第6話 スナフキンの実の実験②

「アイカ、早速スナフキンの実の実験をしましょう!」


「スナフキンの実を、生で食べてお腹を壊したのなら、茹でたり、焼いたりするのはどうでしょう?

以前ディードさんが、お腹を壊したのは慣れないものを食べて、お腹がビックリしたのだと思います。

ディードさん、私はお腹を壊す覚悟は出来ています。食べてみたいです。」


「アイカのお父さんが心配するわよ。私が一緒にいて何をしていたのか?と叱られてしまうわ。」


「ディードさん、責任は自分でとります。ディードさんを責めたりは絶対にしません。約束します。」


「母さん俺もアイカに付き合うよ!正直ムーミンしか飲むものがない事は、辛く感じていたし、アイカの言う「美味しいもの」にとても興味あるんだ!」


「実は、私も興味があったのよ。3人で頑張りましょう!!」

ディードもラックも乗り気で、とても助かるわ。


「ディードさん、お鍋ありますか?お湯を溜めて、スナフキンの実をカットしたものを茹でてみたいです。

ラックは、家の外で火を焚いてもらえる?スナフキンの実を焼いてみよう!」

焼き芋に挑戦だよ!


アイカの声掛けで、それぞれが手分けして動きはじめた。みんな手際がいい。まずラックが剥いてくれたスナフキンの実の皮をカゴに集めた。皮も良い香りだ。お風呂に入れたら、温泉気分になれるかも?今晩はお風呂に入りたいよ!そういえば家の中にお風呂はなかったけど、どこにあるのだろう?あとでディードさんに聞いてみよう。


包丁は?と思ったが、あるわけがなく、小型の斧のようなものがあったので、それを借りて、一口大くらいにカットしていく。私は前世で料理をしない叔父のかわりに味噌汁を毎日作っていたから、お手の物だよ!


「アイカ、お前器用だな?」

アイカはラックに褒められて、嬉しくなりながら、手際よくカットしていく。そしてカボチャサイズのスナフキンの実をディードが用意してくれた沸騰した鍋の中に放り込む。そして枯れ枝に突き刺したスナフキンの実を直接に火に当たって焦げないように気を付けながら、地面に突き刺してみた。10分経過した頃、焼き芋のような香ばしい匂いが漂ってくる。うわぁ!とても美味しそうだよ!!アイカは興奮してきた。


ディードの家で茹でていたスナフキンも部屋いっぱいに甘い香り漂っている。間違いなく美味しそうだ!


「ディードさん、ラック!わたし我慢できないわ!」

アイカは、茹で上がったスナフキンをフーフーすると、茹でて赤色に変色したスナフキンの実を食べてみた。


「美味しい!!!!凄く美味しいよ!ディードさんもラックも食べてみて!!きっとビックリすると思うよ!!」

アイカは興奮して、ふたりに勧めると、2人とも食べて、唖然とした。


「何だ、これは?信じられないよ・・この世にこんな美味しい食べ物があるなんて・・でも後からお腹が痛くならないかな?」

少し不安気な、ラックに大丈夫だよ、と安心させたディードさんも感激している様子が伝わってくる。


「次は焼き芋だよ!!」

3人は、焚火にかざしたスナフキンの焼き芋の棒を、それぞれがパクっと食した。今日2度目の驚きだ!3人は顔を合わせて、幸せ過ぎて、顔の表情筋が緩んでしまっている。


3人とも、食べて満足した。そしてお腹が痛くなる事もなく、平和的にスナフキンの実験を終える事ができた。

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