二人でもう少し遊ぼう?
人の往来がある通りでそんな声を上げていれば、当然何事かと注目される。なんだかイチャイチャしているカップル二組を見て崩れ落ちる可哀そうな非リア……男子高校生に憐みの視線が向けられ始めたところで、とりあえず場所を移動することにした。
その道中……
「ちょっ、あの子のレベル高くね?」
「くっ……隣の男がいなければ……」
「お姫様と王子様のカップルと、それを護衛する取り巻き的な」
俺らを見て小声で話す声が、ひそひそと聞こえてくる。
そのほとんどが、
一応、
「あ、そうそう
「何かって……」
昨日といえば、ショッピングモールで
「あったといえばあったけど、なんで知ってんだよ」
「
そこには、見覚えのある場面を映した写真が表示されていた。。
「あいつら、マジでSNSに乗せたのかよ……」
「救いようがないわね」
それの隣で
写真付きで公開とか、モラルないのかよ。ずっと避けてきたのは正解だったな。
「つーかそれ、個人情報がっつり映ってるんじゃ……?」
「まぁな。だからもうSNS上では消されてる。これは一応保存しといたスクショな。……まぁ消したところで、炎上が収まるわけではないけど」
「え、炎上してんの……?」
「安心しろ。3割は
「……残り1割は?」
「『美人三姉妹を侍らせやがって』っていう、お前への嫉妬」
「えぇ……」
「まぁ、お前とか
「心配に思ってるやつはそんな笑顔にはならんだろ」
「いやいや……」
苦笑いを浮かべた
「ここだけの話、あいつらちょっとめんどくさかったんだよね。俺が
「それはまぁ……」
「そう思ってる奴らは多いだろうさ。だから、『ざまぁ』って感想しか出てこないな」
「
「似合うだろ?」
「はいチーズ」
突然聞こえたそんな掛け声とシャッター音。
俺と
「「なんで写真撮ってんの?」」
「ニヒルな笑顔で責める
「この写真一枚で一生捗る……」
「『けんゆいカップル』だけでも尊いのに、『かがにいなカップル』と『
「カラオケ代だけで見ていいのこれ? 廃課金コンテンツじゃなくて?」
「
「嫉妬ですね分かります」
「「「「…………」」」」
あんまり関わったことが無かったから知らなかったけど、
「はっ! 『
……もう何も言うまい。
♢♢♢♢
その後のカラオケは、久しぶりだったけどかなり楽しかった。
そして
めっちゃくちゃ歌上手いのな……あれだけやけくそだった
今度、
そんなこんなで夢中になって、結局4時間ぐらい歌ってたと思う。明日は声が掠れてるだろうな、これは……
「
「ううん、こちらこそ。急に来てしまってごめんね?」
「全然いいよ! むしろ来てくれて良かった! めちゃくちゃ歌上手いし……あっ、連絡先交換していい?」
「うん、いいわよ」
お互いにスマホを取り出して連絡先を交換する
いつの間にそんなに仲が良くなったんだろうか。
「ねぇ
「どうかした?」
始めより表情が柔らかくなった
「いや、その……
「まぁ、そうだけど」
「ふへへっ……なんかこう、見たいなぁって……」
「ワンチャン4P……じゃない、4人の仲が良いところが見たくなっちゃって」
「……また遊ぶ予定があったら呼んで欲しいとか、そういう話か?」
「もちろん強制じゃないからね!?
「その時は
「……二人が乗り気だったらな」
「「っしゃっ!」」
『断られた』とでも言えば、さすがに諦めるだろうし。
その後、皆と別れて俺と
「……たまにはこういうのも悪くないわね」
「なんだかんだ言って、
「まぁね……ところで
「何?」
「せっかく二人になったんだしさ………もう少しだけ、二人で遊ばない?」
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