第5話

チャイムを鳴らすと目の前にある大きな門ではなく

その左隣の小さな扉が開かれた



開かれた扉からは若い10代くらいのメイド服を身に纏った少女が出てきた



「どちら様でしょうか?」



彼女は一切表情を変えずにこちらをじっと見ていた




俺は少し気まずくなったがいつものように執事モード全開で




「松田執事紹介所からやってまいりました。楠木春樹と申します。

 本日よりこちらの晴海邸で執事として務めさせていただきます。」




そう少し微笑みながら言い切った

この執事モードは口角が疲れる...




俺の言葉を聞いたメイドはしばらくこちらを見つめてから

「どうぞ。お話は伺っています。」

そう言って扉の中に消えていった




愛想がない女子だぜ

今時の子はこんなに愛想がないのか



俺は少し心の中で悪態をついて少女の後を追いかけるように

扉の中へと足を進めた






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