閑話 その3
5月も半ばとなれば、徐々に気温は高くなってくる。
そんな中で体育の授業をやれば汗をかくのは当然で、早めに更衣室に戻った
女子としては当然匂いが気になるわけで……クラスの男子共が私の匂いを気にしていると想像しただけで鳥肌が止まらないし、何より万が一
(死ぬっ……! というか死にたくなるっ……!)
顔をしかめて自身から距離を取る
この時ばかりは、
(……匂いを嗅がれること自体はいいんだけどなぁ……)
シャンプーやボディソープだって
自分の匂いを求めて来る
そんな
「……最近、
「そう? ……全然自覚ないけど、どう変わったの?」
「ん~……何て言うか、エロくなった?」
「あー、それ何となく分かるわ」
「エッ……はっ? 何? あなた達まさかそういう……」
「ちちち違うからっ!」
「何て言うんだろ……フェロモン? みたいな……最近纏ってる雰囲気みたいなのが凄いんだよね」
「同性の私達でもそう感じるぐらいなんだから、男子はもっとなんだろうね……」
「そんなに男子を惹き付けてるのかしら」
「それはもう……
「…………」
「真っ赤になってどした? やっぱ
思い当たる節がありすぎて、耳まで真っ赤になる
どう考えても、原因は夜の
自分でもビックリするぐらい、
そして
絶賛思春期であるということも当然関わっているが、何より前世から魂に刻まれた
なんとしてでも
そんな本能に引っ張られるように身体も
といっても
「視線というか、
「年齢関係なく惹き付けるとか、
「そんなこと言われても嬉しくないわよ。……私は一人の……
「「っ───」」
間近で見ていた二人は、慌てて
『女の子は恋をすると綺麗になる』とは言うが、これはちょっとフェロモンが溢れすぎなのではないだろうか……。
元々現実離れした美少女が恋に焦がれる様子は、いっそ暴力的なまでに魅力的だった。
そして、彼女の想いを一身に受け、彼女をここまで変えた男というのは、一体どんな人物なのだろうか。
……とりあえず、一言言えるのは。
「
我を忘れた男に襲われるに違いない。
「別に……他の男といても楽しくないから、笑顔にもなれないけど」
「それならそれでいいのよ、身を守るためにも……」
「……? よく分からないけど。じゃあ、私は先に教室に戻るわね」
一足先に着替え終わった
「
「ホントそれ……あんな美少女が纏っていい雰囲気じゃない……」
「
「一人にしちゃうと事件に巻き込まれるね、絶対。私達が可能な限り守らないと」
「んで、
「そこまで言ってないんだけど?」
そんな
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