麦茶が大好きすぎて、困っちゃう

みっちゃん87

女子高生の淡い閃きと、気付いたこと。

晴香は、麦茶が大好きだった。いや、それ以上だ。彼女にとって麦茶は、ただの飲み物ではなく、生活の一部、いや、生活そのものだった。夏だろうと冬だろうと、彼女の手元には常に麦茶があった。その愛は、彼女の部屋にもあふれていた。麦茶のポスター、麦茶のラベルで飾られた壁、そして常に満たされた麦茶のポット。彼女の愛は、周りから見ればやや一風変わっているかもしれないが、晴香にとっては最も自然なことだった。


しかし、ある休日のこと、彼女はある大胆なアイデアを思いつく。それは、麦茶風呂だった。自分の最も好きなものに囲まれて、リラックスすることほど素晴らしいことはないと思ったのだ。晴香は、そのアイデアに夢中になり、すぐに実行に移した。麦茶を何リットルも用意し、お風呂に溜めた。麦茶の香りが部屋中に広がり、彼女は興奮して風呂に入った。


風呂に浸かりながら、時折手を伸ばして麦茶を口に運んだ。しかし、期待していたほどの興奮はなかった。彼女は、この風呂に浸かりながら、自分が何をしているのか、何を求めているのかを考え始めた。そして、彼女は気づいた。麦茶を愛しているのではなく、麦茶を「飲むこと」そのものが好きなのだと。風呂から上がり、シャワーで体を洗い流す間に、彼女は自分の気持ちを整理した。


その日以来、晴香は麦茶を見る目が変わった。彼女は相変わらず麦茶を愛していたが、その愛の方向性が変わった。高校を卒業し、彼女は麦茶専門のカフェを開くことにした。カフェでは、様々な種類の麦茶を提供し、その魅力を広める活動を行った。晴香は、麦茶を飲むことの喜びを、多くの人と共有したいと思ったのだ。


カフェはすぐに人気となり、多くの人が麦茶の魅力に引き込まれていった。晴香は、自分の小さな発見が、こんなにも多くの人の心を動かすことになるとは思ってもみなかった。彼女は、麦茶が大好きすぎて困っちゃうとよく言っていたが、今ではその愛が彼女の人生を豊かにし、多くの人々に喜びをもたらしていることを知っている。


晴香の物語は、小さな情熱がいかにして大きな変化を生むかを教えてくれる。麦茶が大好きすぎて、困っちゃう。それは、彼女にとって最高の困りごとだった。

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麦茶が大好きすぎて、困っちゃう みっちゃん87 @bosanezaki92

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