ本題に入らないのか?」
そう口火を切った俺に、
「そんな、『何言ってんだ』みたいな顔されても……実際、わざわざ
「……ま、分かるよな。でも、本当に話をしたいのは
「姉さん達と……?」
「そうそう……お、噂をすれば」
ちょうどそのタイミングで、玄関が開く音が聞こえてくる。『ただいま~』という声が二人、どうやら
買い物袋を持ってるようだから、帰りに二人で買い物をしてきたのだろう。
「
「あっ、
「
「
「うん……安心して、お姉ちゃん。二人は付き合ってるし、
「
なんだろう……今の会話、ちょっと怖いな。
そんな彼女達に臆することなく、
「お邪魔してます、
「どんな話を……?」
「ん~……例えば、
「何それ詳しく」
「待ちなさい、
「え~……」
「そのあとにでもじっくり聞けばいいでしょ……?」
♢♢♢♢
「———で、
「えへへ……」
「まぁ当然よね」
「
三人の圧力に徐々に押され、いつの間にか部屋の隅っこまで移動してそのまま彼女達に囲まれている
3人とも、俺のことになると容赦ないからな……。
「別に何ともないよ? だって
「……信頼してるんだな」
「むしろ
「俺としては、むしろ他の男を好きになってもらった方が健全だと思うんだけどな……」
「それは、
「そうだな」
「ふーん……まぁいいや。
「……終わりそうにないし、そうしようか」
まぁ、
「……それで、
「あ、やっぱり分かります?」
「だって明らかに
「す、鋭い……じゃあ話しますけど、その前に先に謝っておきます。ごめんなさい」
「……どういうこと?」
「こういう言い方をすると、多分怒るので……ふぅ」
訝し気に目を細める
「三人とも、
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