よんもち
わたしは小さい頃から「これ」という将来の夢が存在していない。明確にはそれを体現する覚悟がないというべきだろう。街のお花屋さんで働くお姉さんを見ると、可愛くてキレイでとても素敵に思えてくる。そして自分がそこで働いているかのように妄想して働いてみたいという気持ちになる。パン屋さんにもお医者さんにも、同じようなことを思ったことがあると記憶している。でも変に「小利口」でその職につくためには、絶対に途中でとてつもない努力をしないといけないという、「モヤっとしているが多分そう」だと思えるイメージが、恐らく人の何倍もの強度でやってくる。そしてそれと向き合う度胸がなく、結局なかったことにしてしまうのだ。とても良くない癖だと思う。数手先の辛いことを誇張して想像してしまう割に、自分にベクトルが100%向いているお世辞や皮肉などは、表面だけを都合よく受け入れてしまったりする。わたしはとても幸せな生き物だ。これは自分に対する皮肉のつもりである。
しかしそこまでの覚悟が生まれ、ついてみたい職業や目指す夢が世界の何処かにあるのではないか?
まだ出会えてないだけだ、いつか出会えるんだ、とも真面目に思っている。そんなこんなで次の誕生日で20歳になる高橋望。
その瞬間が来るのか来ないのか、わたしの堂々巡りに付き合ってほしい。そんなお話。
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