第16話 四期生について話し合う先輩の配信視聴①


りん:「どうもコンわんこ! Re:live二期生の犬宮りんだぞ!」


狸央:「こんばんは。ポンではないです。ポンポコです。同じくRe:live二期生の里山狸央だ」


:コンわんこ!

:コンポコ

:コンポコ

:コンわんこ!


 配信は丁度始まったみたいで、画面上には二人のイラストが映る。先に喋りだした。犬宮りん先輩は茶髪に垂れた犬耳をつけた長身美少女だ。

 相方の里山狸央先輩は緑色の髪で狸の耳をつけているが、描く人側のミスなのか何故か人間の耳もある。初配信時にそれが弄られ、修正されず今でも耳が四つという謎の生物となっている。


りん:「狸央ちゃん! 狸央ちゃん! 今日は何するの?」


狸央:「今日? 何だと思う?」


 りん先輩の質問に狸央先輩は答えは知ってるようで、でも教えようとはしないらしい。どうしても煽ってるように見える。そこにコメントの反応は。


:ナンダロウナー

:なんだろうね(棒)

:煽りやめい

:知ってんなら教えろ


 という風に、狸央先輩に合わせる人。待つのが嫌いなようで早く教えて欲しい人とで分かれていたりする。


狸央:「正解はぁ〜……、四期生の初配信を見ての感想で〜す!」


:知ってた

:知ってた

:タイトルにあるし

:ですよねー


 四期生の初配信の感想となるとボクも含めた四人だ。ボク的には反省点はそれなりにあると思うけど、先輩方からの意見が聞けるのはいいタイミングだった。


狸央:「いつもだったら一期生がこういうの担当するんだけどね」


りん:「いいじゃん! てことで、振り返ってこ〜!」


:お〜

:お〜

:お〜

:お〜

:お〜


 画面上に一人のイラストが移される。


狸央:「まずは一人目、澄風トウカだ」


りん:「紫色の髪が特徴的なザ・優等生みたいな感じだったよね」


狸央:「ところがどっこい! 最後にコーヒーを零して熱さに叫んだり、そのままパニック状態で椅子から転げ落ちるというポンを見せつけた。残念なやつだ!」


 なるほど、トウカさんはポンと……メモメモ……。


狸央:「まだ話はあるぞ! 最終面接で『貴女はどんなVtuberになりたいか』と聞いたところ……」


りん:「聞いたところ?」


狸央:「我らが先輩、冬月雪花先輩のようになりたいと申しましてね。でも、なったところで二番煎じだという訳なんですよ」


りん:「ほうほう、じゃあなんで採用にまで至ったの?」


狸央:「それは、審査員側曰く、『残念な波動を感じるとのことです』」


:ポンはお主だぞ。狸

:負の連鎖の極み

:まぁ、凄くかっこいいから憧れるよね

:雪花ちゃんはもはや人ではないから

:あの人は真似できんからやめとけ

:二番煎じは飽きられる

:まさかの採用理由wwww

:審査員さんよぉww

:残念な波動ww


 採用理由が、残念な波動ね……。そもそも残念な波動ってなに?


狸央:「さて、りんちゃん。トウカちゃんにアドバイスとかあったりする?」


りん:「アドバイス!? いきなり聞かれてもなぁ……。あるとするなら憧れるのはいいよ。でもそれだけを目指すのではなく、自分のやりたいことをやっていけばいいと思うな」


狸央:「らしいです」


 りん先輩のアドバイスをメモしていく。目標は憧れではなく、目指すものと。


狸央:「次いこう。二人目は寝琴ねむだな」


りん:「空色の髪に寝る気満々な寝惚け顔から始まったことで可愛らしさを目立った娘だったね〜」


:四期生の中で早速問題児になった娘

:やることなすこと全てを眠ることに繋げようとする不真面目生徒

:居眠り配信常習犯予備軍

:同期の初配信を覗きに来て眠る少女

:睡眠欲が異常に発達している

:初配信にて活動詳細で睡眠配信をすることを宣言した女


狸央「おお〜、ボロクソ言われてるねぇ」


 ボロクソどころではないのでは? なんでコメントの人達ここまで言えるの?


狸央:「まぁ、コメントのように掲示板とかで居眠り配信常習犯予備軍という謎に不名誉な二つ名を付けられたねむちゃんですがりんちゃんはどう思う?」


りん:「う〜ん。睡眠配信はいいけど、毎回はやめようね。ゲーム配信とかもいいよ」


狸央:「睡眠配信することは止めないのな。それじゃあアドバイスどうぞ」


りん:「またなの!? あっ、えっと……、頑張れ!」


狸央:「ありがとうございました〜」


 りん先輩……なんか不憫? でもかわいい……。

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