第2話私も猫です

こうして安全な場所を確保して私は一安心しました。暖かい部屋で安心して子猫達にお乳を与える事ができるのです。


「母さん、この猫安心しているみたいだ」


「それはそうよ、こんな冷たい雨の中で子供を産んだんだから」


子猫達は私のお乳を飲んでぐっすり眠っています。私も猫です。たとえ母猫でも散歩くらいはしたい。私はそっと箱から離れて外の散歩に出掛けました。雨は止んでいて北風が吹いています。寒い日でしたが私は散歩を楽しみました。しばらくして帰ってみると子猫達は鳴いて私を探しています。私は箱に収まり、子猫達にお乳を与えました。人間達は私が返ってこないかもしれないと心配していたのでしょう、帰って来た私を見て安堵したようです。私は子猫達を見捨てたりはしません。十分な餌を貰ってまた子猫の面倒をしてあげました。


「母さん、子猫達の里親探しをしなければいけないな」


「そうね、でもまだその時期には早すぎるわ」


この家には飼い猫が居るようでした。でも私にはこの暖かな寝床で十分なのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る