今、何でもしてくれるって?
「で、今日のあの二人は誰なの? 知り合い?」
「相手が妙に馴れ馴れしかったけど」
帰宅し、4人揃って共有部屋に戻ると、休憩の間もなく
「知り合いってほどじゃないんだけど……
「へぇ……」
「まさか、
「っ! それだったらなんでも言って! 服装もメイクも、全部好みに合わせるから!」
「そんなんじゃないって。むしろ避けてたんだぞ? 前世の俺の性格、分かってるだろ」
「……それもそうね」
見るからに安堵の表情を浮かべる3人。
自分で言うのもなんだが、前世も前々世も恋愛の経験なんてない。
しかも下手に大人としての意識が残っているからか、今さら女子高生とどうこうするだなんて、全く想像できないのだ。
そういう意味では、
「前世では会うたびに露出を増やしても反応しなかったものね」
「あれね、結構いい作戦だと思ったのにね」
「あれわざとやってたのか!? どれだけ戦いにくかったか……」
「過去の話はどうだっていいのよ。今はあの女狐が近寄らないように策を練らないと」
「いっそのこと、私そっちに転校する?
「マジでやめろ! そんな理由で
「
「冗談———」
———言ってるようには見えないな。目が本気すぎる。
本気でやりかねないな、これは。
「そこまで自分を蔑ろにして、俺が喜ぶと思ってるのか?」
「っ……でもっ」
「むしろ迷惑になる。
「わ、分かったからっ、ごめんねっ? 嫌いにならないで?」
「私も気を付けるから、見捨てないで……」
俺に拒絶されるとでも思ったのだろうか。
突然涙目になった
「普通にしてれば、別に嫌いになんてならないよ。むしろ今日は申し訳ない気持ちでいっぱいだよ……
「ん……いいのよ、これぐらい。
「それでもだ。できれば何か埋め合わせをしたいんだけど……何がいい? 俺にできることなら
「「「っ!」」」
「ぅおっ」
俺がそう言った瞬間、3人が一斉に俺に顔を向けてきた。
何をそんなに驚いた顔をしてるんだ……?
「なんでもいいの……?」
「お、おぅ……」
そう呟いた
しかもそれが
「まさか……また初日の時みたいにキスしてほしいとか言う気じゃ……」
「キスは一応、毎晩してるから間に合ってるけど……私どうしても欲しいものがあるの」
「待った、毎晩してるって何!? えっ、そんなの全く知らないんだけど!?」
「……ふふ、
「そうだね~、あんなことしても起きなかったし……」
「えへへ、お兄ちゃんの寝顔、毎日見ても飽きないよ♪」
「俺毎晩何されてんの!?」
衝撃の事実が発覚……マジで全く記憶にない……。
朝起きても別に身体に違和感ないし、服装も乱れてないし……ちょっとゾクッとした。
「今はいいのよ、それは」
「俺が知らない間に毎晩襲われてるのはどうでもいいことなのか……」
「それで、私たちの欲しいもの……聞いてくれる?」
紅潮した表情と、吐息を漏らすような
「な、何が欲しいんだ……?」
「赤ちゃん」
「えっ」
「
「却下ぁっ!」
「どうして!? 私はいつでも準備ができてるのに!」
「私はまだ15歳だから結婚はできないけど……順序が逆になってもいいと思うの」
「ごめんねお兄ちゃん……さなももうすぐ赤ちゃんできるようになるから、待っててね?」
「おっも……そんなことしたら家族じゃいられなくなるから、な? ちょっと落ち着こうぜ……」
下手に強く拒絶したら、なんだか刺されそうな気がする……。
「……まぁ、
♢♢♢♢
その日の夜、俺は両腕とお腹に感じる重みに耐えながら、必死に気持ちを落ち着かせていた。
重みの原因は当然、
彼女達の要求は、『添い寝をしてほしい』とのこと。
それぐらいなら……と思ってしまった俺は、共同部屋に布団を敷いて、今日だけは同じ部屋で寝ることになったんだけど……。
これはこれでヤバいかもしれない。
生地の薄いネグリジェに身を包んだ
そもそも女性とこんなにくっついた経験なんてないのに……彼女達の体温と、お風呂上りの、こう……男の本能に叩き込んでくるような良い香りに包まれて、正直手を出さないようにするのに必死だ。
その日の俺は、寝付くまでにかなり時間がかかったような気がする。
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