決着
二人は両手に4人分の飲み物をそれぞれ持ちながら、俺に詰め寄っているクラスメイトを眺める。
スゥッ———と
「あなた達、
「……なに、急に」
「あんたに関係なくない?」
「関係あるわよ。
「へぇ……あ、もしかしてイケメン君を取られると思っちゃった??」
「だた遊びに誘ってるだけじゃん?」
そんな言葉が出てくるあたり、それほど自分の容姿に自信があるのだろうか。
「そうかしら、私には別の目的があるように見えるのだけど?」
「は? 何? 別の目的?」
「大方、こうじゃないかしら……格好いい
「はっ、ウザッ」
「あんた何? ウザいんだけど」
反論ができなかったようだ。
図星を突かれたから、『ウザい』と相手を威嚇することしかできない。
「ただ普通に遊びたいだとか、
あぁ、そうだ。
『絶対に添い遂げる』と、転生してまで俺の後を追ってきたほどだ。
狂う程に熱烈な愛を滾らせる3人の間に、他の者が入る余地など、微塵もないということだろう。
……ただ単に、俺が他の女子と遊ぶのを阻止したいという私怨もあるだろうけど。
「っ……
「
そう言って再び俺に近寄ろうとする
深淵のような目をした
流石に可愛い幼女の涙には勝てなかったのだろう。
気圧された
「……あなた達、本当にすごいわね。まだそれで行けると思ってるのかしら」
「は? どういう意味?」
「分からない? 男をアクセサリーとしか思ってないと公言しているようなもので……しかも、幼い女の子を放置して遊ぼうって? さすがに人間性を疑うわよ」
状況を知らない周囲の人々も、俺にしがみついて涙を流す
ギャル二人組の方が、何かやらかしたのでは……と。
「っ! うっさいなぁっ、偉そうに説教するなよブス!」
「いきなり突っかかってきて、調子に乗るなよ!」
「あら、自己紹介かしら? 殊勝な心掛けね」
「っ!」
パンッ! と乾いた音が響く。耐えられなかった
ザワッと周囲にどよめきが広がり、誰かが声を上げるよりも早く———
俺は
当たり前だ。
「鬱陶し、さっさと帰ろ」
「あんたのことSNSで晒してやるから」
「おい、待てよ」
「いいの、
立ち去る
白く美しかった
けど、それを
……何もそこまでしなくてもいいのに、本当に
「姉さん、叩かれた所見せて」
「んっ、ゃっ、大丈夫だからっ……///」
「腫れてるだろ、すぐに冷やさないと。
「うんっ」
いい加減周囲の目も気になるし、さっさとこの場から居なくなるに越したことはないだろう。
俺は
握った
静かな場所で落ち着くのが一番良い。
「……ごめんな」
「……そ、そこは『ありがとう』って言うべきじゃないかしら」
「そっか、なら……ありがとう、姉さん」
「んっ」
照れ隠しだろうか、
……3人とも迷惑をかけてしまったし、家に帰ったら埋め合わせをしないとな……。
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