今世では、絶対逃がさないから……
「それで、何が目的なんだ? カミーリア、エイリア、フレシア」
「あら、流石は『救世の勇者』……私達に気付いていたのね。でも、この世界ではこの世界での名前で呼んで欲しいわ」
親父に聞かれないようにキッチンを離れたところで、俺は核心へと切り込んだ。
のらりくらりとかわそうとする
「……あなたが警戒するのも無理はないわね。あなたからすれば、殺したはずの相手が復活してきたんだもの」
「でも安心して?
……だからこそ、今になって接触してきた意図が分からない。
「なら何故だ? 転生してまで俺を追ってくるなんて、相当強い何らかの願いと、神様の力がなければ不可能なはずだ」
「……それはこんな廊下で話すことではないわね。あなたの部屋に案内してくれたら、そこで全て話しましょう?」
目的が分からない相手を自分の部屋に招くのは少々気が引けるけど……こればかりは仕方がないか。
「分かった。とりあえず腰を据えて話をしようか」
「えぇ、ぜひ」
部屋のドアを開け、3人を招き入れる。
自分一人だったらちょっと広くて寂しい部屋だけど、さらに3人も入るとなると少し狭く感じる。
「へー、普通に男の子してるのね」
「でもちょっと殺風景ね」
……端から見れば、これって美少女を3人も自分の部屋に連れ込んでることになるのか。前世の関係があって警戒してばかりだったけど、なかなか凄いことしてるんじゃないか……?
いや、騙されるな。
いくら見た目が良くても、俺と殺し合った魔王の幹部たちだ。
何かを企んでいるに違いない。
俺はなるべく彼女達を意識しないよう、ベッドに腰掛けながら話を続ける。
「さて……お前たちの目的を教えてもらおうか? 当然、隠し事はナシだ」
「……
「「オッケーッ!」」
「なっ……!?」
突然、
正面からは、獲物を狩る目をした
「お前らっ、ついに本性を———」
「んっ……」
突然、口を塞がれる。
ふわりと鼻腔を擽る、甘い香り。
唇に感じる、夢のような柔らかさと暖かさ。
驚くほど近くにある
「っ!?」
「んぁっ」
ハッと我に返った俺が抵抗すると、
「っ!!?!??!?!!」
「あら、嫌だった?」
いつの間にか仰向けの俺に馬乗りになっている
「なっ、えっ、何を———」
「何って、私達の気持ちを分かってもらうには、これが一番早いでしょ?」
「
「さな達は、あの時からずっと、お兄ちゃんのことを想ってたんだよ?」
左右の耳元で囁く
左腕は
混乱が収まらない俺を差し置き、
「私達悪魔は良くも悪くも正直だから……強い人に惹かれてしまうのよ」
「
「転生しても消えないほどに、ね?」
「「「ねぇ、私達をこんな体にした責任、取ってくれるでしょ?」」」
紅潮した頬に深く妖艶な笑みを浮かべる
この時、俺はもう二度と離れられないのだと悟った。
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